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異界の君を探す旅  作者: 御城こんぺい
プロローグ 編
6/9

第六話 導者

注・本作は、残酷な描写が含まれています。

15才以下の方は閲覧を控えることを推奨します。

「ん…ふわぁぁぁ…眠ぃな…」

!…俺は…寝てたのか?今のは夢か…?

ハハ…なんだ…夢かよ…

俺が眠っていた間に夜が明けたみたいだ。

知らぬ間に涙も目に浮かんでいる。

きっと…あくびだろ…多分だけど…

さて、学校だ。早く行こうか。


「あ、おはようございます」

「お、レンド君。早いね。鍵ありがとう。じゃ、そこの魔法陣から行けるから。

準備が大丈夫なら行ってらっしゃい。」

「行ってきます。」

行ってらっしゃいを言われるのは気持ちいいことだな。

今日も頑張ろうって思える。俺だけかな?


「お!おはよう!レンド君!」

元気よく教頭先生が出てきた。

「おはようございます。ええと、これからどこへ行けば…」

「あぁ。僕についておいで」


「さぁ、ここが初等部教室だ。頑張ってくれたまえ。フレーン君。

みんなー!こちらはレンド・フレーン君だ。みんな仲良くしてな。」


「エルシード先生、その子は?」

誰かが声をかけてきた。

「あぁ。フローネ先生。レンド・フレーン君だ。」

「レンド君。これからよろしくね。私はミシェル・フローネ。今日からあなたの担任です。」

「よろしくお願いします!」

「じゃあフローネ先生。頼みましたよ。」


「さ、レンド君はそこの後ろの席に座って。ほかのみんなが来るまで待っててね。」

周りには生徒たちが座っておしゃべりをしている。初対面ではない奴もいるらしいな。

中学の時は自分から会話できていたが、ここにきてなぜかモジモジして

なかなか会話に参加できない。

そんな時だった。

「ねぇ…君。」

その時は誰に話しかけたのかわからなかった。

「…フレーン君。」

名前を呼ばれてようやく気づいた。

後ろを振り返ると、俺と同じくモジモジした少女がいた。

「ア…こんにちは…。」

俺は何とか声を出す。

「どうしたの?えっと…」

ようやく普通の声が出た。

「私の…名前は…ヘルン・オルドー…」

「よろしく。オルドーさん。」

「…ヘルンでいいよ…あんまりその呼び方…好きじゃないから…」

「じゃあヘルンさん。どうしたの?」

「…君と…仲良くなりたくて…」

いきなり仲良くなって欲しいって言われたのは嬉しいけど…なんでだ?

「…君も…少し緊張してるから…仲良くなれるかなって思ったんだけど…嫌だった…?」

「いや、そんなこと無いよ!僕も自分から話しかけずらかったから助かったよ!」

そう言った瞬間、彼女の顔がパッと喜びの顔に変わった。

よほど緊張していたのだろう。まぁ僕…俺も緊張してたから助かったのは本当だ。

この子から仲を深めていくのもアリだと思った。

「…そろそろ授業始まるみたいだから…席に着こう…」

緊張してるからこの喋り方なのかと思ったが、普段からこれらしい。

っと思った矢先、ヘルンさんは俺の隣だった。

ってか何だこれ。ラブコメの展開かよ…

でもヘルンさんは、とにかく可愛い。美しいというよりも、可愛いというのが合っている。

透き通った水色の髪の毛で、多分水属性何だろうなと思った。

ローブのサイズが少し大きくてブカブカのようだった。


「それでは、属性ごとに並んでください!」

炎、水、雷…と属性が書かれた立て札の前に生徒たちは整列する。

「あ、レンド君は私のところにきて。」

案の定ヘルンさんは水属性らしい。

(ん?無属性って何?)

(あの子だけなんで並んでるの?)

(魔法が使えないとか?)

色々な人のひそひそ声が聞こえる。

なんだ?俺、やっぱりすごい…?


「さて、属性別にグループでこれから西館に移動します!」

ということはやっぱり…

転移(テレポート)!」

足元に魔法陣が形成され、一瞬で西館に飛んできた。

ここの先生はみんなテレポートが使えるのだろうか。

西館…魔法訓練施設だ。魔法実習室って言った方が早いな。

「それでは、それぞれの属性の担当の先生に教えてもらってくださいね!」

いつの間にか他の先生も転移してきている。

「それじゃあ、レンド君には火水雷土風の属性魔法をレベル3まで教えるよ。」

やった。個人授業だ。いわゆるマンツーマン指導…だっけ?いろいろ聞けるぞ。

「それでは、炎魔法から…」


今日習った魔法は5つ。


炎魔法レベル1「火炎(フレア)」消費魔力 8

物質を炎に包みこんで攻撃する魔法。(相手に体が触れていなければ使用することができない)


水魔法レベル1「水砲(アクアブレッド)」消費魔力 5

弾丸のような速度で水塊を放つ魔法。(散弾するため命中率が少し低い)


雷魔法レベル1「雷撃(エレキサンダー)」消費魔力 4

電気を流して相手を感電させる魔法。(感電の威力は強いが、一人を失神させることしかできない)


土魔法レベル1「壁礫(ウォール)」消費魔力 7

地面の素材で簡易的な壁を創り上げる魔法。(1分経ったら壊れる。)


風魔法レベル1「巻風(トルネイド)」消費魔力6

突風を起こして吹き飛ばす魔法。(攻撃力は皆無)


俺はどれも習得することができた。

それも1日でだ。やっぱり俺、魔法の才能あるんじゃね…?


でも、次の日からは違った。俺は…

魔法がレベル1までしか覚えられなかったのである。


「なんでだよ…なんでレベル1までしか覚えられないんだ…」

「ま、まぁ…レンド君…もう少し練習してみよう。」

もう…「渦火(ヴォルファイア)」は何度も試したが…

習得することはなかった。

そこで思った。俺には魔法の才能は…


ほぼ無いのだと。


「レンド君…大丈夫…?辛そうだね…」

ヘルンさんとは毎日放課後に中庭で話す。

彼女はとても魔法の才能があり、順調に習得しているようだ。

「えっと…今日はレベル4まで覚えたんだ…

威力が強くて才能があるって…ほめてくれた…私の魔力48まで増えたみたい…

…ところで…レンド君の魔力はどのくらい上がったの…?」

そうだ。俺はまだ自分の新しいステータスを見ていなかった。

解視(ビジョン)

俺は魔法学校に行く前、マートンさんに少し教えてもらっていた。

今なら発動できる。


すると、ステータスが表示された。

「やった…成功した…!」

「すごい…すごいよ…レンド君…魔術を習得するなんて…」


属性:無 

攻撃力:6 防御力:4 魔力:30

習得魔法:炎・水・雷・土・風 レベル1


お…魔力が2倍に増えている。

攻撃や防御力も成長したことでほんの少しだが上がったみたいだ。


「…私のも見ていいよ…」


属性:水

攻撃力:2 防御力:2 魔力:50

習得魔法:水 レベル4


「魔力少し上がってるよ。50もある!すごい…ヘルンさんもすごいよ!」

「えへへ…ほめられると照れるなぁ…」


その瞬間だった。


ウォーン!ウォーン!

緊急事態発生!緊急事態発生!生徒の皆さんは校舎に集まってください!

繰り返します!緊急事態発生!緊急事態発生!生徒の皆さんは校舎に集まってください!


「何!?何が起きてるんだ?」

「レンド君…!早く校舎に入ろう…!」

俺はヘルンさんに連れられて校舎に入る。

「全員無事か?」

「あと…と…と…がいません!」

「何てことだ…」

先生たちがかなり焦っている。

「生徒会!生徒会はいるか?」

「これは何事ですか、教頭先生。」

いきなりローブを肩にかけためっちゃ頭がよさそうな女の人が現れた。

白髪で、紫色の瞳をしている。ボタンを閉めずにローブを羽織っているようだ。

後ろにも5人ほどいるようだ。

「おぉ!エレシア君!」

エレシア…って誰だ?

「…見て…レンド君…エレシア会長だよ…学校一の魔法使いなんだって…」

「学校で一番強い人なの?」

「うん…」


「エレシア君…どうやら予言が的中してしまったようだ…クラメル様の…」

「そうですか…これは大変なことになりましたね…」


「予言って何のこと?」

「…偉大なる大魔術師…クラメル様はこの世の未来の予言をいくつか残しているんだ…

例えば…多分今回の事件…『300年後、大厄災が復活する。』っていう予言が当たったんだと思う…

本当に大変なことが起きてるんだよ…レンド君…」

「大厄災って何があったの?」

「…書物に書き残されているものだから真実かはわからないんだけど…『侵略者が各地を征服し、天変地異が起こり、大地は地獄と化す。』みたいな感じらしいよ…」

侵略者?天変地異?とんでもねぇものなんだなってことは分かったが…俺たちは大丈夫なのかよ…?


「校長が不在の今…私たち生徒会と先生とで魔法結界を援護する必要があります。

「ああ。了解だ。」

その時、エレシア会長はこちらを振り返った。

「皆の者!我は会長、エレシア・スカバーン。

現在、侵略者がこちらへ進撃中だ。だが、我々が必ずや食い止める!

魔法結界は破れることはない!大魔術師クラメルの予言、大厄災は必ず食い止める!以上だ!」


「現在の状況は?」

「会長、現在4体の、魔獣がこちらへ進撃中です。どれも危険レベルは最大。これでは私たちの力では…」

「そうか…何か策は無いものか…」

「そして現在、王国護衛騎士団もこちらに加勢するそうです。

しかし、すでに30km先には侵略が届いた村も複数あり…かなりの惨状だったと…」

「ふむ…今からでも遅くない。ヴェンロー、半径20kmの人間をここに転移(テレポート)させろ。」

「了解です。私の魔力量なら問題ないでしょう。」

転移(テレポート)!」


まぶしい光があたりを包み込む。

一瞬で「半径20mの人間」をテレポートさせることに成功。


「ここは…?」

「あれ…さっきまで逃げていたのに…」

「ここは…魔法学院か…?」

「危なかった…突然家が燃え出したんだ…」


「突然のこと失礼いたしました。私はベネドフ魔法魔術総合学院生徒会会長、エレシア・スカバーンです。半径20kmの人間全員を魔法学院に転移(テレポート)させていただきました。

この中で、魔族を見たという方はいませんでしょうか?情報提供をお願いしたいのですが…」

「…確か…大きな鳥に襲われたのじゃ…」

「あなたは…隣村の長老、アンドリュー・デオン様ですか?…!どうされたのですかその大ケガは!?」

「いかにも。…それはいいが、あ奴はあれだ。怪鳥ファルシオン…伝説の魔獣じゃ。」

「怪鳥ファルシオン…?」

「あぁ…王国資料館に伝承が乗っていた…わしは奴と戦闘中じゃったがあまりの強さに…足と手を斬られれ…横脇腹を刺された…奴はもうすぐここにやってくる…早く逃げ………」

ドサッ


「キャアアアアア」

「どうしたのだ!?」

「まさか…亡くなられたのか…?」


「くっ!早くシスターをお呼びしろ!担架で運べ!慎重にな!」

「それで…他に情報提供される方は?」…



情報提供で出てきた事実…

それは…現在4体の伝説の魔獣が接近中であり、すでに半径10km先の村は滅ぼされているということ。

そして…

王国護衛騎士団が戦闘中に入ったということだ。

今日の、魔法図鑑!

今日はコレ!「~属性の相性~」

って魔法じゃねぇのかよ…まぁいいや。

属性にはそれぞれ相性がある…ってのはベタなことだが、一応説明しておこう!

…炎→水→雷→土→風→炎のサイクルで不利有利となる!

炎は水に弱い。水は雷に弱い…のような感じだ!

でもこういうのって本当によくあるよなー

魔法はあればあるほど面白れぇ!そうだろ?

それじゃあ、また次回もよろしくなッ!

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