なんとしても君を護る
「祐輔さんお久しぶりです」
「いえいえこっちこそもうすぐバイトってのにすみません」
縦宮と別れた俺は、真っ先にマキさんと連絡を入れ、彼女のバイト先である居酒屋近くのバーガー店に出会うことになった。マキさんはこれからバイトのようらしくすっぴんで来てくれた。一瞬誰だか分からなく戸惑ったが、店に入り奢ってくれたバーガーを食べながら今日起こったことをすべて話した。
マキさんはそれを聞くと若干苦い顔をし、渋々と告白をした。どうやら縦宮の話は全て本当だった。
「すみません祐輔さん。このことはもっと早く言うべきでしたね」
「いえ、頭を上げてください。なにもマキさんをせめてませんから」
マキさんはバイト前だってのに目をウルルとして泣きそうだった。こっちはなにも攻めてないのに悪者になった気分だ。
俺はなんとか慌てながらもマキさんを励まそうとするとなんとか気分は戻ったようだ。
そこから得た情報によると、マキさんのアンチの人達の嫌がらせはあの自転車事故以降警察に相談し、その犯人の関係者に厳重に注意をするとそれ以来嫌がらせはピタリと病んだようだ。
ただ、涼風さんに嫌がらせは無かったかと言うと縦宮が言ってたように適当に流していたようで真意は分からなかった。
「あの大丈夫ですか?」
「え・・・・・・・はい大丈夫ですよ」
「あの・・・・もしなんだったらアカリに電話しましょうか?無理に問い詰めたら答えると思いますよ」
落ち込んでるマキさんは俺にやさしく触れ接してくれ協力しようとしていた。
駄目だ余計な手伝いをしてしまったら・・・・
あの人もあの人で涼風さんを傷つけたことにショックを受けているはずだ。
そんなことしてはいけない。彼氏である俺がなんとかしなきゃいけないんだ。
「いえ、心配しないでください。その件については俺が解決するので、マキさんはリーダーらしくグループを引っ張て下さいよ。マキさんはWitchWigに入ったことを後悔してないんですよね?ならいつも通りいて下さいよ」
「祐輔さん・・・」
マキさんに心配されまいと無理に笑顔を作り、お返しに肩を軽く叩いた。そして俺は奢ってくれたバーガーを感謝し、作り笑いを崩さないように退出した。
その去り際にマキさんはなにか言いかけたようだが、人混みのせいか聞こえなかった。
そして俺は、なにも考えずにフラフラとし、家に帰った。その玄関で母さんに早退したことでいろいろ言われたが、聞き流し夕食にありつきそのままベッドの上で考える。
「はぁ・・・・・一体どうすればいいんだ・・・・・・・」
今回の時といい一周目の涼風さんの傷害事件といい明らかに関係があることに間違いない。ただ一つ違うってことは、一周目の世界は今日のような大胆な脅迫は無かったってことだ。それはつまり俺と涼風さんが付き合ったことでルートが変わったことか、そもそもこの世界と一周目の世界はつながりのない世界の二択でしかない。
けど個人的には後者の方が近いと思う。
第一に今朝のいたずらは一周目ではなかったのは勿論だが、先月は、前の世界ではあまり関りがなかった明日ヶ原と体育祭のペアとなったりする事例があるしなにが起こるか分からない。
いずれにしても一つ言えることは、この先涼風さんがひどい目に合うのは間違いないことに変わりがないんだ。
ふと、目を閉じ昼頃見た悪夢を振り返る。あの日は中間テストの一日目が終わり昼前の出来事で、そして涼風さんのお母さんの命日だったよな
確かにあの時のことは一周目でも記憶はある。急いでる涼風さんにぶつかったことは覚えてる。あの時はいきなり涼風さんが出てきて緊張のしすぎで逃げたのだ。
あの時逃げたことはすごく後悔したけど二周目の世界で同じ出来事に遭遇したことをリベンジできたことが救いかな?
そして学校を後にした涼風さんはお供え物を買い揃えて、お母さんの墓参りをたった一人で墓参りをし、その帰り道誰かに石段を落とされ利き腕が不自由になりバンド生命が断たれた。
思い出しただけで腹立たしい。涼風さん視点で見た記憶の中だと、犯人の顔・・・・・どころか全体図は日陰のせいかはたまた記憶の渦で混濁してるか犯人の周りは黒が強く覆われて容姿や性別は勿論体格も分からないのだ。
くっ、犯人され分かればこんなに悩まずに済んだのに・・・・・・・
けど、手掛かりは分かった。この世界の心理はどうあれこの先犯人側から接触する可能性は大いにあり得るってことだ。
期間は恐らく期末試験の初日まで、それまでになにも起こらなかったら次の手を考えるが、今はこの期間まで俺の彼女を護るんだ。
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そしてその翌日の金曜日、HRが始まる前に、空き教室にてとある人物を待ち伏せする。
噂をすれば扉越しからうるさいほどの音をイヤホン越しで流しながらそいつはゆらゆらと扉を開け、俺を見ると案の定嫌な顔をした。
「ちっ、なんだぃ。クドウ朝から呼び出して・・・・ようやく朱里を渡しに来たのかぃ?」
「来てそうそうなんで嫌な顔してんだよ。俺も朝一でお前とはサシで話したくないよ」
「そうだねぇ。そこだけは考えはおなじだぁ。で、要件はなんだぃ?」
察しがよくて助かった。
涼風さんの危機を救うために俺は、テスト期間中の間、勉強合宿を涼風さんに提案し彼女を護衛することを頼んだ。
本当は彼氏である俺が四六時中くっついて護りたいところだが、流石に学生の身でありながら夫婦みたいにくっつくとなると、周囲の目は返って目立つことになり、涼風さんとこのお手伝いさんを通して、彼女の父親に耳をすると返って涼風さんが迷惑かかるし、なにより、得体が知れない相手に対抗する武術を学んだことがない俺が立ち向かうのは自殺行為だ。
なら、同性でなおかつ最強の強さを誇る明日ヶ原が一緒なら大丈夫だろう。
こっちは非常に不服だが、これが最善の策だ。
さて、その反応はどうだ。ギラリと睨みながら静かに答える。
「分かった。その条件を乗ろうかぃ」
思った通り即決だ。しかも今の喜びを必死に堪えて口元がだいぶゆるゆるでヨダレが微量に垂れてるだけど!!!どんだけ嬉しいんだよ。
「あの明日ヶ原さん。嬉しいのは分りますけど、なるべく変態的な行動は避けた方がいいかと・・・・・出ないと涼風さんから追い出されるよ」
「分かってる。ちゃんと左近寺達も呼べばいいんだろぅ。それらはわたしがちゃんと言っとく」ニヤニヤ
言葉的にはとても頼りになるんだけど、なんか生物的に、こいつを野放しにしてはいけないと警告してるのはなぜだろうか。
やっぱ人選間違えたか。
「ところで、お前は朱里の為になにをするんだぃ?」
「え?俺?勿論俺も涼風さんを護る為に、いろいろ考えてるよ」
「そうかぃ。ま、その努力は無駄に終わるがねぇ。正直わたしだけで十分だ」
そう言いながら自信満々に手の骨をゴキゴキと音を鳴らして去っていた。
確かにこいつだけで事が終わりそうだが、この先なにが起こるか分からない。
その為、俺は恐らく涼風さんが襲われそうな日である、来週木曜日の中間テスト1日目終了後に彼女が向かうであろうあの墓地に目をつけた。
あの場所なら明日ヶ原と一緒についてくこと出来なく、恐らく一人か彼氏である俺を誘うはずだ。
そして、俺はその間までにいろいろ準備をする。
その作戦は絶対に成功させる。例え、自分の命が犠牲になってでも!!!
「いけね、もうすぐHRだ」
ふと時計を見ると予鈴なる時間になっていたので、急いで教室に戻る。
すると、涼風さんはすでに来ていたようなので爽やかに声をかける。
「おはよう。涼風さん」
「・・・・・おはよう」
あれ?なんか機嫌が悪く、いつもより元気な返事がないぞ。どうしたんだ。
「涼風さ・・・・」
「話は放課後に聞くからお願い」
そう耳元に囁いた後、黙々と座っていた。
そしてHRと一時間目の授業が終わって声をかけてもメールを送っても、無視する一方だった。
少し嫌な予感はしたが、涼風さんの言う通り放課後まで待つことにした。
実はマキさんの初期設定は企業で働いてる新入社員の設定でしたが、長らく筆を置いてマキさんのキャラを忘れたせいかマキさんをフリーターという設定に改変してしまいました。
大変申し訳ございません




