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ハロルド視点

おかしい!おかしいぞ!

どうして、あの男が公爵家なんだ!?

ラケルは、権力に惑わされて乗り換えたのか!?

しかも、あのオートクチュール!

俺にはゲストルームに案内出来ないと言った。

まだ資格がないと言わんばかりに断ってきたのだ。

お得意様だけのご案内だと言ってきたのだ。

アラステア公爵家はお得意様となるほどあの店を利用しているのか!?


メイベルはずっとあのクロード・アラステアが格好いいと赤くなっているし!

俺とメイベルは真実の愛じゃなかったのか?


しかし、もっと不味いことが起きた。

父上と弟のアーヴィンが領地から急遽帰って来たのだ。

いや、帰って来ることはいいんだ。


「馬っ鹿モーン━━━!?何故、勝手にラケルと婚約破棄をしたのだ!?」


父上は怒り心頭で、帰るなり部屋に突撃し、怒鳴り込んできた。


「だ、大丈夫です!父上!妹のメイベルと婚約しましたから!しっかり書面も交わしました!家同士の結婚に問題はっ!?」

「家なんかどうでもいいわい!ラケルが堅実だから、婚約者に頼んだのだ!」

「ええっ!家同士の繋がりでは!?」

「そんなこと一言も言っとらん!」


どういうことだ!?

わけがわからなくなってきたぞ!?


「兄上…今回、領地に兄上を連れて行かなかったのは、ラケル様との仲を少しでも深める為だ、と父上が気を遣ってくれたんじゃないですか。ただでさえラケル様にあまり好意を持たれてなかったのに…メイベル様と仲を深めてどうするんですか?」


そんなこと言ったか!?

全く覚えてない!

弟のくせに余計な口を挟むな!


そして、書斎机の封筒を、何だこれは?と父上が開けると、プルプル震えだし、また怒鳴り出した。


「何だ!この請求書は!私がいない間に一体いくら使ったんだ!?」

「…これ、女性のものを買ったのですか?この高級老舗のオートクチュールなんかはドレス5着も請求がきてますよ」

「そ、それはっ、メイベルに…っ!?父上への挨拶用にと!?」


メイベルが欲しがったんだ!

ラケルより少ない枚数だと、ダメだと言うから!

ラケルが何着購入したか、店の者は教えてくれなかったんだ!

だから、いつの間にか5着になって…!


「馬っ鹿モーン━━━━━!!!」


「ち、父上、落ち着いて下さい…!」

「落ち着けるか!?お前が頼りないから堅実な娘を選んだんだぞ!?」

「メイベルでも、問題はないはずですっ!?」

「二人して散財しおって!説得力がないではないか!」


どうするんだ!メイベルのせいで父上に怒られてしまった!

そもそもラケルがあっさり婚約破棄をしたからではないか?

浮気してたからあっさり婚約破棄したのか!?


「すぐにジェレマイア伯爵家へ行くぞ!婚約を戻すんだ!メイベルが嫁に来たら我が家は破産してしまう!!」


父上は勢いに任せて、ジェレマイア伯爵家に行こうとしたが、弟のアーヴィンが止めた。


「ちょっとお待ち下さい、父上。兄上が先ほど書面を交わしたと…」

「何の書面だ?」

「…婚約破棄とメイベルとの婚約ですが…」


そして、また父上はプルプルと下を向いて震え出した。


「ふざけるな━━━━━!?」






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