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蟻VS鬼
「ぐおおお!」
「ふん!」
蟻の魔物にオーガのパンチが炸裂する。
蟻は気絶し、辺りの魔物達は驚愕を露わにする。
「「「す、すげぇ」」」
半ばギャラリーと化していた冒険者、剣闘士の連合軍もオーガの強さを見て呆然としている。
***
「魔王よ、しっかり掴んどれ!」
「よっこらさー!」
ジジイの背中に抱きつく魔王。
ジジイは自身で魔力を補うことができない。なので、自身で魔力を大気から取り込むことができ、魔力を他人に流し込むことができる魔王に魔力補充の役目を与えている。それがこのスタイルだ。
「しっかしのぅ。こりゃあ双方ただでは済まんかもしれんの」
「……そうじゃのう」
依然として、辺りは魔物と連合軍どもの雄叫びが響いている。