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 その後の生活

涼風さんの脅迫事件から数日経ち、今日は中間テスト当日。

なにもかも平和な日常を取り戻したのだが、なぜか心がポッカリと穴が空くくらいに虚ろになっていた。



「・・・・・・・・・・・・」ポケー

「久東・・・・・なにやってるんだぃ。もう終わったぞ」

「あ・・・・ごめん」

隣の明日ヶ原の声でようやく意識を取り戻した。

そうか・・・・もうテストが終わったんだな。

ふと、答案用紙を見ると、名前だけと問題を最初の2問しか解いてないくらい白紙に近いものだった。

しかも今日は中間テスト1日目の最後のテストだったが、前の二教科のテストもまともにやったことが無いくらい記憶が薄れていた。

それくらいテストに集中が無かった。

そのせいか授業後の隣の明日ヶ原は『何度目だぃ』と舌打ちをしながらイヤホンを取り出し音楽を聞いて欠伸をして、左近寺達の方に向かった。

普段のあいつなら真っ先に涼風さんの方に向かうはずだがそれがない。

なぜなら涼風さんは、あの事件後以降学校に来てないからだ。

無論それ以降のメールもない。




あの日の事を振り返る。店長と明日ヶ原のお陰もあって縦宮を警察に突き出すことになりすべてが終わった。縦宮の親は有名レコード会社の息子であってか、関係各所から騒動が広まり大きくではないがあっという間にニュースになっていた。勿論涼風さんは未成年なので被害女性の名は匿名だ。

ニュースによると縦宮の悪行は今回の事がきっかけで次々と悪行が公表された。その悪行は脅迫、暴行だけではなく恐喝、違法薬物販売、強姦といった罪状がある。

ちなみに後で知ったことだが以前縦宮と一緒にいたレイミという縦宮の愛人も婚約者の明日ヶ原の姉もこのことはすべて初耳だったようだ。

勿論明日ヶ原の姉と縦宮の婚約は破棄。レイミ達愛人にも慰謝料を請求を考えたが彼女らも被害者なので請求を辞めたようだ。

この事件で縦宮の父の会社の評判が下がるのは気の毒だけど間違いないだろう。



話は戻り縦宮の被害に合った涼風さんと俺は店長や明日ヶ原の付き添いの元即病院に連れられ治療を受けた。

俺達二人は軽度の傷で入院することではなかった。

その後、俺の両親や学校の担任が来て、さらには店長も参戦しとにかく覚えてないくらい怒られたのは覚えてる。

その後、説教が終わった涼風さんは、騒ぎで駆け付けた涼風さんの父親の仕事関係者に連れられたようで俺と明日ヶ原に別れを告げ、病院を後にした。

それ以降涼風さんとの行方が無く、俺はこの通り無気力な男になっていた。




涼風さんの今後の事も心配もそうだが、本当にこれで一周目と違う運命を辿ったのか心配になる。

病院内では涼風さんの利き腕は特にダメージが見られなかったが、後遺症ということもあり得るので心配になる。

まだ復縁してなくて他人扱いなのにどうしても頭の中は涼風さんでいっぱいだった。






一日目のテスト期間を終え、俺は誰も関わらずに自宅に戻る。勿論バイトはテストが終わった後から復帰をし、みんなに迷惑かけた分働くことになったが、今日のふがいない結果で間違いなく補習は間違いないのでバイト地獄はまだ先だ。

はぁもうすぐ修学旅行なのに俺無事にこの二つの地獄を乗り越えるかな?




気が付くとすでに家の前にいた。すると家の前には見覚えがある高級車が止まっていた。

一瞬その車の中が気になって窓を眺めると内部はマジックミラーになってるか内部は真っ暗で見えなかった。

やば・・・・これ以上見たらこの車の乗り手に因縁つけられるから見るの止めよう。

そう思いながら玄関に入るとこれまた見慣れない上品の靴があった。もしかしてさっきの車の人のかな?





「ただいま・・・」

「祐輔おかえりーーーーーアンタにお客さんだよ」

「お客さん?」

という事はあの高級車の人か・・・・・・まさかな。

意を決してリビングに向かう。すると一人のスーツを着た男性が座っていた。

予想的中。そこにいたのは涼風さんの父親だった。一度しか会ってないが相変わらず冷たい目つきで静かに俺を見つめ、俺がソファーに座ると確認すると名刺を置いた。





「どうも、久東祐輔君だね。私の事を覚えてるかね?私は涼風悟。朱里の父親だ」

「知ってますよ一度お会いしたのですから。それに涼風さんから聞いた話だと出張ばかりなのにこんな俺に会っても構わないんですか?」

「それは大丈夫だ。今回は久方ぶりに休暇を取りしばらく娘と一緒にいることに決めたよ・・・・・それとだ今しがた君のお母さんと少し世間話をしてたんだ。それを君に話そうと思う」

母さんの方に目を向けるとなにか浮かない顔をしている。

まさか涼風さんになにかあったんじゃ・・・




「心配しなくてもいい。朱里になにかあったわけじゃない。それにそんな事は君には関係ない事なんだ」

「関係ない?それはどういうことですか」

「・・・・・・・朱里は今月中に転校させる。勿論バンドというものも身を引かせるつもりだ」

え・・・・・・・・・・・

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