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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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177/928

体育館にて 2

 ある日のこと。


 ビターン! という音がよく似合う転び方をした涼香(りょうか)


 現在体育の授業中、しかしなにか競技をやっていて転んだという訳ではなく、準備体操を終え、競技の準備をしようとしたところでこうなった。


「早く立って」「大丈夫だろうけど大丈夫?」「ノルマ達成」


 よく見る光景のため、あまり心配はされてなかった。


 涼香はため息をつくと、仰向けに倒れて天井を見上げる。天井に引っ掛かっているバレーボールがあった。


 それはそうと転んだ拍子に擦った膝が痛かった。


「痛いわね」


 後で涼音(すずね)に、痛いの痛いの飛んでけーをしてもらおうと心に決め、身体を起こす涼香。


 そして転んだ原因を確認するため、自分の足を見る。体育館シューズの紐が解けていた。


「全く……困ったものね」


 そんなことをボヤきながら紐を結び直す。綺麗な蝶蝶結びが出来上がった。


 そして立ち上がった涼香は、準備を手伝うため、クラスメイト達の元へ向かうのだった。

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