勇気を出して
「涼風さん・・・・・どうして君も・・・」
なんと言う偶然だ。まさかこんな所で彼女と再会するなんて、これって偶然って思っていいのか?
「いや、補修後でだるくってさ・・・・一人マックでのんびりとしてたら、ふと、そろそろギターを変えようかなと急に思い出してさ、いつも世話になってくれた楽器屋でどれにしようか一時間近くも考えてたわけ。いやーーーー本当はもっと前に決めるつもりだったけど補修のせいで忘れててさ・・・そういう久東君は・・・・」
「お・・・・・・俺は・・・・・・」
「もしかして・・・・・アタシの事を追いかけてきたとか・・・・・・・なんちゃって・・・」ずい
「!!!!!」
涼風さんは挑発的に俺に近づき、鼻息が当たろうとする。あざとい・・・・涼風さんあざとすぎる。
「あはははははははは・・・・・なんちゃって流石にそれはないかな~~~~~久東君に限ってそうはないよね。もしそうだったら人生終わりだもんね~~~~」
「そんなわけ・・・・・ないでしょ・・・俺はただ知り合いに頼まれてギターの修理をしにきただけだから」
「冗談、冗談、そんなに間を受けないでよ・・・・久東君が受付でギターを預けてるところから見てたからさ・・・ついからかいたくなっちゃった。いやーーーーーあの時は一瞬久東君もギターに興味あるのかと思ったけど・・・それは勘違いだったね」
涼風さんは小悪魔的に俺の事をちょっかいを仕掛けてきた。っというか、やり直し前の世界では、話すとしてもこんな挑発的な絡みは今までなかったのに・・・
この変貌・・・やっぱりこの二周目は一周目とは違う・・・・やはり俺がクラス委員になったから未来が変わったのか・・・
まぁ・・・ボディガードの明日ヶ原がいない今これはチャンスだ。
涼風さんは一足先に見せに出ており、外には満天の星空と右半分が欠けている月が照らしており、俺はその星々を掴むように彼女に食らいつこうと決心する。
「じゃあ、アタシそろそろ行くね。だって、もうそろそろ閉店だから、とりあえずこの後ストレス発散でバンド仲間とこ行くからまたね・・・・」
「あ・・・・・・ちょっと待て。涼風さん」
「なに・・・・どしたの」
「よかったら僕に勉強を教えてください」
「う~~~~~~~~~ん気持ちは嬉しいけど流石に店の中で告白はないかな・・・・・・・・・・ってあれ?勉強。今勉強って言った?」
「うん。言った・・」
なにを勘違いしたか涼風は恥ずかしそうに赤くなっていた。
「ちょ・・・・・勉強なら・・・・もっと早く言ってよ。期待しておいて恥ずかしいじゃん」
それとなんで怒られるんだ。
「まぁ・・・・・・いいけど。同じ補修のアタシに勉強を教えてもらっていいのかな?正直数学は期待できないけど・・・」
「だ・・・・・大丈夫。」じゃんじゃーーーーーーん佐々波お手製の数
ノートこれさえあれば初歩的な高校数学は明確に載ってるから大丈夫だ。
「おーーーーーー助かるねーーーーーーけどそれなら直接佐々波君呼んだ方が良くない?」
しまった。墓穴ほった。この状況は頭がいい佐々波と一緒に勉強した方が効率が上がるのになんでわざわざ私にと疑問視してる。それなら・・・
「だ・・・・・・だって俺達、クラス代表のクラス委員だよ。その二人が赤点とかクラスメイトに示しがつかないでしょ。なら同時に集中しお互いの欠点をなくせば追試もクリアできるし、クラス委員としての連携が取れるからお得だよ」
「そうかな・・・・」
頼む。食らいつけ。ここでダメなら俺は再び死んで三週目する。もう万策尽きた。
「まぁ、しょうがないか。今まで勉強サボったのは自業自得だし・・・」
「やったーーーーーーありがとう。それじゃいつしようか・・・」
その後涼風さんに待ち合わせの時間と場所を決め明日勉強することになった。
個人的には携帯番号やメールまでは聞きたかったけど余計な事を言うと途中で断る可能性があるから止めておこう。
うーーーーーーんなんかリアル恋愛ゲームみたいになってきたぞ。
そして俺達は店に出た後、別れの
「じゃ今度こそお疲れ~~~~~~」
「うん。また明日ーーーーー」
「久東君!!!」
「ん?」
「C915・・・・」ボソッ
涼風さんは突然俺に向けて指先をピーンとむけてその意味不明の言葉を呟いた。
「え?なにそれ?」
「・・・・・・・・・・・さぁ、友達がやってたおまじないだってさ。これやったら追試が受かるんだって。これを君に送るよ」
「おまじない・・・・・」
「だからがんばろ。久東君」
そう言うと涼風さんは帰っていった。
追試が受かるおまじないか・・・・そんなリア充内での交わし方があるんだな。俺も知識不足だな。