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青春短歌〜言葉にできない気持ちを、私たちは三十一文字にする〜  作者: 老川
一年生一学期

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12/16

コンクール結果と…

 コンクールの結果が部に報せられたのは、期末試験が終わり、間もなく夏休みが始まろうという頃だった。封を閉じられたままの小さな封筒を三上が部室の机の上に静かに置いた。


「よし、それじゃあ、開けるぞ」


 封筒にはさみを入れる三上を息をのんで見守る。心なしか三上の手の動きも遅い気がした。封筒から紙を取り出した三上が、内容を確認する。小さく息をはいた三上から結果が告げられた。


「…残念ながら、今回は落選だそうだ」


 三上の言葉に部室が静寂に包まれた。


 私は予想していたよりもその結果にショックを受けてしまった。別に、自分に特別な才能があると思っていたわけではない。それでも自分なりに全力を出し、それなりのものを作れた気でいた。それだけに、自分の短歌が評価を得られなかったという事実が重くのしかかってきた。


「みんなはよくやってくれていたし、今回は通ると思ったんだが…残念だ」


 慰めるような三上の言葉が耳を通り過ぎていく。まだ顔を上げて先輩たちを見ることはできなかった。


「しずくちゃん、あんまり落ち込まないでね」


 隣に座るひよりが肩に手を置いてくれる。


「しずくちゃんがとっても素敵な歌を詠んだことは私たちは知ってるから」


「ありがとうございます…」


 顔を上げられないまま、礼を告げるのが精一杯だった。


 紙をめくる音が聞こえた。


「ん?もう一枚入ってるな」


 三上の息をのむ音が部室に響いた。驚くほど大きな音に聞こえた。


「最優秀賞の作品だそうだ」


 その言葉とともに、机の上に一枚の紙が差し出された。私はあまり顔を上げないまま、窺うようにその紙に目を向けた。そこには名前と一つの短歌が書かれていた。


 ––––––最優秀賞

 ––––––壬生千春・夏の入りの歌

 ––––––射干玉の黒髪高く結はれけり風吹きすぎぬ夏来たるらし


 他人の言葉に嫉妬を覚えたのは初めての経験だった。

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