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百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常  作者: 坂餅


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112/927

図書室にて 3

 ある日のこと。


「待ってください先輩、絶対落としますって!」


 涼音(すずね)の叫びが図書室で響く。


 今は図書室が閉まっている時間、しかし掃除のため、図書委員である涼香(りょうか)と涼音がやって来ていた。


「大丈夫よ私を信じて」


 涼香は図書室のカウンターの掃除のため、カウンターに置かれていた本や書類などを一斉に動かそうとしていた。


「無理です! 絶対転んで大惨事!」


 本と書類を抱えている涼香を刺激しないように、ゆっくりと後ろから近づく涼音。この後どうなるのかは目に見えていた。


「見くびられたものね!」


 そう言って荷物を抱えたまま振り返る涼香、そして案の定自分の足を踏んで転ぶ。


「せんぱああああああああああああああああああい‼」


 そんなことを叫びながらも、しっかりと涼香を受け止める涼音であった。

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