表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

201/930

家庭科室にて 10

 ある日の放課後。


「先輩って寝癖ついてても、気がつくと元に戻るんですよねー」

「羨ましいなあ……」

「そうでしょう? 羨ましいでしょう? 羨ましいって言いなさい!」

「先輩、もう言ってますって」


 涼香(りょうか)涼音(すずね)とここねの三人は、仲良く家庭科室でお喋りをしていた。


 ちなみに菜々美(ななみ)はアルバイトで不在である。


 話題は涼香の寝癖事情。なぜこの話題になったのかは不明だった。


「ねえ、涼香ちゃんの髪の毛触ってもいい?」

「いいわよ」


 ここねは身を乗り出して、涼香の髪の毛を触ってみる。


 涼音も隣で涼香の髪の毛を触っている。


 涼香の髪の毛は、枝毛など絶対無いと言い切れるし、絡まることなく、滑らかに流れる艶やかな黒髪だった。


「やっぱり涼香ちゃんの髪の毛って綺麗……」


 ここねが感嘆の息を漏らしながら言う。


「ほんと……同じシャンプー使ってるんですけどね」


 涼音は涼香の髪の毛をなんとなく三つ編みにしていた。


「涼音は髪の毛を染めているからではないの?」

「あー、まあそれもありますね」


 涼音とそんなやり取りをしながら、涼香は机の上に身を乗り出しているここねを引っ張る。


 家庭科室のテーブルは大きいため、小柄なここねは、テーブルに乗り上げると足が浮いてしまう。


「きゃー」


 ここねはじたばたと足を動かしている。


「さて、どう調理しようかしら」

「なにやってるんですか」

「涼音、早く写真を撮って菜々美に送りなさい!」

「えぇ……」


 こうしていつも通りの緩慢な放課後が過ぎていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ