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銘光鳳学園  作者: 楓絽
21/29

初めてのお泊り




昨日は衣装の悩みなど、……考えてたけど普通に寝てしまった。そうすると目が覚めると勿論次の日の朝だ。




重い気分を引きずりながら体育館へと向かう。取りあえず、コンテストは明日なので今日は素直に楽しもうと思う。




皐月祭は土日の2日間で行われ、初日は部活のパフォーマンスが主だ。文化部だけじゃなくて運動部もやる。

例えば、弓道部は『私物射ぬき大会』をステージ上でやっていて、内容は勿論その名のとおりだ。『私物』というのは新入部員の物でカバンやら財布やら、はたまたこないだの試験の答案用紙というのもある。射ぬかれるたびに悲鳴と歓声がこだまする。

射ているのは3年生で遠くから見てもわかるほど生き生きしている。なんでもこれは弓道部の伝統らしく、これを乗り越えると真の弓道部員として認められるのだとか。




午前でパフォーマンスは終了し、午後からはまた準備時間になる。なので、また生徒会室にでも篭ろうかと向かっていると、俺ら…というより俺を引き止める声が聞こえてきた。




「麻鈔ちゃんいたー!!確保ー!!!」




言うやいなや猛突進し俺を吹っ飛ばしたのは朱里先輩。

べちゃっという効果音付きで倒れた俺は海睹に抱き抱えるように起こされる。なんか、男としてのプライドを崩された気分。

その元凶を見ると楽しそうに笑っていて、『大丈夫〜?』などと体をペタペタ触っている。




「よし、怪我はないみたいだね!じゃあ早速行ってみよ〜!!」




『どこに!?』と聞く隙もなく、仲良くお手々繋いで連行される。隣に絖里もいるけど、どっか諦めた様子で黙ってついて来ている。自分の兄貴ならなをとかしろよ!!と思ったが、何言っても無駄なんだろうなぁ。何となく諦める気持ちがわかってしまった……。

おい、海睹!笑ってるでない!!もしやお前知ってたな!?




「……海睹、これから俺はどこに連れていかれるんだ?」



「何故俺に聞く?」



「知ってなんだろ?朱里先輩が来ること。」



「絖里が知らなかったことを俺が知ってるわけねーだろ。」




『なぁ?』と、わざとらしく絖里に言っている……が、その顔はニヤケきっていてすぐに嘘だとわかる。

ということは、絖里も知っていたのか?俺の見方はいないのか!?いつも俺ばっかり情報が遅れてるじゃないか!!




もういいやと、おとなしく連れられて行くと向かったのは寮。

で、着いたのは絖里と朱里先輩の部屋の前。疑問に思っていると絖里が鍵を開け中に入るよう促された。

中はやっぱり豪華で広いがいつも見ている自分の部屋ほどではない。

……会長の部屋だからか?無駄じゃない?だって自分で自覚するほど役立たずだし。




「で、来たのはいいけど俺はどーすればいいの?」




案内されたソファーに腰掛けてから、向かいにいる海睹に聞いてみる。




「さぁ?ぼーっとしてればいいんじゃね?あ、俺もう行くから。」



キッチンにいた后乃兄弟に声をかけたあと、俺をほおってアッサリと出ていく。

え、ちょっと!心細いんだけど!

海睹が帰ってくる気配はなく、深く息を吐き出しぐったりとソファーに体を預ける。




やっと紅茶を注いで戻ってきた、仲の良い兄弟に事情を聞きだすことにする。




「あれ?言わなかったっけ?」




やっと理由がわかるかと思ったらこの返事……。聞いてないから!微塵も聞いてないから!!




「明日も皐月祭でしょ?しかも、コンテストの日でしょ?だから、麻鈔ちゃんが逃げ出さないように見張ることになったの!」




何?衣装がそんだけヤバイの!?逃げ出したくなるほど?

だけど、今更知っても遅いじゃん!逃げれないし。




「だから今日はこの部屋でお泊り〜♪」



「俺の荷物ないんで無理です。」



「ボクがそんなへまするわけないでしょ?バッチリ準備してまーす!」




じゃじゃーん!!の効果音付きで見せられたのは確かに俺の物達だ。

でも、俺の部屋はカードキーでしか開けられないようになっていたはずだ。




「何で開けられたかって?答えはかーんたん、理事長に開けてもらったんだよ。」




理事長ー!!勝手に人を中に入れるなよ!なんのためのカードキーだっ、プライバシー侵害反対!!

せめてもの救いを求めて絖里に目を向けるが、両手を合わせて合掌された。……こんなときに役だったことないな、お前。




「とりあえず、まだ夜まで早いから皆でトランプしよう!大富豪〜!!」













ってなことで、トランプ大会までは良かったんだ。結果がたとえ朱里先輩の1人勝ちだったとしても。




「いーやーだっ!離せ!!」



「だめー、これは絶対なの!!」




で、お日様はすっかり山へと沈み辺りが真っ暗になったころ、俺が今何をしているかというと……




「何で朱里先輩と一緒に風呂に入らなきゃいけないんですか!?」




そう、どういうわけか朱里先輩にお風呂に一緒に入ろうと迫られているのだ。

絖里はもうすでに入っていて(裏切り者!)今は夕飯の準備をしている。




「絖里ー!助けてー!!」




一様助けを求めてみる、これで助けられた記憶はないが。




「それができてたら麻鈔が今ここにいることはなかったよ。」




ごもっともです。




結局諦めるしかないわけで、一緒に入ったけど、泡風呂って……おもいっきり先輩の趣味じゃん!!

って言いながらも超楽しんだけど。仕方ないじゃん、久しぶりだったんだんだから!

でも、すごいな絖里は。毎日この人と一緒にいるのか……。俺は今日1日だけで十分だ。




なんだかんだではしゃぎ過ぎて上がった頃にはもう料理ができていて、しかも冷めかけ。絖里に程々にするようにと怒られた後、やっと食事にありついた。

人の手料理を食べるのは久しぶりだ。いつもは、惣菜パンとか。なぜか大量に置いてあるんだよね。だからいつもパンにちょこっと何かをつまむだけ。バランス悪いなぁとは思ってるけど、捨てるのはもったいないし。

今日のメニューは和食だ。みそ汁とか学園に着てから初めてお目にかかったぞ。




「麻鈔凄い目が輝いてるんだけど、……どうかした?」




…俺ってそんなに顔にでるタイプ?理由を正直に話したら妙に納得されて毎日来てもいいよと誘われたけど、丁重にお断りさせていただく。正直心惹かれたけど毎日なんて、そんなの俺の身がもたない。




その日はこれまたなぜか朱里先輩のベッドで3人川の字になって寝たのだった。







このバタバタの中で俺はすっかり忘れていた。







明日がコンテストの日だって。






.

バタバタと進んでるー……。

すいません、展開がはやいですね。作者の文才の無さだなぁ。


次回は皆のコスプレが何かわかります!

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