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異界に召喚されし時空神  作者: いなさと
時空迷宮編
3/6

第三話 空間魔法

ご指摘がありましたので一部文章を変更させました。


 次の日俺たちは冒険者として依頼をこなしていた。

 今やっているのは薬草採取だ。


 俺達がいる街は王都と呼ばれ、ヘリオス王国の日本で言う東京のような場所にある。

 東京と違うところがあるとすれば街が壁に囲われ、すぐそこに森があるところだろう。

 俺達はその森で薬草を取っていた。


「あ〜疲れた…」


「少し休憩するか」


 太陽の位置的に今は昼で朝から作業していた為、疲労が蓄積したのだろう。

 俺は生物の枠の外にいるので疲労を感じないとは言っても精神的な疲労は溜まるし詩音は肉体的にも精神的にも疲弊しているだろう。


 木の陰に腰掛けて休む事にした。


「冒険者って名前の割には地味なことするのね」


「今はランクが低いからな。これからランクを上げていくと魔物の討伐やら調査やらの依頼を受けれるようになるぞ」


「え〜危なくない?」


「まぁな、それが冒険者だからしょうがない」


 俺達が話し込んでいると近くの草むらからガサっと音がした。


「えっ…なに?」


「ちょっと待ってろ」


 俺は音の正体を確かめるべく音がした方にゆっくり近づいていく。

 すると、緑色の小さい鬼のような魔物が飛び出てきた。


「きゃぁぁぁ!?!?」


「なんだ、ゴブリンか」


 こいつは異世界では定番の魔物のゴブリンだ。

 醜悪な見た目からして女子からは不人気な魔物ナンバーワンだ。


「そうだ、丁度いいしこの機会に空間魔法について少し教えてやるよ」


「やだ!早くどっかやって!」


「まぁ落ち着けって。とりあえず俺の話を聞いてくれ。いいか?空間魔法ってのは王様が言ってたように発動するのに膨大な魔力が必要となりまともに使える人はいないって言うのは間違いだ。空間魔法も他の魔法と同じように簡単に誰でも使える技がある。それを一つ教えてやる」


 俺はここまで律儀に待ってくれていたゴブリンに接近し腹に手を当てた。

 するとゴブリンは全身から血を吹き出し倒れた。


「…なにしたの?」


「これは空震といって空気を振動させて体の内側に衝撃を与える魔法だ。これは威力の割に魔力も少量ですむ。かといって最初は弱い魔物でも一発では仕留められないだろうけどな」


「あんたは一体何者なの?なんで誰も知らないような事を知ってるの?それをなんで私に教えるの?」


「ほら…これはあれだ、小説で得た知識だ。それに俺達を追放した奴らを見返してやりたいだろ?その為だ」


「嘘よ…いくら小説で読んだからって魔法は使えたとしてもあんなに何年も使ってきたような感じでできるわけないじゃん!しかも魔物とはいえ殺す事に躊躇いがなかったし」


「うっ…」


 やはり女の子に嘘をつくのは難しい。

 ついボロが出てしまうしそれを見逃してくれる相手でもない。

 でもまだ俺の事は秘密にしておきたい。


「ゲームでもよく倒してたしゲーム感覚でやったらなんかできた。ゲームとは言え何回も倒した相手に躊躇いなんかないだろ?そういうことだ」


「……いいわ。今は深く聞かないであげる。それよりさっきの魔法教えて」


「あぁ、わかった」


 俺は夕方になるまで空震について教えた。

 



 ◇




「あ〜あ、結局上手く出来なかったなぁ」


「まぁ空間魔法はレアだし、慣れは必要だろう。でもイメージはできただろ?」


「まぁね、次は絶対成功させてやる」


 意外にも詩音はやる気だった。

 恐らくみんなを見返したい気持ちがあるんだろう。


 街に戻った俺達はギルドに薬草を持っていき換金したのち、宿に戻った。

 

 次の日から俺達は魔法の訓練を始めた。

 俺は魔法を長らく使っていなかったので感覚を戻す意味で、詩音は昨日俺が教えた空震を習得するためにだ。


 俺はものの数分で感覚を取り戻し、詩音も数回に一回は成功するようになった。


「ふぅ…結構疲れるわね…」


「そろそろ魔力も切れる頃だろう。少し休憩しよう」


「そうね」


 俺はふと詩音のステータスが気になりを見てみる事にした。


──────────────────

名前 朝田詩音


種族 人


Lv1


HP 500/500

MP 600/600


力 20

防御 20

精神 50

俊敏 30

運 30


スキル 【空間魔法】【魔力回復Lv2】


加護 【時空神の加護】


称号 【異界の勇者】

──────────────────


──────────────────

【時空神の加護】

*この加護を受けている者は時空間魔法に補正がかかり、空間把握能力が向上する。

──────────────────


「げっ…」


「えっなに?」


「い、いやなんでもない」


 これはまずい事になった。

 ただ魔法を一つ教えただけで加護がついてしまった。

 何故加護がついてしまったのかは分からないが不本意に人に魔法を教えるのはよくないかもしれない。


 取り返しのつかない事をしてしまった自分に呆れて俺はそっと瞳を閉じた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] •今回に関しては、展開が早すぎず、今回伝えているポイントも明確で、とても好感が持てました。 [一言] •先ほどの 「空震」は、空間魔法の中でも最下層に属するものなのでしょうか。体内から…
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