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掴んだ情報

佐々波の突然の呼び出しで俺は、急遽学校に向かうことになった。




そのことで店長は察してか、恵さんに俺を学校まで送るようにと命じたようで、その頼みに恵さんは文句を言わずに応じて、制服のままニケツで学校に向かうことになった。


それと同時に店長は、約束の時間が迫ってるので、残りの店員に店を任し涼風さんを迎えに行くことになった。

今日は日曜日で客足は多くなり、1時ごろもそれなりに店は混雑してたが店長の計らいで知り合いの店からヘルプを何人か呼んでくれたので店はなんの支障もなく回せれるようだ。




ホント恵さんと店長には頭が上がらない。俺の勝手な我儘でここまで付き合ってくれるなんてありがたすぎて涙が出てしまう。

俺みたいな一か月前に働いたばっかりの新人バイトがここまで店が動いてくれるなんて滅多にないぞ。

それはしょうがないことだ。これは自分の罪だ。今の俺の貯金ではなにも返すことはできないけど、店のみんなが覚えていればその詫びとして数年後、店の従業員や駆けつけてくれたスタッフを集めて飲み会を開きその分のお金は自分が奢ろう。

ここまでしなきゃけじめがつけられない。なんせ俺は一度成人した社会人なのだから。



「佑輔君もう学校つくよ」

そう考えてる内にあっという間に学校についてしまった。テスト期間なのか門は空いてもグラウンドや校庭には生徒はほぼいない。

そういや、寮に入ってる運動部はテスト期間中は勉強できる空間を作るために校舎を解放してたな。佐々波は寮生じゃないが、あいつは勉強ができるので、勉強が苦手な後輩や同級生の為にここで教えてるようだ。

そしてこの体育館裏にあいつが待っている。





「ありがとうございます。恵さん」

「お礼なんていいわよ。ここで待ってあげるから早く行った方がいいわよ」

「そうですね。行ってきます」

「ちょっと待って祐輔君」

「なんですか?」

「用事が終わったらすぐここに戻ってきて。いいわね」

「分かってますよ。約束の時間がありますから早めに終わらして戻ってきますよ」

「それならよろしい」

「はい」

勇気づけるかのように恵さんは俺の背中を押し出してくれてた。校門前に待っている恵さんを背に約束通り体育館裏に向かうと約束通り佐々波と見知らぬ女子生徒がいた。





「よう、久東久々だな。こうして話すのもあの件以来だな。あの時の事を水に流してゆっくり話そうか」

「御託はいい。こっちは貴重な時間を割いてわざわざ来たんだ。サッサと話せよ」

「久々の友との会話なのに随分な言い方だな。最近俺と話せないから寂しいんだろ。このボッチが」

相変わらず上から目線だな。声をかけられなくて寂しいのはどっちだよ。俺との絡みがなかった以降教室で静かに俺が借りたラノベを呼びながら寂しくボッチライフを過ごしたのはどこのどいつだよ。言葉がブーメランだぞ。

そんな久々な友人の絡みをやってる中、蚊帳の外の女性はその光景にどうすればいいか分からなく困惑した顔を浮かべていた。




「あのぅ。佐々波先輩・・・・・」

「おお、すまんすまん。置いてきぼりにしてしまったな」

「佐々波、この子は?まさか彼女ができたことを報告したんじゃないだろうな。そしたら完全に絶交ものだぞ」

「何言ってんだ。馬鹿かお前!!!後輩の彼女だ」

「そうですよぅ。先輩に無理やり連れされただけですよぅ。それにあたし彼氏の事大好きだから別れるつもりありませんよぅ」

緩そうな喋り方をした後輩女子は困った顔をして自分の長髪をクルクルと巻いていた。

精神が大人でありさらには急いでたこともあってか、なんか喋り方がイラっとくるな。






「こいつはな、あの事件の前日の夜中に校舎内でその後輩を待ってたら部外者の男を見つけた数少ない承認だ。先程言った事こいつに教えてくれ」

「はい、分かりましたぁ」

この後輩彼女は渋々喋ることになった。彼女はバレーボール部で時間前日、部活は夜中の7時までやっていたらしく、それが終わった後、まだ部活をしている後輩彼氏に会おうとしたようだ。

当然夜7時となると校舎内にはほぼ誰もいないようで人がいるとしたら職員室の先生と運動部の生徒と担任しかいないのだ。

それで彼女はまだ部活中の彼氏と会う為に、グラウンドに向かった時に怪しい男が音もなく校舎内に入ったのを見つけたらしい。



だがその後輩彼女は、天然なのかそのことは大したことが無いと思われ今日までずっと忘れてたようだ。

ここまでの情報を得れたのはすべて佐々波のお陰のようだ。

あいつは涼風さんの事件の以降の後も影で部活仲間から聞き込みをしてたらしく、今日の野球部の勉強会で偶然信頼する後輩がこの女を連れてきたのが幸いだった。

彼女はドがつくほど勉強ができない為、野球のセンスはないが、勉強は野球部内ではそこそこ優秀な佐々波に教わることで今に至ったのだ。





「すまんな。佐々波俺が落ち込んでる間にここまでしてくれるなんて頭が上がらないよ」

「ホントだぜ。後でなんか奢るか、女の子紹介ぐらいしろよ。まぁボッチのお前は後者は無理そうだけどな」

そう自慢気に鼻で笑った。奢るのはいつでもいいけど、紹介する彼女か・・・・・

思いつくのは先ほど出会った足内さんと白根さんだな。あの二人現在恋人いないらしいから紹介してもいいかもな。

佐々波年上好きだから惚れそうだけどそこは本人の力量次第だな。




「まぁ知ってる人なら紹介しとくよ」

「ホントか。やったぜ!!!いや・・・・・感謝しとく・・・・・ぞ」

嬉しいのならそのまま言葉に表せ。男のツンデレなんて見るに耐えられないぞ。

それはそれとして改めてその後輩彼女にさらなる情報が無いか聞くことにする。




「で、その犯人と言うのは見たことがあるのか・・・その特徴は」

「あ・・・・はい顔は見えませんでしたけど風貌は一応覚えてますよぅ。確か・・・・・・・」

その犯人の特徴を聞くのだが・・・・・・それについて思い当たる節が見つかった。

・・・・・・・・・・・くそっふざけやがって!!!!





「久東どうした。そいつに心当たりはあるのか」

「ああ、心当たりもなにも最近会ったばかりだ・・・・・・もしもし久東ですけど!!!」

怒りを最低限抑えながら俺は先ほど連絡交換した足内さんにメールをし、例の写真を送ってもらいそれを後輩女子に見せる。案の定その不審者と一致していた。




「やっぱり・・・・あの人か。ごめん二人共もう行くわ」

「おい、久東」

犯人は分かった。俺に出来ることはまずこれから来る涼風さんにこの事を話さないと行けない。対策はその後でいい。




プルルルルルルルルルルル

そんな時突然電話がかかってきた。相手は店長からでなにやら声を荒げていた。

「もしもし店長どうしたんですか」

「坊や大変よ!!!朱里ちゃんが実家にいないのよ!!!!」

なんだって・・・・それじゃ涼風さんはあいつのところに・・・










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