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異界に召喚されし時空神  作者: いなさと
時空迷宮編
4/6

第四話 加護と迷宮都市


 俺はこのまま自分が神様だと詩音に打ち明ける事にした。

 あのステータスは詩音のものだから当然詩音も見えるわけで加護について言及されたら回避のしようがない。

 だから自分から言ってしまおうとの魂胆だ。


「詩音、実は隠してたことがあるんだ」


 詩音は無言で俺を見つめ続きを促してくる。


「実は…俺は時空神と呼ばれる存在でその、元々はこの世界の神だったんだ」


「本当に…?」


「あぁ…証拠に詩音のステータスに俺の加護が付いてる」


「……あっ、本当だ。てか私のステータス見れたんだ」


「すまない、一応神だからな」


「ま、これで納得がいったわ。教えてくれてありがと」


「あぁ」


 俺が思っていたよりも普通な反応だった。

 俺としてはありがたいのだがもうちょっと驚かれると思ったのだ。

 まぁ日本人からしたら神なんて架空の存在だし当然っちゃ当然なんだけどな。


「これ説明に空間魔法に補正がかかるって書いてるけどどう言うこと?」


「今までよりも空間魔法が使いやすくなると思うぞ。ゲームで言うエイムアシストみたいなものだ」


「エイムアシスト…システム的な援助ってことね」


「あぁ」


 思いの外詩音は地頭がいいのかもしれない。

 成績はそんなに良くなかった気もするが…。


「む、何よ」


「い、いや何でもない」


 やはり女は怖い。

 思考までも読まれてる気がして気が気でない。

 一応神だぞ?俺。


「魔法使ってみていい?」


「あぁ、いいぞ」


 詩音は何もないところに手を翳し空震と呟く。

 すると、先程成功した時と比べ物にならない程の威力が乗っており目に見えて確認することができた。


「おぉ〜加護ってのは凄いのね」


「あぁ、どうやら威力にも補正がかかってるみたいだな」


「これでもっともっと強くなれるのね…!」


「そうだ、いい機会だ迷宮に行ってレベル上げをしよう」


「迷宮…?なにそれ」


「迷宮…俗に言うダンジョンなんだけど地下に形成された迷路型の洞窟で中に入ると魔物が沢山いて何回かの階層に分かれている。階層が下がるにつれて魔物も強くなり10階層ごとにフロアボスと呼ばれる魔物が存在する。各階層の階段付近にクリスタルがあるのだがそれは転移クリスタルと呼ばれ、一度行った事のある階層に転移できるものだ。そしてその迷宮を作ったのが俺達神だ。神の位によって階層は違うが最大で100階層になる。因みに俺の時空迷宮は100階層だ。今回行くのは俺の時空迷宮だ」


「ちょ、ちょっと待って?何と無く迷宮については理解したけど階層が下がるにつれて魔物も強くなるのよね?100階層なんて無理よ!」


「まぁ落ち着けよ。なにもすぐに100階層まで行くわけじゃない。詩音のレベルアップが目的なんだから今のレベルだと1〜2階層を周回する事になる」


「そうなのね…」


「なに、俺もそんな鬼じゃないさ。さ、善は急げだ、支度して迷宮に行くぞ」


「はーい」




 ◇




 各迷宮の周りには都市が建設されており迷宮都市などと呼ばれている。

 俺はその迷宮都市に詩音をつれて転移した。

 本来転移は目に見える範囲や行った事のある場所に限られるのだが、俺の場合神に戻って空間把握能力が世界を知覚出来るほど向上しておりこのような強引な転移が出来るようになっていた。

 もっともこの迷宮都市に来た事があるのため今回は普通にこれた。


 詩音も驚きはするが俺が神だと知っているのでそこまで大きな反応はしなかった。

 俺的にはもうちょっと驚いてくれてもいいと思う。


 俺達は早速宿を取り、俺の部屋で時空迷宮について語る。


「まずどこの迷宮でも言える事だが迷宮と同じ神の加護を受けている者は比較的簡単に攻略出来るようになっている。俺の迷宮はちょっと特殊で50階層までは普通の魔物が出るがそれ以降は時空間属性の魔物しか出てこない。ここからは加護が無ければほぼクリアできない。説明には書いてなかったがどうやら加護を持っているとその属性に耐性がつくようになってる。だから攻略しやすいってわけだ」


「なるほど…」


「今のところ50階層が最高到達階層みたいだ。まぁ加護を与えたのは詩音だけだから当然なんだがな」


「加護を今後誰かに与えるつもりはあるの?」


「いや、ないな。詩音に加護がついたのも不本意だったし加護を与えた者が迷宮を攻略すると俺の使徒として種族的にもグレードアップする。しかし、俺は部下など要らん。詩音の場合は状況が特殊だからあえて攻略させてグレードアップさせようとしている。別に部下を作る為じゃない。それに使徒になったからと行ってなにかを強制させることもないし、普段とそうそう変わらないから安心してくれ」


「へぇ〜グレードアップすればあいつらも見返せるわね。私頑張る」


 これほどやる気があればこっちとしても教えがいがあるというものだ。

 その後は各部屋に戻って休息をとった。





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