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しっかりしろ!!!

これから俺は三教科の追試を受けることになる。

三教科丸々なので帰宅時間が他の追試組と比べて時間がかかり、他の生徒が先に合格し帰宅しても、冷静に判断して問題を解くことにする。



そしてなんとか時間内に問題を終え、先生からの採点が始まった。結果はどうだ・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ふぅ~~~~~うやっと終わった」


時間を携帯で見ると午後5時40分。ようやく採点を終え校門に出る前にバイト先に連絡を入れることにする。

試験の結果は、なんとか三教科すべて赤点回避することができた。っといっても厳密に言えば、英語が僅差2点というほぼほぼギリギリの状態だけどな。

これで晴れてテスト地獄を解放することになり今日の6時30からバイトが始まることになった。

あ・・・・・家にもバイトで遅くなると電話入れないと・・・


その後校門にでて空腹にならないようにコンビニで菓子パンを買い、バイト先である喫茶店に余裕をもって向かうのだが、心の中でモヤモヤが走る。



確かにやっと追試が終わったのは嬉しいのだけど、涼風さんとあまり話すことができなかった。本人に意思がないとはいえ指を舐められたから、とても緊張をしてしまう。

やっとまともな高校生活が始まると思ったのにいきなりの女性不振か。笑えないな・・・




「ん・・・・あれは・・・」

店の看板が見え少し早めにつこうと思った時、店の前に見慣れた女子生徒・・・・・涼風さんが扉の横で携帯を見ながら周囲を見回っており完全に待ち伏せられていた。

これ、完全に俺を待ってるよな・・・



「あ・・・・・」

やばい・・・目があった・・・・とりあえず一旦退さ・・・・・





「捕まえたーーーーーー」

「うげーーー」

逃げようとした瞬間いきなり後ろから襟を捕まえられた。な・・・・・なんという足の速さだ。



「うげーーーーーじゃない。やっと捕まえた」

「や・・・・・やぁす・・・・涼風さん」

「じゃない!!!なんで昨日来なかったことを説明してくれるかな・・・」

「その・・・・」

恥ずかしくて面とは見れないが、声だけで分かる。怒ってる感じなんだなと理解できた。だけど、返答しようとしても震えが止まらない・・・

なんとかして答えないと・・・このままだと一周目の二の舞になってしまう。




「・・・・・・・・久東君黙って手を合わしたまま前に出して?」

「え?」

「いいから・・・」

言われた通り手を合わせ前に出す。すると涼風さんから呼吸音が聞こえる。一体何をするの・・・・




「この・・・・・・しっかりしろーーーーーーー!!!!」

バチン!!!!

「いたっ!!!」

両手を叩かれて痛みが走り、俺はふと頭を上げる。すると涼風と完全に目をあったのだけど痛みのせいで緊張がほぐれた。





「どう?落ち着いた・・・」

「え・・・・うん」

「まったくなにがあったか知らないけど、いつもの君に戻ってよ。正直あの頃の久東君に戻ったのかと思ったじゃん」

「ご・・・・・ごめん・・・・心配かけたのかな?」

「い・・・・・・いや心配とかじゃ・・・・ないよ。ほら、せっかくクラス委員になったんだからしっかりしないと、他のクラスに舐められちゃうヨ」

「はは・・・・舐められるか・・・涼風さんこれ・・・・・覚えてる?」

念のために指を舐めたことを本人が覚えあるか人差し指を出すが、まったく分からなかった。




「え・・・・なにそれ?新しいナンパ?」

「いや、なんでもない。忘れて」

「あははははははは相変わらず、君はおもしろいね」

彼女のお陰でなんとか俺は前みたいに緊張なく話すことができた。

それにしてもクラス委員やバイトを始めるだけでここまで彼女が変わるなんて・・・・もしかして俺に好意が・・・・・・・なわけないよなぁ。偶然だ。





「あの、話戻すけど、もしかして俺の事待ってたの」

「いや・・・・別に、ただアタシ、今日で数学の追試終わったからあの部屋を貸してくれたレイさん達にお礼しようと思って、するとレイさんが君が全教科追試をクリアしてバイトするって聞いたから逃げないようにしただけだから・・・・勘違いしないでよね・・・」

なんでエセツンデレ風で言うのかな?



「そっか」

「それより、追試の結果見せて・・・・」

「うん・・・」

俺は言われた通り追試の結果を見せると、ちょっと小言が多かったけど、褒めてくたことに変わりはなかった。




ちなみに涼風さんにも数学の答案を見せると、恵さんに教えてもらったせいかであってか俺より高い60点台に伸びていた。まぁ、本人は数学はもうやりたくないと嘆いたけどね。




「あ・・・・・・アタシそろそろバンド内で打ち合わせあるけど、良かったらこれどうぞ」

彼女は俺になにかのチケットを二枚渡された。

「実はこれ、今週末にライブハウスでうちらバンドが演奏するからよかったら見に来てね。本当は三人分用意してレイさんや恵さんに渡したんだけど、恵さんはともかくレイさん忙しくて来れないらしく代わりに誰か連れて行ってよ」

「分かった。必ずいくよ」

そう返事をすると、彼女はニコッと笑い急ぎ足でバンド仲間に向けて走っていた。




さて、俺もバイト頑張るか。そう思い従業員用の裏側に入るといきなり店長と出くわした。



「いらっしゃい坊や。今日は随分いい笑顔じゃないの?もしかして彼女と出会って浮かれてるんじゃないでしょうね?」

「いや・・・・・そんなことないですよ。それはともかく今日からお願いします」

「ふん・・・覚えることは山ほどあるから覚悟しなさい・・・・ほらボケっとしないで着替えなさい」

「はい!!!」

俺はその後サクッと制服に着替え、恵さんの指導の元バイトが始まった。

正直楽ではないが、営業部時代で働いた俺にとっては前と比べてやりがいと楽しさを感じていた。




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