社会
私の心を救ったあなたの正体は
何気ない言葉の数々だった
まだ報われないでいるけれど
きっと忘れられないと思う
夜明けの海で見た青紫色の空
飛び立ちたくなるほどに美しかった
あなたが生きているだけでいいのに
そう思いながらただ見上げていた
あなたから借りた燃えるように赤い空は
何も持っていない私を照らしてくれた
あの眩しい光はあなた
だから私にとってはあなたは全てだった
ワンコインで買える自販機の缶ジュースや
空を食べるように立ち並ぶ高層ビルのように
あなたも探せばどこのにでもいるような人
それでも私はあなたに生きていてほしい
反吐が出るような日常に
あなたの色が塗り潰されそうなら
金切声をあげて泣いてもいいよ
泣いていてもあなたは綺麗だよ
肩を支える人がいなくても
指輪がなくても
誰からも愛されなくても
あなたには生きていて欲しいよ