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新しい朝、迎えに来てくれたのは・・・・・

月曜日の朝、俺はいつも以上に気分よく目を覚める。

いつもなら憂鬱な気分になり二度寝をする勢いでベッドに戻ろうとするが、そんな気分はなれなかった。

カーテンを開くと、俺の気分のように天気は快晴で、その眩しい日差しを浴び、瞬きをする。


そう、今日が俺と涼風さんが恋人同士になって初の学校生活が始まる。

まぁ、恋人同士になってもリア充カップルのように周りにイチャイチャを見せびらかすような破廉恥行為はしない。メールのやり取りでは、彼女はそうした気が満々なのだが、説得の末になんとかそれに賛同してくれた。

俺だって、みんなの前でイチャイチャしたいのだが、うちの学校ではそれをよしとはしない連中はいる。

なんせ涼風さんはそれほどの人気物だからな。恋愛は何事でも焦らず慎重にだ。

二周目の人生を体感したからできる行動だ。

今まで彼女なんてできてないけど・・・・・

これからは違う。この先ウハウハのバラ色人生間違えなしだ。






「祐輔~~~~~アンタちょっと来なさい。来たよ来たよ!!!あの子が」

一階から母さんが嬉しそうな声をして俺を呼んでる。

ま・・・・・・まさか涼風さんが来てるのか・・・・・

いや、俺もさっき、彼女におはようのメールを送ったのだが、寝てると思って返信が来ないからてっきり寝てると思ったら、まさかサプライズの為に俺の家に来て一緒に登校するつもりか?

う~~~~~~んなんて輝かしい朝なんだ。



とりあえず紳士的に服を着こなし顔を洗いバシッと決めるか・・・・・

そう思いながらリビングに向かう。





「おまたせ!!!!す・・・」

「ニャーーーーーーーーーー!!!!!」

「・・・・・・・・」スリスリ

「す・・・・・りすりってなにやってんだよ・・・・・明日ヶ原!!!」

「んあ・・・・なんだぁ、お前かぃ。ほっといてくれい」

「ニャーーーーーーーーーー!!」

扉を開けると、いつものように母さんが朝飯の準備をし父さんが居間で、コーヒー片手にニュース番組を見てる中、異様な光景が一つあった。


それは明日ヶ原がなぜかおり、しかもマグロ丸に向けて愛くるしい表情で思いっきりマグロ丸を抱きしめるという異様な光景を目の当たりにし、マグロ丸は毎回のように悲鳴を出していたが構わずに続行していた。

確かにごく最近明日ヶ原がマグロ丸目的で俺の家に来るのはあるけど・・・・

期待をさせる口ぶりをするなよ。母さんアンタに言ってんだぞ!!!

急に脱力感が出てきたぞ。



「んあ?なんだぃクドウ。朝から辛気臭いねぇ。相変わらず覇気が無い男だぁ」

「うるさいよ。そっちだってマグロ丸が嫌がってんの気づけよ」

「あ~~~なにを言ってるんだぃ。この男は・・・・・どこが嫌がってるんだぃ?なぁニャンこう!!!」

「ニャー・・・・」

いやいやその顔どこが喜んでんだ。まるで死んだ魚のような目をしてプルプルと震わしながらお前の顔を嫌がってるぞ。

後、うちの猫に勝手な名前を付けるな。




「まぁ、まぁいいじゃない。マグロ丸にはしょうがないけど祐輔にお友達ができたからいいじゃない。ねぇお父さん」

傍からその様子を俺の両親はニヤニヤと笑いながら眺めていた。




「そうだぞ。それに祐輔のやつやっとか・・・」

「あーーーーーーーーーー!!!!!聞こえない聞こえない!!!明日ヶ原こっちにこい!!」

「!?!?」

「ニャーーーー?」

ちょっと待ってぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃここでその話はやめてくれーーーーーー

ふと身体が動き俺は、大声で誤魔化し明日ヶ原の背中を押しながら玄関に追いやることにした。

明日ヶ原は突然のことで驚き抵抗の素振りを見せるがマグロ丸を抱えてた為それができなかったようだ。





「なにをするんだぃ・・・・・・・ニャンこうが怯えてるじゃないか」

「うるさいよ!!!っというか猫目的で俺の家に出向くの止めてくれよ。十分に堪能しただろ。後うちの猫を返せ」

「ニャーーーーー」

そう言いつつマグロ丸を回収した。そうとう怖かったかマグロ丸は俺の方に向かって強く抱き着いて来た。






「まったく、朝からものうるさい男だねぇ。そんなんだから陰気臭さが目に付くんだぃ」

「はいはい、陰気で結構、所詮俺はその程度の男なんだよ」

「ねぇ、ちょっと一つ聞いてもいいかい。一昨日の土曜日・・・・アンタ本当に佐々波とプールに行ったのかぃ?」

「え?」

先程の空気が一変し殺伐とした空気に変わり、突然疑いの眼差しで俺を凝視する。まさか・・・・・感づかれたのか?




「本当に言ったのなら、なぜ家の大掃除の事をわたしに言わないんだぃ。ニャンこうの為なら、喜んで手伝うのに・・・」

「ニャ・・・・」

そう言うと明日ヶ原はどこで手に入れたか、廃棄するはずだった昔俺が遊んでいたおもちゃの日本刀をふらり回し、魔性な笑みでマグロ丸に目を向ける。

当然マグロ丸はビクッと飛び上がり居間の方に逃げていった。

なんか朝っぱらから腹が立ってきたぞ。




「いい加減にしろ!!!!今まで黙っていたけどこれが限界だ。お前は今日を持ってうちの家の出入り禁止する!!!!出ていけ」

「ちょっとなにをするんで・・・・・」

話の途中にも関わらず明日ヶ原を追い出した。

まったく、早朝涼風さんがお迎えに来てくれたのかと思ったのに紛らわしいことをしやがって・・・・


っていうかよくよく考えたら朝に弱い涼風さんがそんなことはしないよな。

やっぱ、このイベントは夢のまた夢か。


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