神の御言葉
はじめまして。夜宵野まつりと申します。
処女作です。生暖かく見守ってください。
ちなみに、目標としている作家はアガサ・クリスティです。
突然だが、キミは勇者という言葉を知っているだろうか…?
なになに、魔王を討ち滅ぼすべく、剣と魔法で戦う聖なる戦士、か……。
残念ながら、不正解だよ。こっちの世界ではね。
え?こっちの世界とか何言ってるんだって?
何言ってるも何も…あぁ、もしかして、まだ混乱してるのかな?
まぁ混乱するのも仕方ないね。なんたってキミは召喚されたばかりだ。まだ気持ちフワフワっとしてるだろうけど…ボクが言っていることは全て事実さ。
ここは、キミが知っている日本という国ではないんだよ。
まぁここがどこかって話は追々するとして…。
この世界で言う“勇者”について説明しようか。
勇者とは、この陽光帝国に存在する、他国との戦争においての最重要戦力となる個人を指す言葉だ。
要するに、めちゃくちゃ強いヤツって事だよ。
彼らは、アーティファクトという強力な武器を使って、そうだなぁ…まぁ、一人一人が本気でその気になれば、小国1つ程度なら4日あれば落としてくる位の実力者だ。
うん、凄いよね…ボクも初めてアレを見た時はドン引きだったよ…それと同時に、酷く嫌悪感を覚えたね。
だって…ボク達が辻褄を合わせてた世界の均衡を崩しちゃうんだもん。
だからね?キミにはその勇者達を退治して欲しいんだ。
もちろん、謝礼はたんまり出させてもらうよ。
あぁ…ボクってばなんて優しいんだろ…おっと、惚れちゃあいけないよ?ボクは神様だからね。
神様と人間の恋愛は禁忌。これ、テストに出るからね!
…ありゃ?あ、もう時間か。
そろそろキミには、本格的にこっちの世界で打倒勇者の生活を送ってもらうよ。
色々聞きたいことはあると思うけど、1つだけ忠告しておくね。
……絶対に負けちゃあいけないよ?
それと…できることなら、あんまり他の人と仲良くしないで欲しいな。キミの良さが失われちゃうから…まぁ、コレに関してはボクの我儘だから、最初の忠告だけ守ってくれればそれでいいよ。
それじゃ、無藤蘭丸君、これから始…るキ……も…語に、どうか祝…くがあらん……を。
す……ばで、……っ…い…よ。
嘘です。