スライム侍(16)
スライム侍を尾行してきたグレーターダイカンの兵に囲まれたスライム侍とベニヤ!
「グレーターダイカンの御前で申開きするがいい!」
勝ち誇るグレーターダイカンの兵!
「いや、申開きするのはグレーターダイカンのほうだ!」
「何だとッ!」
「王都からコノエ家の使者が間もなくクサハラ村に来訪する……グレーターダイカンの化けの皮が使者の手により白日にさらされるだろう!」
「こいつ開き直ったかッ!」
激昂するグレーターダイカンの兵!
「こいつらを殺してしまえッ!」
グレーターダイカンの兵が暴力性を露わにした!
しかし、スライム侍はシェリアとの会話を思い出していた!
(シェリア殿は危機に陥った時にこのオフダ・タリスマンを使えと言ったでござる……今こそこれを使うときが来たでござるな)
スライム侍は意を決してオフダ・タリスマンをグレーターダイカンの兵に向けて投げつけた!
kaboom!次の瞬間、オフダ・タリスマンから煙が包まれ見えなくなった!
「見えないッ!」
煙で視界が不良になるグレーターダイカンの兵!
「今でござる! 秘剣スライム飯綱!」
その隙を狙ってスライム侍の秘剣が飛んだ!
「グワーッ!」
グレーターダイカンの兵は倒れた!
「ここから逃げるでござるよ!」
「逃げるってどこに!?」
「このままシェリア殿を救いに向かうでござる!」
スライム侍とベニヤは煙立ち込めるベニヤの屋敷から離脱しグレーターダイカンの屋敷へ駆け出した!
◆◆◆◆◆
「シェリアよ……味な真似をしてくれるじゃないか」
グレーターダイカンが卑しい視線の先には縛られたシェリアがいた!
「グレーターダイカン……こんなことをして許されると思っているのですか!」
シェリアは強い意思を感じる瞳で睨んだ。
「ククククク……このクサハラ村では俺が法律なんだよ」
「コノエ家から使者が来ます!」
「だから使者が来る前に全てを終わらせるのさ」
グレーターダイカンは不気味に笑った!