運命の出会い!?
わー、でかーい。
俺の持った学園の第一印象はこれだった。
噴水とかなくてよくね?
そりゃあ、家売ったんだもんね、そこそこのとこには入れるとは思ったけどここまでとは……。
などと道もわからないのに、どんどんと突き進む主人公・稔傘麻鈔。
あのあと、現実逃避(=とりあえず寝る)という行動をとった彼は、次の日テーブルの上に置かれたパンフレットを見て夢じゃないと悟り、荷物をまとめ仕方なく家を出てきたのだった。
「はぁ……、あのクソばばぁ!」
ズルッ、ッガン!!
「いってー!!」僅かな段差に足を引っかけみごとに転んでしまった。誰も見てないよな!?
恥ずかしい……。
祟りか!?呪いか!?
あの方は有り得ないほどの地獄耳か!?
彼の母親・稔傘胡桃はだれもが認める美女である。
言わなければ大学生かと思われるほど若い。
そのため、『おばさん』なんて禁句、『お母さん』もOUTなのだ。皆彼女のことを『胡桃さん』とよぶ(ちゃん付けはOK)
そのような母親を持つため、彼はとても中性的な顔立ちをしていた。
女とも男ともとれる。
艶やかな黒髪はこれぞ日本人!
というほどの漆黒だが、スラリと伸びた鼻筋や長すぎる手足は日本人離れしていた。
そのため過去には色々あったが、母親の『将来お姫様を守らなきゃいけないでしょ』発言により、体を鍛えさせられた麻鈔はその腕っ節で難無く乗り越えてきた。
………ここどこ?
しかし、いくら腕っ節が強くてもそれとこれとは関係なくて……。
THE迷子。
職員室に行きたいのに……。
…よしっ、とりあえず進もう!
ポジティブ思考により、前を向き歩き始めた途端……
…ドンッ、ドサッ!!
本日二回目☆
「いったぁ!
あっぶねぇなぁ、前向いてある…」
ぶつかってきた奴が顔を上げながら言い放つ。
…が、途中で言葉が切れている。どうかしたのかと思い、首を傾げると
「きゃーー!とくら様ぁー!!」
と、黄色い声が迫ってくる。
ぶつかった奴が『チッ』っと、舌打ちをし何故か俺の手を引いて近くの草むらに飛び込んだ。
俺が隠れる必要が何処にある!?
この手を離せー!
文句を言おうとしたが、アイツの手が俺の口を塞いでいて、話すことなどできない。それになぜだか身の危険を感じたためじっとしていた。
「んんンッ……んッ…」
息が苦しくなるが、大人しく嵐が去るのを待つ。
バタバタと黄色い叫び声と共に足音が去っていく。
「…ぷはぁっ……ごほごほっ。
…なにすんだてめぇ!!」涙目で顔を上げると、そこにはニタニタと楽しげに口の端を上げた男の顔が。
…嫌な予感がする。
しかも、こういうやつってたいがいあたるんだよね。
そんなことを考えていたため、ゆっくりと男の顔が近付いてくるのに気がつかず……
チュッ
なにか柔らかいものが唇に重なる。
それはすぐに離れたが、何をされたのか瞬時に理解出来なかった俺は、離れていく顔を見て
綺麗な顔してるなぁ、凄い男っぽい……王子様みたい、うらやましいなぁ、俺はいっつもお姫様呼ばわりだもんなぁ…。
などとズレたことを考えていたら、だんだんと脳が覚醒してきて
「なあぁぁぁっっ〜!!」
やっとこさ何が起こったか理解した俺は、目の前で楽しそうに俺の様子を見ていた男の顔を殴りつけたのだった。
すごく文章にまとまりが無い…。長さもバラバラだし。よければ次も読んでくださいませ。