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銘光鳳学園  作者: 楓絽
24/29

新たなイベント




『優勝は……峻岑薫&降崔海睹コンビ』




あぁ、どこのチームにも『コンビ』って言ってたんだな、朔螺先輩。

結局優勝は逃し、いや、よかったんだけどね。だって優勝賞品は2泊3日のハワイ旅行だもん。そんなに長くあの人と一緒にいられないって!!




これでプログラムはすべて終わり後は閉会式を待つだけだ。でも、これが1番問題なんだよ!

そう、生徒会補佐宣言!!これって俺を守るためらしいけど、峻岑先輩とか絶対楽しんでるだけでしょ!!

しかもさっきのコンテストでさらに親衛隊の神経逆なでしたかんじだし!認めさせるの無理っぽくない?




『その前に生徒会からお知らせがあります。』




きたー、俺への死刑宣告!兎廩先輩に引きずられて再びステージ上に行く。助けを求めようにも峻岑先輩は『行ってらっしゃ〜い』なんて手を振ってるし、朱里先輩は両拳握って楽しそうに笑ってるし、絖里は両手をあわせている。…あれは助けられなくてゴメンの意味なのか、それともご愁傷様の意味なのか。後者だったら一発殴る!!




『えー、生徒会からのお知らせです。今日からコチラ稔傘麻鈔は生徒会補佐という新しい役職についてもらおうと思います!反対意見のある人は挙手してください!!』




なんて軽い宣言なんだよ。もうちょっとなんかあるだろ。だいたいこんなところで『!!』なんか普通付かないし。

超反対意見出ると思ってたのに手が挙がる気配はない。まぁ、こんなところで手を挙げるような度胸のあるやつはいないわな。




『では、決定ということでいいですか?』




そこでも批判的な意見は上がらず、なんとなくというかうやむやに俺の生徒会入りは決定してしまった。










「というわけでDVDを発売する。」




「…意味がわかりません。」




皐月祭が終わったその日の夜、『反省会』という名のもと開口一番に発せられた言葉は反省とは程遠いものだった。




「はいはーい!何のDVDですか、朔螺先生?」




手を真上にピーンと伸ばし質問する朱里先輩はここが教室だったら生徒の鏡だ。




「さっきのコンテストのやつだ。この企画内容を発表してから、売ってほしいという意見が多い。売上金は打ち上げにでも使え。ちなみに他の出場者の了解はとってある。ここにいるのが了承したら早速売り出す。」




それって、あの恥ずかしい格好を形に残すってこと!?しかも、兎廩先輩にキ…キスされたやつ!?

それはやっちゃだめでしょ!胡桃さんに見つかったら……叫ばれる。それも歓喜の声で。あの人コスプレとか好きだからなぁ。自分の息子がこんな状況になってても気にしないんだろうなぁ。…いや、気にするか。あの人は誰だ!?と詰め寄られて、最終的に家に連れて来いとか言われそう。

絶対無理!!誰か断って!!




「いいよー。」



「賛成〜!!」



「お好きにどうぞ。」



「………。」




上から、朱里先輩、峻岑先輩、絖里、海睹。海睹は了承してないけど、『………。』を発した時点でいいものと判断されたらしい。俺の願いはことごとく粉々に砕かれるんだな?あと返事をしてないのは俺と兎廩先輩だけ。この状態で嫌だと言っても、きっと俺の意見は受け入れられない。だけど、生徒会長の肩書をもつこの人なら!きっと拒否権があるはずだ!

『断れよ』という念を篭めて睨みつけようとしたが『あの出来事』以来直視できなくて顔を逸らす。それをどう受け取ったのか先輩は目を輝かせウインクをしてきた。




「らっちゃんOK!!僕50コ買うから!!」




このあほんだらー!!なんだその大量購入!?




「会長…そんなにいっぱい買ってどうするんですか?」




俺の気持ちを代弁してくれるように尋ねている絖里。やっぱりお前は俺の友達だ。




「そりゃもちろん、見る用と保存用と配る用!配る用ってのは親とか使用人とか!!」




お前はどこぞのオタクかよ!なんだ保存って、んなもん残すんじゃねー!!むしろ、今すぐ頭の中から記憶を消去しろ!!




「稔傘はどうだ?」




選択肢を与えてるように見えて与えられていない。笑顔の奥の『いいに決まってんだろ』の言葉が聞こえてきてしまう俺が悲しい。




「…わかりました。」




これ以外の言葉を発する権利は俺には無かった。

なんでもステージ真ん前にカメラがセットされていて、始まってからずっとノーカットでとり続けていたらしい。

それで……あの記憶から抹消したい出来事もバッチリアップで撮れているらしい。







俺今死ねると思う。あれからほんとぐにDVDは発売され即座に完売したらしい。しかも、枚数はほぼ全校生徒分。ようするにほぼ全校生徒があのDVDを手にしたということになる。

そのことが関係しているのかはわからないが俺の周りに変化が起きてきた。まず、ちょこちょこねちっこくあった嫌がらせが激減した。ほぼ0と言ってもいい。それに廊下を歩いていても突き刺さるような視線もなくなった。それどころか挨拶をされるようにまでなって、いきなりの急変についていけないでいる。




『皆やっとまとっちゃんの魅力に気づいたんだよ。』なんて峻岑先輩は言うけどそれはないと思う。売上の利益はどんどんと膨らみ、しまいには全員でちょっと遠くまで旅行に行けるくらいの金額になった。だけど、今は次の行事の準備が忙しく旅行に行くような余裕がないらしい。

そこで話し合われた結果打ち上げとちょうど誕生日が近い兎廩先輩のBirthday Partyを行うことになった。…結局この人、あんまり仕事やってないと思うけど。










そこで今何をしているかというと……。




「やっぱりここはサプライズだよね!!」




后乃兄弟の部屋で作戦会議中(?)だ。本人と朔螺先輩を除く全員が集まっている。あれから海睹もすっかり生徒会の一員として周りから認識されている。そうなると俺の生徒会補佐宣言が意味のないもののように思えてくる。俺って無駄死にじゃん。

ちなみに2人は仕事で生徒会室に篭っている。言い方を変えれば、兎廩先輩が朔螺先輩に拉致られている。

いろいろと案は出たがこれというものは決まらず、その日はお開きになった。





.

銘光鳳学園番外編をUPしました。宣伝も何もしていないのに、気付いてくれた人がいて感激しています。ありがとうございます!



今、新連載考え中です。

暗い過去有り系でいくか、腐男子でいくか……。

どっちも捨て難いですね。

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