伯爵とご対面
「ラケル、婚約破棄の書面はどこだ?」
「隠してあります。すぐに出しますね」
寝室の本棚に隠している為に本を出し、封筒を一枚取り出した。
中はしっかり婚約破棄のサインのある書面だ。
「でも、浮気の証明はどうしましょうか。以前よりクロード様と会っていたと言いがかりをつけられたら…」
「…多分大丈夫だろう」
「本当ですか?」
「初めて花屋で会った時に遅出で俺が花を買いに行ったと言ったな。婚約破棄はその前だろう」
「そうですが…」
「なら、大丈夫だ」
そう言いながら、クロード様は私の肩を抱き寄せ平屋を出た。
クロード様の告白を受けてから、結構距離が近い。
クロード様は意外と積極的だった。
婚約破棄の書面を持ち、クロード様と平屋を出るとハロルド様とアーヴィン様は待っていた。
そして、邸に行くと居間にハーヴィ伯爵と向かいには両親とメイベルが座っていた。
両親はハーヴィ伯爵に何か言われたのか、冷や汗が出ていた。
「ハーヴィ伯爵様、お待たせしました」
「ラケル、色々聞かせてもらうぞ。…そちらの方は誰だ?」
怪訝な表情のハーヴィ伯爵はクロード様を鋭い目で見た。
「お初にお目にかかります。ラケルの婚約者のクロード・アラステアです」
「…アラステア?…まさかアラステア公爵様の…?」
「アラステア公爵は父です」
ハーヴィ伯爵はハロルド様をギラリと睨んだ。
ちょっと怖い。
「ち、父上!いくら公爵家でも俺の婚約者に手を出した不届き者です!恐れることはありません!」
恐れることって…クロード様はお化けじゃありません!
とりあえず、話が進まないから、ハロルド様は無視してハーヴィ伯爵に話し掛けた。
「ハーヴィ伯爵様、婚約破棄のお話と伺いました」
「話を聞かせてもらってもいいか?ラケル」
「はい。まずこちらは婚約破棄の書面です」




