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もう婚約者ではない

「可愛くないと、ラケルに言ったのか?」


クロード様はいかにも不愉快だといわんばかりに、怪訝な顔だった。


まさか私の為に怒ったのか、と思ってしまった。


ハロルド様はクロード様を見るとすぐに目を離し、私を睨み付けながら怒りを露にした。


「もう男を連れ込んだのか!なんて奴だ!浮気しやがってっ!ずっと浮気していたんだな!」


ハロルド様は急に現れたクロード様に驚いたのか、私を浮気者と決めつけ乱暴に腕を引っ張られた。

もう婚約者ではないのだから、私が浮気者扱いをされる謂れはないのに、ハロルド様にとったら間男が来たように怒り出した。


「キャア!?」


ハロルド様はひ弱に見えるけど、やはり男だった。

腕の力は私より強く、引っ張られた腕は痛かった。


「痛い…っ!」


そう思った瞬間、腕の力が緩んだ。


「ラケルに触るな!」


クロード様がハロルド様の腕を掴み、ハロルド様はいつの間にか後ろ手でクロード様に捕まっていた。

私が瞼を閉じたほんの少しの時間で、私とハロルド様の間に割り込んで来ていたのだ。

捕らえる姿は鮮やかで、さすが騎士様だ、と感心する。

公爵家の方なのに見かけだけの騎士様ではなかったのだ。

そして、掴まれたハロルド様はクロード様の腕を離すことも抜け出すことも出来ず、苦悶の顔だった。


「さっさと立ち去れ!」


クロード様は凄味のあるトーンでハロルド様を突き飛ばした。


ハロルド様は覚えてろ!と負け犬の遠吠えのように叫んで、逃げ帰って行った。





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― 新着の感想 ―
[一言] 1話1話が短かすぎるかと思います。
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