放課後にて 15
一方その頃――。
「このまま乗り換えず、行けるところまで行こうではないの」
「嫌よ」
「逃げちゃダメだよ」
とりあえず急行停車駅まで電車に揺られる涼香、菜々美、ここねの三人。
涼香が間違えて逆方向の電車に乗り、それを捕まえて脱出しようとした菜々美だったが、涼香が転びそうになったことでその動きができなくなり今に至る。
「涼音は大丈夫かしら」
涼香は窓の外の景色を見ながら小さく呟く。本来なら電車の音で聞こえないのだろうが、菜々美やここねには聞こえていた。
「「大丈夫だと思う」」
「涼音は可愛いのよ」
「はいはい」
涼香を適当にあしらいながら乗り換えるために動く。とりあえず先に行っているメンバーにメッセージを送って電車が来るのを待つ。
三人で駅のベンチに並んで座る。
「……なんか懐かしいわね」
「もう二年経っちゃってるんだね」
「そういえばそうね。菜々美、あなたもう大丈夫なの?」
「おかげさまで。はあ……、この二年で変わりすぎたかしら、私」
二年前、高校一年生の時、帰る方向が全く違う三人が今のようにこうして、駅で座る時があった。
「定期券が一ヶ月から半年定期に変わったわね」
「ずっと近くにいたから分からないけど、苗字読みから名前呼びには変わったね」
「………………確かに変ったわね」
それも変化といえば変化だ。小さなことも大きなことも、変わったものは意外と多いのかもしれない。
否が応でも変わるものがあるが、変えたくないものは変えずにいこうととりあえず菜々美は改めて思うのであった。




