これは嫉妬の気持ちなのだろうか・・・・
一週間以上期間が空いてすみません。
インフルエンザにかかったせいかまったく執筆がはかどりませんでした。
皆さんもインフルエンザにならないよう、しっかりと手洗いうがいをした方がいいですよ。
「・・・・・・・・・・」ジロリ
「それで、その後のバンドのことですけど、あのオーナーからなにもなかったんですか?」
「ええ、最初はいろいろ言ってましたけど、最近になってはようやく諦めがついたかようやく連絡が来なくなりましたよ。そうですよね。皆さん?」
「ああ。今のところは来なかったぜ。まぁ来たとしてもアタシが追っ払ってやるがな。ガハハハッ」
「こっちも来ていない・・・・・・」
その後俺は、休憩中のバンドメンバーと共にいろいろな話をするのだが、その残りのバンドメンバーもリーダーのマキさん同様に見た目がファンキーなカッコをしているが、予想以上にフレンドリーな人ばかりなので、話しやすかった。
ちなみに、男勝りで短絡的な性格をしてるのがドラム担当の人で、その隣にいる寡黙な人がベースの担当の人のようで、その二人は同じ大学の大学生で、趣味でバンドをやってるようだ。
さらに、リーダーのマキさんは現在フリーターで就活中らしく、落ちた時や仕事のストレスは、このバンドで発散しているようだ。
このメンバー達は、みんな店長達がかつて所属していたスカモンのファンらしく、あの女たらしのライブオーナーに集められたメンバーのようだ。
「なぁ、アカリさぁ・・・・・・お前んとこもあいつからちょっかい来てないんだよ」
「・・・・・・・・・・・」プイ
「おい、無視かよ!!!いい加減に機嫌戻せよ」
「アカたん、意外と強情・・・・」
「しょうがないですね・・・・」
涼風さんは、どうやら先ほどの事でまだ怒ってるようで不貞腐れており、こっちを睨みながら無視を貫いていた。
その行動で他のメンバーは呆れてため息を吐いていた。
「アカリ、もしかして余計な事をしてたのですか?」
「別にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。アタシはなにも気にしてないよぉ。ただ、アタシだけハブられるのが気に入らないだけだから・・・・・」
「へぇ、そうなのですか・・・・・ならこっちにも考えがありますよ」
「考え?」
マキさんは、ため息を吐き深呼吸をした後、突然俺の手を掴み肩を組んできて、彼女の胸のふくらみが俺の肘にあたってきた。
ちょ・・・・・いきなり何やってんだこの人・・・・
ただでさえ女性免疫がない男にそんなことされたら変な感情が湧いてしまうんだけど。
「ちょ・・・・・なにを考えてるんですかマキさん?」
「へぇ・・・・・そう言う事か。ならそれに乗るとするか」
「こっちも賛成・・・」
いや、マキさんだけではなく、他のバンドメンバー二人も、なにかを察したようで、ニタッと笑いマキさんにつられて俺に近づき密着する。
ぎゅうぎゅう
「ほれほれ、お姉さんに囲まれてお前最高だろ・・・」
「これこそ酒池肉林・・・・」
「祐輔さん遠慮せずに甘えていいですよ」
例えるのなら一種のハーレムと言った方がいいのか?涼風さん以外のメンバーは、俺に寄り添い、この部屋から出てどこかに向かおうとしていた。
なにを考えてるんだ一体・・・・・バンド女子は肉食系が多いと噂で聞いたけど、涼風さんを含めて全員がそうじゃないかぁ!!!
道理でバンドする女子はモテるわけだ・・・・
そう思ったとき、寡黙なベースのお姉さんが耳元で、『しょうがないけど、少し付き合ってくれるかな?』とささやいてくるので、俺は一旦彼女らの作戦とやらに乗ることにする。
涼風さんの方を目を向けると、俺達の事を気に食わないか歯ぎしりをし、こっちに突っ込んできた。
「ちょっ!!!!ちょっ!!!何やってんの?アンタら」
「なにって、今からアタシらの寮で大人のパーティーをするんだよなぁ。なぁリーダー?」
「ええ、こっちは、しばらく彼氏なんてできませんからその、埋め合わせをしましょうと思いましてね。彼、意外と男前じゃないですか?」ツー
「!!!!!」
そう言うとマキさんは、手慣れた手つきで俺の身体をベタベタと触ってきて非常にこそばゆい。
え?もしかして彼女ら涼風さんさんに嫉妬の念を抱かせるためにわざと挑発的な態度をしてきたのか?
いや、仮にそうだとしてもそんな安っぽい挑発を涼風さんが乗るわけが・・・・
「ちょっ!!!!!!ダメだって放してくんない!!!」
「あっ!!!!」
突然涼風さんが前に出て強引に三人を振りほどく為に俺を引っ張てくれた。
そして俺を護ろうと彼女らの前に立ちふさがっていた。
「アカリ、なにしてるの?独り占めダメ・・・・・・」
「そうだぜ。お前ついさっき彼に冷たい態度取ってそれはねぇだろう!!!」
「二人の言う通りですよ。何か問題でもあるのですか?」
「あるに決まってるじゃん!!!彼は、アタシの・・・・・」
「アタシの・・・・・・・?なに・・・・・ですか?」ジロリ
「う・・・・」
勢いよく涼風さんは言葉を発っしようとするが、他のメンバーの尋問に近い目つきで、彼女は目は揺らいで言いかけた言葉を中断させていた。
それどころかかなり慌てていて情緒不安定だった。
「もしかして・・・彼がおう・・・・」
「違うからね・・・・・・そういうんじゃなくて・・・・・その・・・・練習相手だから練習相手・・・・・・アハハハハ。実は、彼から、ギターを教えてくれと言われてくれたからその約束を今やろうかなって、思ったから・・・そうよね?久東君」キラキラ
彼女は、涙目になり目を輝かせながら俺の手を強く握り、訴えかけた。
あまりにも必死に訴えており、なにより俺の為に必死になってくれる彼女の言葉を裏切ることができなかった。
てか、目が今まで以上に色っぽいからそんなの断ることが難しいだろ。
「あ・・・・・・そうだった・・・・実は、前もって教えようと思ったんですよ・・・・ははははははは」
「そうそうアタシも、ついさっきやっと思い出したんだから・・・・アハハハハさっきは冷たくしてゴメンねーーーーーー」
「いやいやこっちこそ・・・・」
「本当か・・・・・どうも話が出来過ぎてるなぁ」
「だってぇ、この前の体育祭とか新曲作るの忙しいから忘れるの当たり前じゃん。そゆわけだから、今から彼にギターを教える為、今からアタシの家で教えるから・・・じゃあさいなら・・・」
そう言うと涼風さんは強引に扉を蹴り開け逃げる体制を取っていた。
「あ・・・・・・・・おい、アカリ・・・・・・・・教えるってお前ら明日学校だろ?そんな夜遅くまで付き合ってたら彼迷惑かかるだろ?」
「べーーーーーーー知らなーい・・・じゃあ行こっか久東君・・・」
「ちょ・・・・涼風さん・・・」
止めようとするメンバーに対し涼風さんは生意気にあっかんべーをしながら俺の手を引っ張られ無理やり連れて行かれた。
彼女はただでさえ運動神経がよく足が速いので、足がカクカクになってこけそうになっていたが、涼風さんに食らいつくよう必死について行くことにする。
これはあの時、彼女をあのライブオーナーから助ける時の全く逆の状態だった。
「まったくしょうがないですね・・・・」
その扉を閉まる直前にマキさんは困った口調でそう呟いてるように聞こえているが、顔は嬉しそうにしていて、俺に向かってニッコリと笑って手を振って来るのが見えていた。
マキさん達・・・・・ありがとうございます。
俺は内心強くお礼を言いながら音楽スタジオの外に連れて行かれ、彼女とデートもとい秘密の練習をする為に夜の道を歩くことになった。




