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WitchWig

あれから俺は勉強にバイトに精を出し、本来の高校生らしい生活を充実しており、一週目の自分とは思えないくらい楽しめた。



その数日後の休日。俺は、今日のバイトを終わらし、恵さんと共に涼風さんが出てるライブハウスに向かう為休憩室で落ち合う。





「お待たせ、祐輔君、準備できた?」

「ええ、できましたよ」

そう彼女は俺の名前を呼びかける。これもこの店のルールでお互いの信頼を含めるために、バイト、正社問わず名前呼びするのが義務付けられているのだ。

ちなみに店長に対してそう呼ぶと小一時間説教されるのでご法度だ。




「ですけど・・・・・・俺、ライブハウスに行ったことないんですけどこの服装で大丈夫ですかね?」

「いいんじゃない。祐輔君センスあるね」

「あ・・・・・・ありがとうございます」

やっべ~~~~~~~適当に服を選んだつもりが褒められるなんて親以外だと初めてだわ




「それじゃ、店長行ってきます」

「はいはい、気をつけていくのよ。なんかあったらすぐ私に連絡を入れるのよ」

店長に挨拶をし、俺は恵さんの原付でにけつし、ライブハウスに走り到着する。

そこで俺達は、もう一人ライブに行くための仲間である佐々波と合流した。

ちなみにその佐々波も俺同様にそのライブハウスというものがどういうものか興味を持ち同行することになった。





「よぉ、随分遅かったな。なにやってたんだよ」

「なんでお前は早く来ただけでいちいち偉そうなんだよ。このサボり魔が」

「さぼり魔じゃねぇ。ちゃんと練習に参加したぞ」

「でもお前の同学年の殆どは今も残って練習してたじゃん。その間にますます差が広まるな」

「ぐ・・・・」

「こぉら、祐輔君、友達相手に意地悪言わないの」

「す・・・・・すみません」

一連の話が聞かれ俺は注意された。その時佐々波の眼差しは俺より恵さんの方に向けていた。




「あ・・・・・・あのすみません。貴方は・・・」

「ごめんなさい。自己紹介がまだだったわね。私は、丹波恵と言って、祐輔君のバイトの先輩よ。よろしくね」

「こ・・・・・・・・こち・・・・・らこそ・・・・よろしくお願いします!!!!」

うるさっ!!!急に声をあげんな馬鹿野郎!!!

っというか恵さんとと出会った途端にこいつ急に態度が変わったな。もしかしてこいつ女慣れしてないな。

そう思うと佐々波は俺に耳打ちする。





「おい、久東。なんでお前ごときががこんな美人な知り合いがあるんだよ。っというかお前がバイトしたなんか聞いてねぇぞ。一言言えよ」ひそひそ

「なんでお前にいちいちそんな事を報告しなければいけないんだ?」ひそひそ

「なにしてるの?ほらいくよ」

「はい、ただいま」

完全に尻を敷かれたようで恵さんの前ではなにも言わなくライブハウスに向かう。

完全に惚れてるとこ悪いが恵さん彼氏持ちだぞ・・・・・

俺はそれをあえて言わずに佐々波のピエロっぷりを傍観することにする。





「おーーーーーここがライブハウスの中かーー」

中に入るとすでに誰かの演奏が始まってるようで、舞台中央で演奏してるアーティストの演奏が後ろ側にいる俺達まで聞こえ、ボルテージが上がるたびに観客も続けて盛り上がり賑わっていた。

見たところ最前列は混んでるので後方に設けている座席ブースにて空いてる場所を探して座り飲み物を飲みながら演奏を楽しむ。

恵さんは、好きなカクテルを注文すると一飲みをしてすぐに新しいのを注文し、ライブを見る感じではなかった。




その数分後ついに、本命である涼風さん率いるバンドの演奏が始まり、俺は席から離れできるだけ彼女たちを見ようと前に行こうとする。


彼女たちは4人グループのガールズバンドのようで、みんな自前の制服のような派手目の衣装を着ていて舞台に立ち、他のメンバーが準備している間リーダーと思われるボーカルの女性がマイクを片手に掴み挨拶をする。





「どうも~~~~~WitchWig(ウイッチウイッグ)です。えーーーーーうちら結成してまだ二年でまだ、未熟ですけど、皆さんを十分に楽しませていただきます。では次にメンバーの自己紹介を始めたいと思います。まず最初はギターのアカリ」

「いぇぃ!!!!みんな楽しんでるーーーーーー?アカリです。よろしくお願いしまーーーーす」

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ』

「朱里ーーーーーーーーーこっちこっち!!!」

あれ?聞き覚えがある声がしたなと思ったら、近くにうちのクラスメイトのリア充メンバーがいる。幸いにも明日ヶ原はいないが、それでもバレたくないな。


そして、続けざまに他のメンバーの挨拶を終えついに演奏が始まった。



「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

前奏が始まりまず最初にギターである涼風さんの華麗なるギターさばきを披露する。

彼女は珍しい左利き(レフティー)なのでより興味を湧いており、その華麗な指の動きはプロ顔負けの技術だった。


あまりにもすごいテクニックでバンドの華であるボーカルよりもギターしか聞こえず、自然と俺は涙を流してしまいその30分は俺にとってはとても貴重過ぎて体感時間が3分に等しいほど、すばらしくて、来てよかった。

・・・・・のだけどこれが終えると勉強を教わった仲から普通の関係に戻ると思うととてもむなしく感じてしまうのだ。

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