朝早く起きたので・・・・・
「・・・・・・・・・・・目が冴えてしまった」
中間テストまで残り一週間まで迫るこの平日の木曜日、普段なら7時から8時までに起きるのだが、今日はそれよりわずかに早い5時に起きてしまった。
おかしいな・・・・・昨日は、最後のバイトを終えた後、夜の0時までテスト勉強していて、普段なら疲労困憊の中眠りについたのに、今日はなぜか眠気どころか疲れを感じない。きわめて好調な気分だ。
加えて外の景色を見ると今でも土砂降りになりそうな曇り空だ。
普段とはなにかが違うこの日、なにか起なければいいけどな。
まぁ、それはそうとこれからどうするか・・・・・
ランニングをすると言ってもこの曇り空だし、かといって朝からテスト勉強をする気もしない。
しょうがない・・・・・・・この世界では、作るの初めてだけど、あれを作るか・・・・
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その約一時間後、寝てる母さんに頼んで弁当を作ってもらった後、一足早く外に出て、愛しの彼女の家に出向くことにした。
ピンポーン・・・・・・・
「ん~~~~~~~~~誰~~~~~~」
そのチャイムからやく一分後ゆったりとしながら彼女は玄関のドアを右手で開ける。
すると涼風さんは髪の毛ボサボサと寝癖をつけ、パジャマ姿で出向いていた。その様子はさっきまで熟睡していて完全にウトウトとしていた。
「やぁ、涼風さん、おはよう。君の彼氏がただいま来ましたよ」キラリーン
いつも以上に目がさえてるので、今日一番に、爽やかなフェイスで歯を光らせる。
うん・・・・我ながらいいイケメン具合だ。
「なんのよう・・・・・ちょーーーーーーー眠たいんだけど・・・・・・おやすみ~~~~~~~~」
ガチャ・・・
あれ~~~~~~最近で一番かっこいい登場なのに出会って一番にいきなり閉められたんだけど・・・・
おかしいな。確かに今の時間は7時の入りで大抵の学生ならベッドの上で寝ているのだが、家につくまで涼風さんのLINEにも既読をして返信を貰ったはずなのに・・・・
やっぱ急に家に押し掛けるのはまずかったかなぁ。
ガチャ
「アハハハハハハハハハ、相変わらずいいリアクションだね。お陰で完全に目が覚めたし、いいもの見せて貰ったから特別に入れて上げるよ」
「あ・・・・・ありがとう」
相変わらずの小悪魔な性格に振り回されるも俺は、彼女の家に入った。
中に入ると涼風さん以外の家族がいる雰囲気はなく、早朝であってかそのお手伝いさんもいる気配がなかった。
ザックリと言えばいまこの家には、俺と涼風さんしかいないのだ。
俺はそのリビングの豪勢なシャンデリアの元の大テーブルに座り、着替え中の涼風さんを待っているのだが、これまで以上に緊張してしまって朝から心臓バクバクだ。
「おまたせ~~~~~~」
「あ・・・・ああ」
緊張しすぎて気が付けば、なにもせずに30分以上経ち、すでに涼風さんは制服を着て化粧も抜群だった。
「アハハハハハハハハハ、久東君アタシが準備してる間、ずっとここで座ってたんだ。紳士だね~~~~~どうせなら、アタシの着替えの手伝いをすればいいのに・・・・・なんちゃって・・・」
「もう、涼風さん・・・朝から下品だよ」
「そういう久東君だって、朝からお手伝いさんが来ない時間を見計らって一人しかいない乙女の家に来るなんてどう考えても下心しか考えてないでしょ」
「う・・・・・・」
そう、いいながら大胆にも俺の膝をくすぐりながら触れていた。
やばい!!!こそばゆい!!!
「スケベだね・・・・・久東君。ちな、今日お手伝いさんの杉山さん休みだから、サボってイチャってもいいんだよ♡」
「うwwwwwwそうじゃなくて俺がここに来たのは、これお持ってきたんだ」
からかう彼女の誘惑に耐え、俺はカバンから用意したタッパーを取り出し、中を開けると出来立てサンドイッチをふるまった。
それを見ると彼女はその行為を中断し、口元を緩ませて注目する。
「なにこれ、ちょーーーーーーーうまそうなんだけど」
「涼風さん。朝起きたばっかだからまだ食べてないでしょ。どうぞ召し上がれ」
そう、俺はここに着く前に、無理に起こした母さんと同じキッチンに経ち、これを作ったのだ。
一周目の俺の高校時代は、自分で料理を作ったことはないが、就職しアパートを借り自炊したんだが、最初はとてもなれなく調理中何度も包丁で手を斬り絆創膏だらけになり、料理も食えないものになって苦戦したが、度重なる経験の果てになんとか人並みに上達することができた。
そしてこの俺流のサンドイッチこそが初めて俺が完成させたメニュー第一号だ。
これのお陰で無駄な外食をすることなく食事代を浮かすことができたんだ。
まぁもっともあの時は、誰にも披露することなく、ボッチ飯を満喫してたが、今日初めて人前に出すことになったんだ。
しかもその相手は、俺の初恋であり、恋人と来た。最高かよ。
「ねぇ、久東君どれを選んでもいいかな?」
「勿論涼風さんの為に作ったから好きなの選んでよ」
「やった。これで朝ごはん作る手間が省けるよ」
「え?自分で作るの?お手伝いさんは?」
「失礼だな~~~~杉山さんいなくても自分ではそれなりに作れるよ。あの人昨日のうちに朝食作って今冷蔵庫に入れてたけど、正直こっちの方が好きだから久東君交換しよっか?といってもご飯食べたよね?」
「いや、涼風さんと一緒にご飯食べたかったから飛び出してきたからまだだよ」
「じゃあもったいないからアタシのごはんとシェアしよっか。余ったら昼ご飯にすればいいし」
「いいね。それ」
「でしょ。その前にアタシのご飯用意するから一緒に手伝ってくれるかな」
「うん」
そういうことで俺は彼女の手伝いをすることになった。
正直普段より少量だが、母さんが作って弁当はあるのだが、この朝食と昼食、一緒に食べれるなんてなんて幸先がいい日なんだ。
ニヤニヤと嬉しい気持ちを必死に耐え、楽しく朝食ライフを楽しむこととなった。
朝早く起きるのも悪くないな・・・・・




