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世界を超えて再び聞いた歌声

「う~~~~んここか?」

マキさんの書かれた名刺の住所通りの場所に着くとそこは、とある会員制の音楽スタジオだった。

店長によるとマキさんは、店で食事を終えた後仲間を集め、新天地のライブハウスの初演奏に向けて調整をしてるようだ。



う~~~~~ん多分突然来ると涼風さん驚くだろうな・・・・

ここに来る前に一応連絡しようと思ったけど、その名刺の住所の下に『P.Sここに来ることをアカリに電話をしないように』って書いてるんだよなぁ。

まぁそれはそれで彼女のリアクションが見れて嬉しいけど・・・・

まずは中に入り、受付の人にマキさんの紹介で来た事を伝えると、すでに口を聞いてくれたようで、笑顔よく応対してくれたのでさっそくその場所に案内してくれた。




「こちらになります」

「ど・・・・どうも」

その店員に案内されると一つの個室の扉前に案内された。

中は完全防音のようでここからでは何も聞こえず、中でどんな演奏をしてるか分からなかった。

緊張のあまり自然と出る手汗が出てしまい意を決して中に入る為力よくノブをひねる。




「し・・・・・失礼します・・・・」

「♪♪♪♪♪♪♪」

扉を開けると、そこには素晴らしい歌声と音楽が俺の耳音で流れており、その方向に目を向けると涼風さんがボーカルをやっていて曲の練習をしているようだ。

しかもみんな集中力が半端なく俺が入ってきたのも関わらず演奏をしていた。


彼女いや・・・・バンドたちの服装は、一時間以上練習して熱気が入っているかそこらに上着を脱いで半そでの黒シャツを着ていて、その証拠に汗がすごかった。



「♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」

その音色に俺は中断せずに演奏が終わるまで壁際で聞くことにする。

この音楽、一周目では一回しか聞いてないけどいい音楽だな・・・


確か曲は、『crescent Moon』直訳すると三日月だ。

数あるWitchWigの曲の中で唯一のバラードの曲のようだ。

初めてその曲を聞いた時はなぜ後で録音しなかったと後悔の念に駆けられたな。



これを聞いたのは遡ること一周目の時の高校三年の6月の文化祭・・・・・・

その当時涼風さんは、事故で演奏ができなくなって、留学の為勉強を集中していた時期だった。あの時の涼風さんはまるで正気を失ったかのように光を失った目つきをしていて、涼風さんのファンの人も中々声をかけにくいほど重たい雰囲気をしててこっちも辛くなってきたな。



その状況の中、彼女の友人が気晴らしになると歌うようにと勧めたくれたお陰で、一回きりの演奏を引き受けてボーカルの曲を、軽音部の曲に合わせて歌ってたな。



その復活ライブで一瞬だけ輝きを取り戻して体育館内の盛り上がりは最高峰になって俺もつられて泣いてしまったな。



そういえば、この時期なんだよな・・・・・・涼風さんが事故に遭ってバンドができなくなるのは・・・・・・






「!!!!!!!へ?~~~~~~~~~~~~~いやいやなんでいるの?!!!!!」

「ん?」

「アカリどしたの~~~~ちょっとうるっさいんだけど!!!」

曲の途中やっと涼風さんが俺を気づいており、そこからノイズ音がアンプからうるさく響きバンドメンバーは一旦音楽を中断していた。





「どうしたのですか?アカリもうすぐライブなのだからもうちょっと緊張感を出してください」

「いやいやいやいや、それどころじゃないんだけど!!なんでうちのクラスメイトがいんの?てか、みんな知ってたの?」

「うん、私も知ってた」

「うちもだ・・・・」

「そうです。話してないのはアカリだけですよ」

どうやらマキさんの言う通り本当に内緒にしていたようだ。

うん、いいリアクションが見れてよかった。けど、自分だけ除け者扱いされたのが納得がいかなかなく顔を膨らまして怒っていた。



「だからってせめて言って欲しかったな?」

「彼ですよね?アカリが言ってた王子様ってのは?」

「はいはいはいはいはいはい!!!!!!なんでもない。なんでもないなんでもないヨ。ナンデモナイヨ」

彼女は突然手を叩きながら叫び出して誤魔化したいて、マキさんの声を必死に遮っていた。

しかも段々と棒読みになって完全に眼を晒しており、顔も赤くなっていたので、相当動揺してるようだ。


どうやら触れてはいけないワードだった為、マキさんは観念してそれに触れずに、話題を変えることにした。



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