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意外な来客が来て・・・・

店長に言われた通りあの後家に戻り筆記用具と教科書と参考書を持ちあのアパートに戻ることになった。本当は涼風さんが来る一時間前に来ようか迷ったが、居ても立っても居られず、店長から取引のギターを受け取りあの部屋に向かい一人で黙々と自習をした。




「ふぅ・・・・・さて、しばらく休憩するか・・・」

そして現在、キリがいい時間で午前の勉強を終わらし休息をとることになった。時計を見ると11時40分くらいになった。我ながらちょうどいい時間で休むことになったな。

そう言えば後20分くらいで恵さんがまかない料理をここに持ってくれるんだったな。少し早いけど休み横になった。その時背後のギターケースに注目した。


確かこれは涼風さんが俺と会う条件としてこのギターを渡すことになる貴重な交換道具だったな。中身は見てないがケースはボロボロでつぎはぎだらけのオンボロだから店長が学生時代から大切に使われたものらしい。



「ちょっと見てみたいな・・・」 

テスト勉強やここのところのストレスで少し中身を除きたいと思った。まぁ少しだけなら大丈夫だろ。安易な考えで手を出そうとする。


ジリリリリリリリ

突然部屋にある今は懐かしきダイヤル式黒電話が部屋に響きわたり我にかえる。 

突然のことで慌てながら電話をとると、恵さんの声が響いていた。



「祐輔君、勉強中に電話してごめんね?」

「恵さん!!!!どうしたんでした。もう食事の時間ですか?」

「いや、ご飯の時間はもうすぐなんだけど、そんなことじゃ祐輔君に電話しないよ。祐介君にお客さんがもうすぐここに来るわよ」

「お客様・・・・・」

「ふふふ、朱里ちゃんじゃないからそんなに焦らなくていいわよ」

恵さんはクスリと笑いながら俺の考えを見抜いていた。どうやらなにもかもお見通しだ。



「じゃあ誰が来たんですか?」

「それは来てからお楽しみ。それじゃあ準備が出来次第私も、行くから祐輔君お客様を持てなしてね。じゃあね」

そう言うと恵さんは電話を切ってしまった。

というか・・・・涼風さん以外でこの場所を知ってるって一体誰がいるんだ・・・・

まったく想像ができない。




ピーンポーン

不安がってる矢先、チャイムがなってしまいビクリと反射的に驚いてしまった。



せっかく来たものだからまずは玄関に向かい扉を開ける。そこには見慣れた目つきが鋭い男勝りな女性と子猫のような可愛げがある寡黙な女性がなにか差し入れらしいものを持っていた。







「おう、すぐ開けてくれるなんて気前がいいなお前、アタシ達の事を覚えてるか」

「ユウたん久しぶり元気にしてた?」

確かこの二人は以前音楽スタジオで出会ったWitchWigのグループの・・・・・・・・・・・・

というかユウたんって誰だ?







「誰でしたっけ?」

「ぶっ飛ばすぞ!!!!!テメェ!!!!」

「ドウドウ落ち着いて・・・・」

開幕数秒で怒鳴られた。その後隣の女性によって静止された。

だってしょうがないでしょう。あの時会ったのが初めてで名前さえ知らなかったのだもの。



まぁその件については相方の方が代わりに謝ってくれて改めて自己紹介してくれた。

先ほど俺に怒った短気な女性は足内皇あしうちすめらさんでWitchWigではドラム担当で隣の小さい子猫系の人は、白根ここね(しろねここね)さんでWitchWigではベース担当のようだ。

どうやらこの二人は、マキさんに頼まれて俺が失恋を励まそうと差し入れのケーキを持ってきてくれた。

ちなみにマキさんも行きたかったのだが直前で急遽バイトで来られなくなり、申し訳ないと言ってたようだ。





せっかく来てくれたので俺は二人を奥に案内し、ちゃぶ台の上にある勉強道具を簡単に片付けスペースを開けた。

「どうぞこちらです」

「・・・・・・・・・・・・・チッ!!!!」

「サンキュ。ユウたんべんきょしてたんだ。邪魔した?」

「いいえ、してませんよ。それよりお茶を用意しますね」

「ども」

白根さんは小さくお礼を言ってくれたが足内さんはまだ機嫌が悪く舌打ちをしながらガンを飛ばしふんぞり返っていた。今なにか言っても聞かなそうなので、白根さんがなだめてる間にケーキを冷蔵庫にしまい代わりに店長お手製の冷たいお茶を二人に振舞った。

その直後にちょうどいいタイミングで恵さんが今日の昼ご飯を持ってきてくれたようだ。




「お待たせ祐輔君ご飯持ってきてくれたよ。足内さんも食べるよね」

「・・・・・・・・・・・ああ、頼む」

「いいの?じゃあお願いしようかな」

せっかく用意してくれたので二人は応じ恵さんはちゃぶ台の上に今日のメニューを置いた。小皿に分けておいた。

今日のまかないは恵さん特製のたらこスパゲッティのようで、久々に食べる恵さんのまかないは相川らずとても美味しかった。

それは俺以外にも白根さんは小さい口で静かに音を立てて美味しそうに口を緩ませながら食べていた。





「おいしい・・・・・あんがと。尾頭さんだっけ?こんな料理久々に食べたよ」

「ありがとうございます。腕によりをかけて作りましたよ」

「けっ!!!」

尾頭恵おがしらめぐみこれが、彼女のフルネームだ。いつも下の名前を呼んでいたので、ネームプレートをしてても忘れてしまうくらい苗字を忘れてしまうのだ。

白根さんは十分に満足していたが、相方の足内さんは機嫌がまだ治らずピリピリとした気配を漂わせながら飲んでいた。

まだ根を持ってるのかよ。この人。



「どう、足内さん」

「・・・・・・・相変わらずいい味だな。尾頭ぁ・・・けどそれとこれとは別だ。アタシはお前が気に食わねぇ。こいつ以上にな」

突如として芦内さんは恵さんに声を荒げ吠えていた?え・・・・・この二人って知り合いなのか?

疑問を感じると横から白根さんがポンポンと肩を叩いてくれた。





「なるほど、大分察しがついた。恵と言ったらスメラがたまに愚痴ってたクラスメイトだったよね・・・・」

「え・・・・・・クラスメイト!?そうなんですか恵さん?」

「ええ、クラスメイトよ。それにしても足内さんはまったく変わらなくて嬉しいよ」

「ほっとけバカ!!!!」

足内さんは嚙みつくかのように恵さんを睨んでいて、頼んでもないのに恵さんの愚痴を喋っていた。





なんでも足内さんは昔からあの調子でスカモンが好きなきっかけでバンドを始め、簡単そうなドラムをやってたら予想以上にハマって、この時代珍しかった軽音部を作り、校内活動をする度に知名度が上がり一躍知る人ぞ知る有名人になったのだが、

その数日後に恵さんは転校したらしく、それが理由で足内さんの人気は傾いてしまったようだ。

その理由はなにやら恵さんは運動神経も頭も賢くおしとやかなお嬢様のようなタイプなので男女問わず生徒にも先生にも好かれ転校して数か月後に生徒会長になってしまったようだ。




勿論クラス内の注目は、恵さんに寄ってしまい足内さんの栄光は薄れ、当時好きだった異性も恵さんにぞっこんで、現代も付き合ってることを知人から知ったようでそれが嫉妬してるようだ。



なんという偶然だ。というかこの前、ライブハウスに行って、涼風さんのバンド見に行ったのに知人とは一言も・・・・・・・あ、恵さんあの時お酒に集中して足内さんのこと認識してなかったんだなんという不憫だ。

その後も足内さんはイライラからすっかり泣き上戸になり、涙を流しながら愚痴は続いた。





「足内さんもう分かったから、もう泣かないでよ。充分分かったから」

「うるせぇいや!!!てめぇにアタシの気持ちが分かっかよ!!!お前は、頭もキレるし運動神経も良くてアタシらよりいい大学に通ってるし、おまけにスタイルも胸もいいじゃねぇか!!!低スペックのアタシがここまで努力してるのに調子に乗りやがって!!!ほんとムカつくわ!!!!お陰で今まで一人も彼氏いなかったよ」

「なんで、勝手に喋って自爆してんの?それに今まで彼氏がいないのはスメラの性格に問題あったんじゃない・・・・・・・・後なんで胸を強調するのかな?それスメラより小さいわたしの当てつけかな?」

「うぐ・・・・・・・」

あの・・・・・・それで低スペックは止めてくれない?それより下の俺が刺さるから・・・

俺なんて自分で部活を立ち上げたり、積極性も音楽もろくに引けないヘタレなんだから




「くそっ!!!それは分かってるんだよ。けど、このまま彼氏がいない性格は嫌なんだよ。誰かこんなアタシを構ってくれる年下男子いねぇのかよ」

結局そこかよ。もうすぐテスト勉強を再開するんだから他所でやってくれないかな?

そう思ってると足内さんは舌をなめずりし俺にロックオンする。






「あ・・・・・・・・・そう言えばお前も男だったなぁ。それに聞くところによるとまだ朱里とヤッてない新品だったよなぁ」

「あの・・・・何を企んでるんです?」

「ねぇ足内さんこんな昼間で変な事はダメでしょ。それにそんなことしたら朱里ちゃんと祐輔君が仲良くならないよ」

足内さんは号泣したと思ったらいきなり性欲爆発し、獣の本能が如くズボンを脱いで獲物の俺に向けて臨戦態勢に入っている。俺の声は勿論だが恵さんの話も聞く耳は持たなかった。




「朱里には申し訳ないがこいつはアタ・・・・・」

ズドン

その時足内さんはなにかの一撃を食らい床に叩きつけられていた。

そして目の前にはそれをやったと思われる白根さんがやり切った顔し、仁王立ちし手首を鳴らしていた。





「スメラ・・・・・・・いい加減にして。ユウたんはこれから一歩踏み出してアカたんと向き合うから邪魔しないでただ自重して。それ以上したらもう一度くらわすよ・・・・」

「ひゃい・・・」

今まで間の抜けた口調と一変、真面目な口調を放ち忠告する。足内さんは反省し、伏っしながら反省していた。

それからすっかり元の空気に戻った。

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