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オレの(空想!?)異世界転生日記!!  作者: 西住SDXDXDXDX
第一章 『節分かな!?』〜死と異世界と留年と!!〜
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第五話

「「どっこらせ! よっこいせ!」」


 ‥‥‥まだまだ男は抜けません。


「全然抜けないじゃない! この人まじで地面と一体化してるんじゃない!?。もう足から上を引きちぎってやればーー」


「ヒィイいい! そんなことやめてー! ちょ、や、本当にやめ、ぎゃーーー!」


 少女が本気なのか冗談なのか、恐ろしいことを行動に移そうとしたところで、それを地面と一体化している男が顔を青ざめさせて、大慌てで制止に入る。


「ガッチガチにはまってるな。もう通報した方がいいかもな‥‥‥」


 男を引っこ抜くことを諦めたオレはポケットのスマホを手に取る。すると。


「待って! 私に任せて!」

「え? 何かいい考えがあるのか?」


 自信たっぷり気に言う少女にオレが訊ねると。


「<強化(きょうか)>!」


 声をあげていきなりオレに向かって両手を突き出してくる。しかし。


「‥‥‥ん?」


 オレにも周りにも特に何かが起きた様子はない。


「あれ? 強化! 強化! ‥‥‥あれ? 魔力を感じないんだけど!?」


 ‥‥‥どうやらオレのすぐそばにはもう一人通報が必要な方がいたらしい。


「大丈夫だ。この()()()()が助かったあと近くの精神科まで案内するよ」


「ちょ、ちょっと、違うから! 病気じゃないから! 君の体をちゃんと<強化>したから! 今ならその強靭なパワーでこの()()()()を引っこ抜けるから!」


「そいやー! はい何も変わってません()()()()()()()()のままです」


 強靭なパワーになったらしいオレは即座に男をひっこ抜こうと試みたが結果は変わらなかった。


「ちょ、本当に違うから! 強化したから! ちゃんと君に()()をかけたから! きっと魔力が足らずあんまりパワーアップできなかっただけだから!」


「なるほど。確かに、中二病のお遊び程度にはパワーアップしていたかもな!」


「く〜っ! も〜! どうして〜?! 魔力はどこにいっちゃったの〜」


 とオレと少女が言い合っていると。


「‥‥‥ぐ! ‥‥‥う! ‥‥‥くそ、今は出てくるな‥‥‥」


 地面男(じめんおとこ)が何やら胸を抑えながら唸りをあげている。‥‥‥自分の中の魔物が暴れ出そうとしているとでもいうのだろうか。おいおい勘弁してくれよ。こっちは補習で疲れてるんだ。中二病の相手ばかりしてられないぞ。


「とにかく、もう通報して助けに来てもらお──」


 と、オレが言いかけたその時。


「ぐがあああああああああ!」


 男が突然凄まじく巨大な咆哮を轟かせる。


「「うわーーー!」」


 男の咆哮にオレと少女が7、8メートルほど吹き飛ばされる。するとさっきまでひ弱だった男が。


 ぼごぉ! ばごぉ!


 という音を響かせ足のみの力で地面を破壊して、右足、そして左足を地上に顕現させる。


「ぐぅぉおお‥‥‥」


 全身が地上に顕現した男はそのまま立ち止まって唸りをあげている。


「あ、ぬっ抜けて良かったですね‥‥‥す、すごい力ですね、‥‥‥は、はは」


「なーんだ! 自分で抜けれたんじゃん! あー、なんか疲れた!。早速なんだけど助けようとしてあげてた私へのご褒美はーー」


「‥‥‥いや、おい待て‥‥‥なんかやばそうな雰囲気しないか?」


「‥‥‥?」


 男に聞こえないぐらいの、小声のオレの制止を受けた少女が男を凝視する。


 しゅぃぃいいいんーー


「「え!?」」


 驚愕の声をあげるオレと少女。

 男の額から突然、金属を擦るような音を立てながら見る見る(つの)が生えてきている。そして。


 バチュ! バチ! バチュ! バチバチ!!


 紫光に輝く角が最大まで達した直後、角の周りで一瞬電気が迸る。


「な、なにあれ?! 本当にやばいんじゃないの?!」


「‥‥‥あの男は恐らくオーガだよ」


 一瞬の沈黙を置いたあと少女はその名を口にした。


「お、おーが?」


「マンガとかアニメとかで見たことない?。人間の姿をしていて、凄まじきパワーを持っていて、そして、‥‥‥あんな風な立派な角がある」


「‥‥‥もちろん性格は穏やかなんだよな?」


「ええ! もちろん!。基本的には害を加えなければなにもしてこないはず‥‥‥私の()()()()()ではの話だけど‥‥‥」


「だ‥‥‥だよな。‥‥‥‥‥いやいや、なんで<オーガ>がこの世界にいるんだよ!? 空想上の生き物だろ!? てゆーかそもそもあんたは一体なんなんだ!? 元いた世界!? なんで、なんで空から降ってきたんだ!?」


 オレは目の前の少女を捲し立てる。そして少女が口を開いた。


「そ、それは‥‥‥」


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