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二週目の肉体改造

この回はヒロインの涼風さんは出ませんが代わりにマスコットと筋肉が出ます。

涼風さん目的ならば読み飛ばしをおすすめします。

「はぁ・・・・・・・」

俺は息を軽く吐き家に帰るのだが疲れよりも、もやもやする気持ちが強かった。

何の因果か運よく二週目の世界でやり直すことになり未来を変えるためにクラス委員になった。

けれど、俺は前と変わらず低スペックで下位カーストなのだから周囲の認知度が低いため、憧れの涼風さんに声をかけようとしても明日ヶ原に追い払われるので、これ以降涼風さんと接触されると今日の二の舞にされるようだ。

「はぁ・・・・俺なんの為にクラス委員になったんだよ・・・」




後悔の念に打ちひしがれながらも俺は昔懐かしの実家につき玄関の扉を引く。




「ただいま・・・・・」

『ニャー!!!』

「わっ・・・・・」

中に入ると、突然なにかが飛び出し無意識にキャッチし重量を感じる。

このモフモフのデブ猫まさか・・・・・マグロ丸か・・・




「マグロ丸・・・・・お前なのか・・・・・会いたかったぞーーーーーーー」

「ニャーーーーーーーー」

感動の再開で俺は涙が止まらなく抱きしめた。

この太った三毛猫はマグロ丸というこの五年後に亡くなった。俺達の家族だ。



元々は母の友人のペットの親猫が子供を作りすぎたために、前からペットが欲しかったからその子供であるマグロ丸を引き取った。


ちなみにマグロ丸という命名は母が名付けたのだ。名前の由来は、ただ単純にマグロの刺身が好きなのでそう名付けたようだ。



このようにお世辞とは言わないが母のネーミングセンスは壊滅的で一人っ子の俺が生まれた時も、最初の命名は、なにを思ったか天才ジーニアスにされたが、父と親せきに全力に止められ祐輔となったのだ。



「キシャ!!!!」

「あ・・・・・・・おい・・・・・・・」

「フーーーーーーーフーーーーーーーーフーーーーーーーー」

しまった。興奮のあまり強く抱きしめたせいで、逃げて、曲がり角の階段に隠れて警戒している。少しやりすぎたかな。まぁ・・・・こっちはその代わり久々にマグロ丸のぬくもりを感じたんだ。もう切り替えるか。




「すまん。マグロ丸。もう強くしないから許してくれ」

「フーーーーー?」タッタッタッ

「よしいいぞ!!」

強く頭を下げたおかげかなんとか許してくれたようで、再び俺の手元に吸い付いた。

ふっ・・・・改めてみると結構でぶっこいな少しダイエットした方がいいかもな。





「なにーーーーーー祐輔アンタ帰ったのーーーいつまでも玄関にいないでサッサと着替えな」

「うん。分かった」

マグロ丸とのやりとりが騒がしかったせいかキッチンで晩飯を作ってる母さんに叱られ俺は言われたとおりに自室で着替えその数分後に会社から帰った父さんと一緒に晩飯を食べる。

それにしてもマグロ丸だけではなく、両親も10年前であってか顔は微妙に老けぐわいが違く改めて見ると俺って本当に転生改めやり直ししたんだなっと実感が湧いた。

癒しである生前のマグロ丸がいれば俺はこの道どんなことがあっても折れることはない。さぁこれからが俺のターンだ。




フン!!!フン!!!フン!!!フン!!!!

「ニャー!!!ニャー!!!ニャー!!!」



フン!!!フン!!!フン!!!フン!!!!

「ニャー!!!ニャー!!!ニャー!!!」



フン!!!フン!!!フン!!!フン!!!!

「ニャー!!!ニャー!!!ニャー!!!」




入浴後にも関わらず俺はあえてクーラーの風消し窓を開けまだ残る猛暑を感じる中マグロ丸を背中に乗せ腕立てをした状態で床に置いた数学の教科書を見ながらうろ覚えながらも勉強する。



明日ヶ原のせいで彼女に声をかけれない現状、低スペックの俺が涼風さんに注目される方法はただ一つ、日々の努力と鍛錬が必要だ。




それも地道な鍛錬じゃ時間がかかりその間、涼風さんは彼氏を作るかもしれない。

やり直し前では俺の知ってる限りでは高校生活では彼氏を作ったことは見たこともないがやり直しだからってあの時となにも変わることはないという確証はない。



だから俺は勉学と体力を同時に鍛えるという画期的な方法を思いついた。

今は俺が考案する腕立て(改)をやっているのだが、この後の予定だとダンベル片手に漢字や英単語をひたすら書き、スクワットしながら理科社会の単語覚えで就寝し、早朝英文を唱えながらマラソンをし、古文を読んだ状態でギプス装備でグリップを握りながら登下校を行い、しまいには食事もたんぱく質重視のメニューを優先に食べるというハードな予定を組んでいるのだ



この一日の予定は夕食後に五分で制作した筋肉ノートに記載している。

ふっやり直し前に得た知識が完全に役に立ったな。

これもすべて理想的な高スペックを手に入れるため、より異性にモテるには2割容姿、2割頭脳、6割筋肉が必要だ。


今とてつもくつらく少し腹筋しただけでとても苦しく吐きそうだが、俺の身体は微弱だが仕上がってる。

見てろよ明日ヶ原、数か月後でお前をぎゃふんと言わせ・・・・





「祐輔!!!さっきからフン!!!フン!!!うるさーーーーーーーーーーい!!!」

俺の筋肉計画は母の手によりわずか数十分で潰えた・・・・






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「へーーーーーーーーよく分からないけどアンタ鍛えたいってわけね」

「ああ・・・・・そうだけど」

その後俺は母さんに近所迷惑だと絞られ、その後ただ筋肉を鍛えたいだけだと説明するとなんとか許してくれた。





「まったく何考えてんの?マグロ丸まで巻き込んでアンタの熱気でこの子が参ったらどうすんの。ねぇマグロ丸?」

「ニャー!!!」

マグロ丸は俺になついているので別にそうじゃ思ってないと交互に首を振っているが母には通じなかった。






「たくっ鍛えるよりもやるべきことあるでしょ?」

「なにを・・・・」

「決まっているでしょ?バイトよバイト。アンタ高校に入って一度もバイトをしたことないじゃない。身体よりも社会を学んだ方がいいわよ」

いや、俺これでも社会人5年目なんだけど・・・




「あっ・・・・・そうだ。私の友人の友人がこの前喫茶店を開いたらしく、そこのスタッフが足らないって言ってたからそこにしなよ。母さん今からそこに電話するから」

「いや・・・・母さん、俺バイトよりも勉強が・・・・・」

「あ・・・・・・・もしもし、久東ですけど・・・・店長さんに変わっても・・・」

って俺の話を聞くよりも電話しやがった・・・・




「はい・・・・・・・ありがとうございます。それじゃ・・・・祐輔明後日の金曜日予定ないわよね?それじゃ19時に面接するから履歴書だけでいいらしいわよ。その時間が駄目ならいつでも母さんに言ってね」

「あの・・・・母さん・・・・」

「なに?」

「いやなんでも・・・」

「変な子・・・・・それと、このダンベル父さんのだから返すわね。じゃ、頑張りな」

母さんに補修の事を説明しようと思ったが、『夏休みなにしてたの?』とまた怒られるのが嫌なので途中で辞めた。

思えば母さんにはやり直し前にいろいろ迷惑かけたからもう心配されるのはやめよう。





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