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水着デートをするなら前日の状態で万全でなければならない

「はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・」

そ翌日の土曜日の昼前。俺は、必死に走りなんとか約束の場所である温水プールの前にたどり着いた。

のだが、肝心の涼風さんはすでに来ており、息を切らして屈んでいる俺を見下ろし怒ってそうな雰囲気が漂っていた。

携帯の時間を見ると待ち合わせの時間を僅かながら遅刻したので、その理由は大いに想像できた。



「おっそーい!!!!三分の遅刻。−2だよ」

「ごめん。涼風さん・・・・やっぱ間に合わなかったか」

「珍しいね。久東君が遅刻なんて珍しいね・・・理由くらいなら聞いてあげるから」

「それが・・・・・」


その理由を聞きたがってたので簡潔に説明する。

俺は自分で言うのもなんだが、遅刻だけは一周目の人生を含めて今まで、片手の指の数よりは、してないと自負をしているのだが今日珍しく遅刻をしてしまった。



その理由は単純。明日の為の海パンがなかったからだ。

俺が前の人生で命を断ち、この二周目の世界にやり直した日は二学期の始業式の翌日だ。その日以降は、一周目の世界の高校生時代の記憶なので曖昧だ。なので、昨日母さんに海パンはどこにあるか聞くと、どうやら今年の夏に親戚一家と合同で田舎に旅行に行きそこで持参してた海パンを持っていたのだが、海で泳いで遊んでた時に途中で水着が破いてしまい、あの後買い替えずにそのまま放置していたことを今の今まで忘れてしまったようだ。

自分の記憶とは言え高二の夏に、親戚と旅行したと言う記憶は全くないぞ。俺痴呆症かや?



話は戻り、海パン無く焦り始め周りが見えなくなった俺は、約束の時間の一時間前に家に出て早急に近場のデパートで海水水着を探していたのだ。

今思えばその行動が悪手だった。今の紅葉シーズンの10月に水着なんて売ってるはずもなかった。万が一半額で在庫処分でカート販売してると思ったが、案の定無かった。



それに加えて、時間ギリギリで電車に乗ろうとした時、度重なる緊張でいきなりお腹の調子が悪くなりトイレに籠ってしまい、それが理由で電車に乗り遅れてしまかと言う不幸の連続だった。

いやそれ以前に一時間も前に外に出たのなら早々にここに向かい水着を買うべきだったのになぜそれを思いつかなかったのか、自分自身とても情けなく感じていた。



そのありのまま起こった事実を涼風さん本人に説明を話すと予想通り呆れた表情をして、俺が思っていることををそのまま注意された。




「はぁ・、過ぎたことは責めてもしょうがないからもう行こっか・・・・」

「涼風さん・・・」

「なに・・・」

「その前に、売店で水着買ってもいいかな?」

「減点3!!!!」

涼風さんはクワッと顔色を変え指を出し宣言された。

俺はプールに入る前に計8点ほどの減点を食らってしまった。

これがギャルゲーなら今の行動で女の子は完全に帰ったに違いない。

涼風さんの器の広さに助かってしまうな。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いえ~~~~~~~いプールだぁ!!!!」

今までの失態を切り変え俺は、すぐに着替えすぐさまに屋内プール上に入った。

ここのプールは、一周目では来たことは無かったが、周囲を見ると紅葉シーズンにも関わらず家族連れを中心に多くの客が入っていた。

それもそのはずここの屋内温水プールは、この地域最大のレジャー施設のようで、流れるプールは勿論のこといろんな設備が用意されているのだ。

こんな場所を片思いの人と一緒に来るなんて夢のようだ。夢ならば覚めないでくれ!!!




「久東君お待たせ」

「涼風さん」

背後から声をし振り向くとそこには、水着姿の涼風さんが慣れた表情で来てくれた。

その水着の柄はド定番の黒の三角ビキニをしており、それだけでも十分にそそられるのだけど、なんだかその水着のサイズが彼女の胸と比べて少し大きく感じ、なんだかブカブカに見えるのは気のせいだろうか・・・





「ちょっと、久東君さっきから胸ばっか見てるんだけどそれ失礼だよ。また減点されたいのかなぁ」ニヤニヤ

「ごめん。俺、実物の女の人の・・・・しかも同年代の水着なんてプールの授業のスク水しか見てないから、なんかとても新鮮だなぁと思ってつい見ててしまって・・・」

「その言葉ものすごく変態的なんだけどぉ」

なんか警戒してる眼差しをしてるんだけど言葉間違えたか。




「もしかして、アタシの胸あんま大きくないから、大したことないかと見下してるんでしょ。男ってのはすぐ胸の事見てるから嫌になるよね。まぁ実際アッスーや他の友達と比べたら小さいのはしょうがないけど」

「俺は、胸のサイズなんてあまり気にしないよ。それよりも涼風さんの魅力は明るい性格と、かわ・・・・なんでもない」

「ちょっと、言いかけたのなら最後までいいなよ。けど、励ましてくれてあんがと。今の言葉少しドキッとしたから、1点くらい回復したあげるよ」

「ありがとう」

先ほどの機嫌の悪さとは一変少しは印象が良くなってきたぞ。ここから攻めるしかない。





「どうせなら胸だけではなく、水着も褒めてくれたらもっといい点あげれたのに。ねぇこの水着どこで買ったか気にならない?」

「う・・・・うん気になるね」

「よくぞ聞いてくれました。今年の夏アッスー達と海行く前に、友達がいろいろ選んでくれたから勢いでまとめて買ったんだよねぇ」

迷ったなら即全買いって、金持ちである涼風さんしかできないな。

俺も彼女見たいに豪快に買い物したいよ。




「それがこの一つなんだよ。まぁちょっとブカブカしてて、着衣も今日で初めてだけど久東君に見せられたらそれで・・・」

「え・・・・・なんて言ったの?」

「なんでもない忘れて」

なにか失言したようで涼風さんは途端に顔を赤くして震えていた。

なんだよ涼風さんだって珍しくハッキリ口に出さないじゃないか。



「ねぇ、それよりもいつまでも突っ立てないで早く行こうよ。まずはあっちのウォータースライダーに行こうよ」

「行こうって!!!準備体操とかは?」

「そんなつまらないことより遊ぶの優先!!!ほらダッシュ!!!」

「あ・・・・・・ちょっと」

無理に涼風さんに手を掴まられ俺は何度も何度もウォータースライダーやら飛び込みプールやらに付き添うことになった。


涼風さんはそれをテンション高く盛り上がっていたが、俺はその途中で右足を軽く吊ってしまったが彼女に好印象を得られる為に我慢しながら彼女の温かい手のぬくもりを感じながら付き合うことにした。



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