愛憎の華
初投稿です。よろしくお願いします。
『愛憎の華』と言う、ネットでちょっと話題の少女漫画があった。
ストーリーは、とある貴族の妾の娘である主人公が、貴族の家に引き取られてから始まる、愛憎渦巻くドロドロ昼ドラ展開のラブストーリー……と、使い古されたありきたりな話だった。
テンプレ展開でも、キャラクターやストーリーがしっかりしてれば面白いのだが、この漫画はそこが評価されて話題になってる訳ではない。
『愛憎の華』の作者はアラフォーの女性で、なんと言うか……言動がイタイ人だった。
そんな彼女の作品は全て『逆境にも負けない健気な女の子』が主人公で、そんな主人公に惹かれた男性たちとの逆ハーレムが、大体のパターンになっていた。
少女漫画ではありがちなパターンだけど、この作者がイタイと言われている大部分は、『徹底した主人公至上主義』にある。
まず、ストーリーがあまりにも主人公に都合良い展開になっており、『逆境なんて何処にあるんだ?』とツッコミを入れる程の、人生イージーモードである。
『愛憎の華』のストーリーがその最たる例であり、主人公が引き取られた先で本妻とその娘に冷遇される……とあるが、父親と本妻の息子である異母兄には甘やかされて育つのだ。
学校でも、妾の子どもと差別されて、同じ学校に通う本妻の娘とその取り巻きに苛められる……が、学校の人気者たちである男性キャラたちには優しく守ってもらえるのだ。
……基本、主人公はお姫様扱いで、周りの男性キャラは彼女の騎士である。
次に絵柄は、最近の少女漫画の中でもトップクラスに綺麗なので、主人公や周りの男性キャラはとても綺麗に描かれている。
だが、主人公に嫌がらせをするライバルのキャラや、主人公が恋した男性キャラの恋人など……主人公の敵であるキャラはもの凄く不細工に描くのだ。
その上、結末はかなり悲惨な最後を迎え、全く救いを作らない徹底ぶりである。
たまに綺麗な女性キャラが居るときがあるが、その場合は主人公の恋愛に全く絡まないキャラだけである。
そんな露骨なキャラ差別や主人公のご都合主義なストーリーの所為で、度々ネットのファン専用掲示板で白熱した議論が繰り広げられた。……その結果、強烈な信者とアンチを生み出してしまい、最新話が雑誌に掲載される度に炎上した。
そのスレッドを見た、漫画を知らなかった人たちが面白がって大型掲示板に画像をアップした所為で、ネタ漫画として屡々色んな掲示板でスレッドが立つようになり、広く知られるようになった。
私もそこから知ったクチで、そのネタ感溢れるストーリー展開に『100パー作者の自己投影だろwwwコイツ絶対デブスな喪女だろwww』と、散々ネットでディスっていた。にわかなネット民のくせに粋がっていた。
……だからか、罰が当たったのは。