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陽キャラ達のトークは、陰キャにはついていけないようだ

「でさ、この前隣クラスのひろしがさぁ、この前女子高の生徒をナンパしたんだけど、いかつい彼氏にそれを見られてひどい目にあったんだって・・・」

「マジ?あいつなんでもかんでもナンパするから自業自得じゃね」

「だね。この前アタシも告られたからちょっと焦ったよ」

「マジでか・・・・そいつを殺すかねぇ」ニタぁ

「おいおい、明日ヶ原今の嘘だよなぁ・・・完全にる気の眼だぞ・・・」

「・・・・・・・」

ガヤガヤガヤガヤ





今俺は、ひょんなことから涼風さん達7人グループと昼飯になり、その二つのテーブルを近づかせてリア充トークに混ざることになるのだが、その内容が頭に入ってない以前に涼風さん、明日ヶ原以外のグループの顔と名前と一致しなく、正直誰が誰だか分からない。



それに加え陰キャなので、まったく話に加わるスキがなく苦戦している。てか、むしろ早く帰りたい。





「おい、仮面ライダー君」

「俺?」ビクッ

突然隣のリア充Aに声をかけられた。ビックリして心臓が飛び出そうになった。


「そう、お前だよお前・・・・・なぁ、さっきの話どうだと思った?」

「あ・・・・・もしかして聞いてなかったとか・・・」

「ギャハハハハハハハ、仮面ライダー君・・・・もといクドウ君はお前の寒い話には興味ないんだとよ」

「んだと、この野郎!!!」グリグリ

そう言うと隣のリア充Aは、お調子者のリア充Bの頭をグリグリしていた。


俺が彼らの名前を覚えてないのと同様に彼らも俺の事を興味を示さないので、間違った名前を認識していた。別にいいよ。どうせお前らは、注意しても覚えないんだろ?




「お・・・クドウ君うまそうな唐揚げあるじゃん。一ついただいていいか?」ひょい

「あ・・・・・・・」

しかも、俺が後からとっておいたからあげちゃんを、こいつ勝手に取りやがった。こういうのがDQNのいい例なんだよなぁ。未来のこいつは何してるか分からんが、バイトテロやらかして、多額の返済生活を味わう事を強く願うことにする。



「ちょっと勝手に、唐揚げとるの良く無くない?久東君アタシの唐揚げ定食の唐揚げあげるから・・・」

「ん?朱里ぃ・・・唐揚げいらないのかぃ。なんなら私が食べてあげよう。ついでに朱里自身も食べてみたい」

「ちょ・・・・みんながいる前で、スカートたくし上げないでよアッスー・・・」

「アッスー流石にあっちの食欲も盛んだね!!」




明日ヶ原は、涼風さんの顎をクイッと上げ舌なめずりしながら彼女のスカートの内側に触れようとする。この百合百合しい雰囲気、とても見たいのだが



見たいのだが、ここは修行僧並みに無になるか・・・



「ははははっ、相変わらずあいつらイチャイチャしておもしろいな。それより、唐揚げ困ったんなら俺のきつねならあげるぜ!!!」ビシッ

おい、リア充A。なに爽やかフェイスで注文したきつねうどんの油揚げ置いてるんだ?そんなので等価交換が発生するわけないだろ。

有能そうに見えるけど、無能だなこいつ。こんなんと友達になりたくないな。


その後もリア充グループは俺の事を気にせずさらに話を盛り上がっていて、こっちは聞いてるだけで疲れてきたぞ。



なんかもう、涼風さんには申し訳ないがマジで帰りたくなってきたな・・・・メールで彼女に連絡するか・・・・



「あ・・・・・・そう言えば、坂本さぁ、アンタが好きなあの子とどうなったわけ?」

「ば・・・・・・急にその話をすんなよ。ハズイだろ・・・」

突然自分の恋愛話を持ち上げられて隣のリア充Aこと坂本は顔を赤くしていた。



話を聞くとどうやらその坂本は、同じクラスの大人しめな女子の池という女子に一目ぼれをし、告白をしようか悩んでいた。



陽キャラの名前は覚えにくいが、大人しめな人間もとい俺と同じ臭いがする陰キャラは、ひょんなことから話かけられ、共感出来るかもしれないから、念の為に名前を覚えてたな。



そういやあの二人、一周目の記憶によるとうろ覚えだが二年の三学期の途中で一緒に付き合ったような感じがなぜか鮮明に覚えているぞ。




「さかもっちゃんは、池さんの事好きなんでしょ。だったら告白すればいいのに?」

「そ、そう言われても、告白とか、初めてだし・・・」

「お前他人の恋愛には茶々を入れる癖に自分の恋愛は不器用なんだな」

「うるせえ!告白なんか生まれて初めてやったことないんだから緊張すんだよ」

マジか。見る感じ女をとっかえひっかえしそうな感じの見た目の陽キャなのに、初めての恋愛だと?



人は見た目じゃないんだな・・・・よし、初恋愛に賞して俺が、助け舟を出すか。




「好きなら告白したら?」

「クドウ、お前もそう思うのか・・・でも、もし池に他に好きな男がいたらどうするんだ?そんなの彼女がいないお前には気持ちわからないだろ」

「クドウ君、調子に乗り過ぎ~~~~~~少し黙って頂戴よ〜〜〜」

クドウ、クドウうるせぇよ。ヘタレリア充は黙って聞け。




「無論俺は、池さんとも話したことないから、真意は分からない。けどうまく言えないけど、俺は二人が付き合うという未来が見えるんだ。今すぐ告白したらどう? そしたら胸のモヤモヤがなくなってすっきりするよ」

「・・・・・・・・」

みんな俺が普段良く喋る人間じゃないから、あまりのギャップで驚きを見せていた。

イキリ過ぎて恥ずかしい・・・・言うんじゃなかった。恥ずかしくて顔を手で隠すことにする。




「アタシも久東の意見に賛成かな?」

「朱里がそう言うなら俺も賛同するぜ」

「あたしも・・・・」

「みんな・・・」

その時第一声に涼風さんが俺の意見に共感を持ち。次々と賛同していった。みんなの意見で先ほどまで不安を見せた坂本は、急に立ち上がり残ったうどんを放置して、池がいる教室に全速力で向かっていた。



「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ池、待ってろよぉ!!!!!」

その結果・・・・俺達が教室に戻ると、坂本と池は一周目の未来より早く恋が実ったようだ。




どうやら池も突然坂本がいきなり血気盛んに教室に入り告白され、少し戸惑いを見せたが、彼女は前々から坂本が好きだったから断る理由はなく受け入れたようだ。





「サンキューなクトウ」

そう言いながら、坂本はやっと俺の名前を覚えたようでウキウキの状態で席に向かった。

そしてそれと同時に五限目のチャイムがなっていたので俺は席に着くと丁度涼風さんからメールが来るので先生がまだ来てないのですぐに読み上げる。




『久東君、さかもっちゃん心から感謝しているよ。流石クラス委員長だね。この調子で明日も一緒にみんなと学食行く?』





完全に信頼されていい感じになり、おまけに明日の学食も誘ってくれた・・・・けど





『ごめん。俺はリア充と話すのは気が早すぎた。しばらくコミュ力つけてから出直します。その代わり悩みがあれば、すぐに相談に乗ります。なんせクラス委員ですから』



「・・・・・・・・なにそれ?ウケるんだけど」

その文を読んだ涼風さんは、そう吹き出しクスクスと笑い声が聞こえ、俺にガッツポーズをしていた。



一瞬、リア充になれていい気分はしたけど、根っからの陰キャの俺にとっては、休み時間は佐々波と一緒に限るなぁ。とそう思えてしまった。

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