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2.

*キャラが安定しません。

 受験合格したので春休み期間中一時的に家に帰ってきて、さぁまた電車に揺られようと言う日に、朝起きたら女になっていた。

 家の中にあるラノベの整理をしていたら寝落ちしてしまい起きて見れば視界を覆い尽くすように髪が伸び、胸元に二つの丘ができ、相棒は消え失せていた。

 身長も180㎝あったはずなのにかなり縮んでいるように思える。

 ……髪の金と黒の割合が逆転してる…。

 昨日までは金9に黒1くらいのはずだったのだが、今度は黒がメインになっている。

 金も注意してみないと分からないレベル。

 ふと鏡を見るために貞子状態になった髪をどかしつつ、みると、ダボダボのワイシャツ一枚のひどく扇情的な姿の少女がいた。

 ……取りあえず、どうにかしなくては。

「詩音、朝食で来たわ―――よ?」

 御年45歳になると言うのに見事な若造り。噂の美魔女とでもいうのだろうか。

 この一見厳しそうな美人オーラあふれる方はお袋にして元トップアイドル、椎名凪しいな なぎ

 かなりの天然である。

「……あ、あなたまさか詩音の彼女さん?まさか彼シャツとは、詩音やるわね」

 ……突っ込むところが間違っているぞお袋。

「いや、俺詩音だから」

 思わず母沈黙。

 こっちに近寄り、はずをする。

「クンクン。嗚呼、詩音ぽいわね」

「まさかの臭いで判断!?」

「なんていうか、お母さんはね臭いで人を判別するのが得意なのよ。下手な香水じゃ騙されない自信あるわ。絃さんのあr「自重しろ!」仕方ないわね」

 …ひどく下ネタを出すのでこのお袋には十分注意である。

 ペペロンチーノをペロペロ○●○●と言ってしまう人だからな。

 ちなみにげんさんと呼ばれたのは家の親父である。 

 そして、俺は親父の元へ連れて行かれ、事情を把握すると無駄に最新式のスマートフォンを取り出しどこかに連絡を入れ一言。

「詩音、お前の戸籍変更しとくように言っといた」

 ……何者だよ親父。

 ちなみに親父がガラケーではなくスマホを使っているのかと言えばオタクな俺の影響である。

 ちなみに待ち受けは若き頃のお袋。

 それを見てたまににやける親父は……見慣れてはいるがちょっと退く。

「さすが絃さん」

 語尾に音符が付きそうな声で親父に抱きつくお袋。

 …何そのお前も抱きついても良いんだぞ?みたいな目線。

 親父の書斎である和室の机の上には少し古めのノートパソコンにライト、原稿用紙など色々なものが散らばっている。

 一応、親父は作家で結構な有名人だ。

 主に時代劇っぽい作風で中年層に受けているそうだ。

 中でも決闘シーンは本当にリアルですごいと思ってしまう。さすが本業。

 まぁ、そんなこんなで流れるように女として生活することになってしまった俺。

 


 ふと思う。

 

 ふつう怪しがるものなのだが、どうにもうちの家族は何処か抜けているらしい。



 で、一番の問題は兄貴である。

 結構なブラコンで御年26歳。

 若くして大手会社の子会社の社長に上り詰めたエリートで、お袋似。

 優しそうな見た目の優しい男なのだが、キレると怖い。本当に怖い。

 父を超える存在と言っていいほど怖い。主に力関係で。

 そんな兄貴の会社の姉妹系列のマンションに格安で一人暮らしをしている。

 と言っても兄貴の部屋が隣なのだが。

 何でも、一人暮らしの方が彼女とか呼びやすいだろと言われつつも心配だからと言って隣の部屋に兄貴が済むことに。

 防音とか、セキュリティとかネット回線的にも優秀なマンションだけどもしものことがあったら、とか言ってホントに心配性な兄貴である。

 そんな、人物に「女になった」と言っても寧ろ大歓迎。

 てきな反応をされるに違いない。

 まぁ、母の方から連絡を入れてもらうことにした。

 母がその事実を告げ10秒後。

 その声が聴きたいと言って興奮しているそうだ。

「あ、でも興奮してるからって食べられることはないはずよ」

「そんなこと聞いてねぇよ!」

 どうもすぐ下ネタへ持っていこうとする母さんを黙らせ、携帯を渡してもらう。

「もしもし」

『おお、愛しのマイブラザー!いや、でも今はマイシスターか。本当に天使の様な声で、こんな声で毎日起されたい…ちょっと今から録音するから、試に‘朝だよお兄ちゃん!早く起きないと遅刻しちゃうよ’と若干撫で声で―――【ブツッ】』

 相変わらずキモイ。思わず切ってしまった。

 いい兄なんだが少々ウザい。

 見た目は完璧なのにな。

 さっさといいお嫁さんを見つけてくれ。

 そしてほとんど時間をおかずに今度は俺の携帯に着信が来る。

『詩音はもしかして、直接起してくれるのかn「お兄様、さっさと仕事に戻ってください」嗚呼、そんなツンデレな詩音もお兄ちゃん大好きだy――【ブツッ】』

 こう言っておけばしばらくは静かになるはず。

 うん、はずだ。

 秘書さん、がんばって。

「相変わらず、私に似て演技派なのね」

「今となってはとてもいいものを受け継いだと思うよ」

「私のDNA受け継いでいるからなのかナイスなスタイルね」

 そう言われても、女性との関わり0の俺にはそんなことを言われてもわかる訳がない。

 二次元の女子との交流は常だけど。

「ちょっと、お母さんと買い物行きましょ?」

「え、ネットで十分」

 現代っ子を舐めるでないわ!

「詩音、来ないとお小遣い減らすわよ」

「バイトする」

「……ネット回線切るわよ」

「自分で契約」

 まぁ、ちょっと親父の名義を借りるけど。

「オタク品類捨てるわよ」

「あれは基本布教用」

「……我娘ながら隙がない!?」

 ふっ、つまらない討論をしてしまった。

 自立する引きこもり……何と言い響きなのだろうか。 

「あ、でもアルバイトって親の許可が必要よね」

「兄貴に頼む」

「…あなたがバイトするって言ったらあの過保護の侑弥が黙ってると思う?」

「ありえそうだからそれ以上言うのやめて!?」

 『詩音を働かせるくらいなら僕が一生養う』とか言いそうで怖い。

「さぁ、ママと一緒にイきましょう。いろんな意味で」

 こ、怖い。

 何かとてつもないレズな展開に持って行かれそうで怖い!

 って、親父無表情であさっての方向見ながら鼻血だすのやめて!


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