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目が覚めると保健室だった件

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」はぁっはぁっ

ビクッ!!!

俺は飛び上がるように起きた。

な・・・・・・・なんだあの夢は・・・・・・・

額にかかる汗をぬぐいながら頭を押さえる。

先ほど俺が見た夢は、流れからすると間違いない。一周目の世界でしかも涼風さん支店のビジョンだった。といってもそのビジョンは、昔のVHSの何度も使ったやつのように映像が古く映像も時折とんでいて、ノイズも走ったりするので聞き取りにくかったが間違いなく涼風さん視点のあの事件を見たに違いなかった。



そうだ。俺があの事件を知ったのは翌日の事だった。いつも通り教室にいるとHRまでに彼女の姿はなく、ことの事件は担任の山口先生に聞かされた。

内容は、昨日涼風さんはあの墓地で母親の墓参りをしその帰り道にあの段差がある石段から落ち病院に搬送されたことだ。

幸いにも軽傷ですみ、すぐに退院できたのだがあの事件以降彼女の左手は後遺症で手の震えが止まらなくなり二度と大好きなギターが弾けなくなって、バンドも解散になったのだ。



それ以降の彼女の印象はかわりふさぎ込んでいたが、周囲の友達の差さえでなんとか明るさを取り戻したんだ。勿論あの世界の俺はなにもしてない。なぜならその俺は傍観者の一人に過ぎなかったのだから・・・・・・・









おい・・・・・・・・・おい・・・・・・・・

「しっかりしろぃ!!!!」

「いたぁ!!!!」

突然俺はデコピンのようなものを食らってしまい、また意識が失いそうになったが、痛みで逆に頭が冴えてきた。

正気を取り戻した俺は改めて周囲を見るとここは、うちの学校の保健室だった。



さらにその隣には、耳障りの音が響いた。その音量の正体は、それをイヤホンでバカでかい音量にも関わらず平然としている明日ヶ原が仁王立ちで立っていた。

この顔は明らかに俺に敵意をむき出してるようだ。

しかも、部屋を見渡すと保健室の先生は不在でこの部屋はこいつと二人きりの危険な状況でとても嫌な予感がする。



「あの・・・・・・・・明日ヶ原さん・・・・なぜここにいおるのですか・・・保健室の先生は」

「先生は、今は不在だ。それよりも・・・・なぜお前は、いきなり気持ち悪い口調をしてるんだぃ。どうやら予想以上に頭がイッちゃってるようだねぇ」ニヤ

その口調は明らかにブーメランだが、あいつは、不敵に怪しく笑いながら以前俺んちから借りパクしたおもちゃの日本刀を抜刀し尋問しようとしている。

これ、選択肢間違えたら即座にその刀身が俺の眉間にきそうでマジで怖い。




「なにを・・・・・」

「とぼけないで欲しいねぇ。今朝の朱里の机がメチャクチャにされたのは知ってるのだろう。認めてないとはいえ朱里が困ってるの時、当の彼氏が気絶してるなんて恥ずかしくて外も出れないねぇ」

「ああ・・・・・・」

そうだ・・・・・・確か今日の朝、あの机の無残な光景を見た時、突然気絶してしまったんだった。

こいつの言う通り俺はなんて情けないんだ。

時間を見るとすでに四時間目が終わろうとしている時間帯になっていた。

俺そんなに寝てたのか・・・・・






「・・・・・・・ちっ、なんだぃ。その覇気のない顔は、まったく気待ち悪いな。こんなヘタレ顔じゃ制裁する気が起きないねぇ・・・」

そもそも俺なにもやってないのになんで制裁受けなければいけないんだ?


「それよりも明日ヶ原、涼風さんはどうなったんだよ。彼氏的にはそっちが気になるぞ」

「朱里かぃ?朱里は担任の山口と生活指導の先生に連れて行かれて個別で話してるよ。その事件で一時間目は自習になってたねぇ。他の連中は中間の勉強をしてたけどわたしらは朱里の机を懸命に奇麗にしたんだぃ。まるで朱里に身体をなでるかのようにねぇ」

なんか怪しい顔つきで自然と涎が垂れてるんだけど、その表現すっごく生々しいんだけど!!!



明日ヶ原の言葉にドン引きながらも最後まで聞くとにする。

涼風さんは生活指導の先生と一時間目の時間を丸々使い話をした後解放し、その後涼風さんと仲がいい生徒にも話を聞くことになり、当然意識を失った彼氏の俺にもそれがくるだろう。

そして学校側も警察に連絡を入れて、色々調べており、今も学校にはまだ何人か警察がいるようだ。

その結果事件が起こった昨日の夕方以降はテスト期間の為に部活中止で学内にいる生徒は極めて少ないために、学校内の犯行は薄く学外の犯行だと思われ警察はさらに調査を進めてるようだ。




それにしても一生徒が知るはずない情報をここまで仕入れているなんて、顔が広いというかなんというか、お前は探偵の素質があるよ。

一周目のあいつ職業・・・・・・・というよりクラスメイトのその後は分からなかったからな。

もしあの時俺が事故で死なずにそのまま同窓会に出席したらその真実が分かってただろうな。





で、話を戻すと情報をある程度入手した明日ヶ原は、とりあえず容疑者候補のゴリ本に理不尽な暴力を加えた後、次の容疑者候補である俺を、先生の聞き取り前に吐かせる為にここでずっと待機してたようだ。

「以上で説明は終わりだぁ。ほかに聞きたいことはあるか?」

「いや・・・・質問というより・・・・なんでこの俺にここまで教えるのか違和感を覚えるのだが、なんか食ったのか・・・ってイタイ」

話の途中なぜか俺は一発ビンタされた。そして明日ヶ原は表情変えずに少し俯く。




「なにをふざけたこと言ってるんだぃ。わたしがここまで話したのは特別な感情があるわけじゃぁない。今朝ニャン公を触らしてくれた礼だ。後、制裁の件だがさっきの一発だけで済ましてやる感謝しろぅ」

なにこのデレ度1%のツンデレは・・・・・嫌いなら嫌いで俺をけなしてくれ。



それと、マグロ丸の件だが、お前が勝手に触ってたからね。




「それにしてもお前汗臭いねぇ・・」

「臭いって・・・唐突に失礼すぎだろ」

「臭いものは臭い。ちゃんと昨日身体を洗ったのかねぇ」

馬鹿にするな。俺はちゃんと昨日風呂に入って・・・・・・なんだ?改めて布団に触れたのだが、なんだこの汗は・・・・・すっごいぐしゃぐしゃだ。もしかして寝てる間にすっごい汗をかいたのかよ・・・・・俺。

なんか自然と冷や汗が出てきた。



「やっぱり気分が悪いのかぃ。なら早退した方がいい」

「お前に言われなくてもそうするよ」

「邪魔者がいなくなったな・・・・これで朱里とフフフフフ」

おい、心の声が聞こえてるぞ・・・頼むから涼風さんに変なことするなよ。

そんな行動するなら俺無理して放課後までいるぞこの野郎



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