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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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涼音のバースデーサプライズ☆にて 2.5

「ケーキ争奪じゃんけんを始めようと思うわ!」


 涼香(りょうか)はバンっと教卓を叩いて、高らかに宣言する。


 ケーキ争奪じゃんけん――ここねが作ってくれた涼音(すずね)のケーキの残り四切れを争奪するじゃんけんのことだ。


 涼音は全て食べる気でいたのだが、全て食べてしまうと、夕食が入らないし、夕食後のケーキも食べられなくなる。


 もちろんここねに許可をとって争奪じゃんけんを始めたのだが、やはり少し申し訳ない気持ちになってしまう。


「ここねのケーキは私のものよ!」


「いいえ、これは涼音のケーキよ。つまり私のケーキと言っても過言ではないわ!」


「「「「「「過言だよ……」」」」」」


 一番やる気の菜々美(ななみ)と、訳の分からぬことを言っている涼香が睨み合い火花を散らす。


「私達のことを忘れないでもらおうかっ!」


 若菜(わかな)がなんかそれっぽいことを言いながら、睨み合う両者の間に割って入る。


「……なにを見せられてるんですか?」


「みんな楽しそうだね」


 ジト目を向ける涼音に対してここねは楽しそうに答える。


 それから結構わちゃわちゃそれっぽいことを言い合って、争奪じゃんけんが始まる。


 まずは人数を減らすため、涼音が前に出てじゃんけんをする。


「それでは行きますよー。じゃーんけーんぽん」


 涼音はグーを出していた。


「す、涼音……⁉」


「あっ……あぁぁぁぁぁ!」


 ガクりと膝を折る涼香と吹き飛ばされる菜々美。


「えぇ……」


 二人は負けたのであった。


 二人以外にも、かなりの人数が今のじゃんけんで負けてしまった。ちなみに若菜とここねは残っていた。


 これからは残りの人でじゃんけんをして、四人に絞ってもらう。


 そして――。


「わあ! やったよ菜々美ちゃん! わたし勝ったよ!」


「所詮私もその程度だったってことか……」


 最後の四人に残ったここねが喜び、惜しくも敗れてしまった若菜がそれっぽいことを言う。


 なにはともあれ、無事に決まってくれてなによりだった。


 勝ち残った四人はそれぞれ紙皿に残りのケーキを取って、各々美味しそうに食べ始める。


「はい、菜々美ちゃん。あーん」


「こ、ここね⁉」


 力尽きていた菜々美の前に、ケーキが差し出される。


「いいの? 私、負けたのよ?」


「うん! でも、やっぱり菜々美ちゃんにも食べて欲しいから」


「ここね……うっ……うぅ……」


 感涙に咽び泣きながら、菜々美は差し出されたケーキを食べる。


「美味じいぃぃ……」


「よかった、そう言ってもらえて」



 二人は甘い空間を創りかけるが、いまこの場所で創らせる訳にはいかない。――と思った涼香が、強引に話を進める。


「次は待ちに待ったアレよ。私も気になるのよね」


「アレってなんですか?」


「アレはアレよ。涼音は座ってなさい」


「あ、はい」


 大人しく座ることにする涼音。


 次は一体なにがあるのだろうか。ワクワクする涼音であった。

どうでもいいとは言い難い情報①

一年生からの見られ方

涼香:クールで学校1美人な先輩

涼音:学校で一番可愛い先輩

ここね:かわいい……

菜々美:残念美人

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