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少しの気遣い

クロード様が手配して下さった馬車に乗り込み、クロード様との待ち合わせ場所に行くと、すでにクロード様は立って待っていた。


クロード様は自然に馬車の扉を開けて下さり私を降ろしてくれた。


「来てくれてありがとう」

「いえ、お待たせしましたか?」

「先程来たばかりで待つほどではない」


クロード様はタキシードに着替えており、騎士の隊服とはまた違ったイケメンぶりだった。


「仕事帰りではなかったですか?」

「食事をすると約束をしていたから、今日はタキシードを持って出勤したのだ」


どうやら、仕事終わりに着替えて来たらしい。


「ラケル」

「はい」

「迎えに行くと言って、迎えに行けずすまない。仕事で遅くなると思って…」

「お仕事ですから、大丈夫ですよ。お疲れ様です。馬車も手配して下さりありがとうございます」


そう言うとクロード様は、少しはにかむように笑った。


「食事なのだが、レストランの個室でいいだろうか?」

「はい。大丈夫ですよ」


クロード様についてレストランに行くと中々の高級レストランだった。


既に予約をしていたのか、難なく案内された。


「予約をして下さっていたのですか? 」

「本当は邸に呼ぼうと思っていたのだが、いきなりではラケルが困ってしまうかと…」


そりゃ、いきなり彼女のフリをした偽物の彼女は呼べませんよね。


「お気遣いありがとうございます」


偽物の彼女だが、クロード様が私を気遣ってくれたことは事実だ。

ほんの少しの気遣いだが、なんだか嬉しくなり、素直にありがとうが言えた。


テーブルに着き、クロード様にこれからのことを聞いた。

いわば作戦の概要が知りたい。


「クロード様、彼女のフリとはどうしたらいいのですか?」

「…彼女がいると言ってしまったから、しばらくは付き合うフリをして欲しい」

「それはどのような?」

「………」


クロード様は無言だった。

まさか何も考えてないのか、と思うほどだった。

上司のご令嬢は、ルシール・ベイツ公爵令嬢という名前でクロード様にとって苦手なタイプらしい。

どんなタイプか聞くと、説明しづらい、と苦々しい顔になった。


「上司に今度晩餐に招待されている」

「ということは?」

「一緒に行って彼女らしく振る舞って欲しい」

「そこで見せ付けるわけですね」

「…君が嫌なら…」

「大丈夫です!しっかり彼女のフリをしますよ!」


クロード様に向かってガッツポーズをすると、クロード様は口角を少し上げ微笑むように優しい顔つきになった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 最後に『微笑むように笑った。』とありますが、"微笑む"時点で笑っているので、「笑うように笑った」とおかしな意味になってしまいます。 『頭痛が痛い』と言ってるようなものです。 普通に「ク…
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