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第9話  少年が去り逝くにはまだ早すぎて

本来ならば一話で構成していたのですが、長くなったので二つに分けました。こちらが前編です。


……さあ、大変だ。何が大変かというと、新たにサブタイトルを考えるのが……!


「……さて、どうしたもんかねぇ」


 少年が去っていった方向を眺めながら、俺は呟いた。視線の先には森が広がっている。

 彼の言う事を信じるのならば、トイレに向かったのだろうが……。


「――起きてるんだろ、ミラ?」

「まあ、ね」


 荷車の方へ声をかけると、ミラがひょっこりと顔を出してきた。やはり今の少年の行動に、何か思うところがあったのだろう。荷車から降り、俺の横に並ぶ。


「あんな風に気配を隠して歩かれたら、誰だって起きるわよ。――隠し切れてないし」

「まあなぁ。あんな忍び足をされたら、今からどこかに逃げますよって言ってるようなものだよな。――隠しきれてないし」


 俺達はお互いに苦笑の表情を作りながら、目を合わせる。

 やはり、考えていることは一緒だったようだ。

 どうやらあの子は自分の気配を消そうとしていたようだが……。はっきり言ってバレバレだった。むしろ逆に、自分の存在をアピールしてしまった感がある。


 ――普通に歩いていた方が、バレにくかったはずなのになぁ。


 まあ、それも済んだことだ。俺は再び焚火の下へと座り込み、勢いが弱くなった火の中へ木々を投入する。

 本当ならばあの子を王都まで連れて行こうかと思っていたのだが、少年自身が俺達から離れるという選択をした以上、俺達にはこれ以上関わる義理もないだろう。それがあの子の選んだ道なんだから。


 ――盗まれた物も特にないようだしな。

 

 まあ、ミラが密かに監視していたから心配はしていなかったが。


 ――いや、違うな。


 一応、心配はしていた。……しかしそれは荷物を盗まれる心配などではなく、荷物を盗んだことに対して怒ったミラが過剰なまでの報復に移らないかという心配であったのだが。


「……?なに?」


 チラ、と向けた視線に気づいたミラが疑問を投げてくる。


「……いや」


 墓穴を掘るような真似はしない。俺は目線を外し、誤魔化す。

 ……ともあれ、俺達に出来る事は、これから味わうであろう過酷な人生をたった一人で生きていくあの子の幸運を祈ることくらいだろう。

 火の勢いが強くなってきた。パチパチと音を上げて、火の粉が空へと上がっていく。


「どうした、ミラ?なんか気になることでもあるのか?」


 座り込んで再び寝ずの番を再開した俺とは異なり、ミラは未だに森の方へと視線を向けていた。何やら考え事をしているようだが……。


「いえ、何であの子はわざわざ森に逃げていったのかなと思って」

「それは――俺達に捕まらないようにするためじゃないか?」


 俺達には彼に害を与えるつもりなんてさらさら無かったのだが、あの子が俺達をどう思うか、どんな人柄だと思ったかに関してはまた別の話だ。

 もしかしたら俺達の事を信用していなかった可能性がある――いや、むしろ高い。案外、奴隷商人か何かだと思われていたのかもしれない。


 ――自分が奴隷として売り飛ばされるかもなんて考えたら、そりゃあ逃げるよな。


 無理もないやと、俺は苦笑を洩らす。


「でも、夜の森は危険なのよ?暗いから迷いやすいし、魔獣がいるかもしれないし。どう考えても自殺行為だわ」

「それは――この森の事を熟知してたからじゃないか?ほら、例えばここは地元の森で、よく村から出ては遊んでいたとか」


 仮にこの森が少年の村の近くに広がっていたのならば、あの子がこの森の地理について詳しくてもなんらおかしくはない。

 ……アレ?ちょっと待てよ?


「ちょっと待って。あの子の村は盗賊に襲われたのよね?」

「ああ。だとすると――」


 俺は改めて森へと視線を向ける。おいおい、もしかして……。


「ミラ。盗族って、村を滅ぼしたらすぐに引き上げるか?」

「……時と場合に寄るわね。その近くに兵士がいるような大きな町があれば別だけど……。今回みたいに、地図にも載ってないような村の場合は――」

「まだ、その村に残っている可能性が高いわけか……!」


 ……大変だ。下手したら、あの子が盗族と遭遇してしまう可能性があるわけだ。


「――追いかけよう」

「ええ」


 話し終えるやいなや、俺達はそれぞれの行動へと移っていく。

 俺は身体に強化魔法をかけ、双剣を手に森へと走り出す。

 ミラは荷車から何やら怪しい物体を取り出し、それを馬車の四方の地面へと置いていく。

 ……俺達の両方がこの場を離れている間に、魔獣に馬車が襲われるなんてことの無いように、

ミラは馬車への結界魔術を張る準備に取り掛かっていた。

 魔法ではない。魔術だ。似ているようで、両者には明確な違いがある。

 それが、さっきミラが地面に置いていた怪しい物体――通称、魔力媒体。

 ……術者の精神に応じて発動する魔法とは違って、魔術は魔力媒体を通して発動する。 

 そのため、魔法とは違って魔術は応用が効かない。その使用する魔力媒体によって発動する魔法は決められているからだ。それはつまり、もしも異なる魔術を使用するのであれば、それに応じた魔力媒体を持ち歩かなければならないことになる。準備にも手間がかかることから、魔法が扱える者は大抵の場合、魔法を使用する。

 

 ――威力の方も、どうしても魔術の方が魔法よりも見劣りしてしまうしな。


 だが、これにも当然ながら利点はある。

 一つは、魔法よりも遥かに使用する魔力が少なくていいこと。魔力媒体に起動するだけの魔力を通せば、後は起動した魔力媒体が勝手に魔素を変質させてくれるのだから、魔力はほとんど使用しないのだ。

 故に、魔族よりも魔力においては数段劣る人族においては、むしろこちらの魔術の方がポピュラーだったりする。

 そして二つ目。これは一つ目の理由とも関わってくるのだが、今、ミラが準備している結界のように、一定時間以上その場に発動し続ける物においては魔術の方が魔法よりも優れている場合がある。

 それは、魔法の場合は常に術者がソレを維持していなければならないが、魔術の場合は発動さえしてしまえば、後は勝手に媒体が維持してくれるという点。

 今回の場合で例えてみよう。

 ミラは結界を張り終えた後に少年を探しに出かけるわけだが……。

 これがもしも魔法だった場合、捜索中も常に結界の維持に意識を向けなければいけないわけだ。だが、魔術ならばその心配はいらない。意識の全てを捜索へと向ける事が出来る。

 これが、ミラがわざわざ時間のかかる魔術で結界を作り出そうとしている理由だ。

 ちなみに、これさえ使っていれば寝ずの番なんていらなそうだが、実際はそう上手くはいかない。

 総じて魔力媒体は高価たかいのだ。故に、俺達も含むほとんどの冒険者は、やはり寝ずの番を立てるのが常識となっている。

 閑話休題。


「先に行ってて!すぐに追いかけるから!」

「分かった!」


 ミラの言葉を背に、俺は森へと走り向かう。

 少年の無事を祈るばかりだ。






「迷った……」


 勢い込んで森に駆け込んでみたはいいものの。少年を見つけるどころか、自分が森に迷っているこの有様。


 ――はあ、情けない。


 ……夜の森の危険度は、想像以上に高かった。幸いなことに魔獣には遭遇していないからいいものの、この森にもしも魔獣がうじゃうじゃと生息していたならば、きっと俺の命はなかっただろうと思う。

 ただでさえ暗い視界に加えて、足場の不確かさ。更には地理が分からないから逃げ出しようもないとくれば、どこからどう見ても俺は、この森に迷い込んだ餌にしか見えなかっただろう。


「しっかし、いないなぁ」


 脚力を駆使して、俺は枝から枝へと飛び移る。強化魔法をかけていなければ到底出来ない行動だ。

 飛び移った先で下へと視線を向ける。

 ここにもいない。いったい、どこへ行ったのだろうか。


「こういう時、下を探しながら移動できたら捜索もはかどるんだけどなぁ……」


 ……最初はそうしていたのだが、それだと移動自体への注意が疎かになってしまうのでやめた。もっと具体的に言うと、木への衝突を三回、足を踏み外すこと二回。

 当然ながら俺は命の危機を感じたので、この捜索方法は封印した。

 今の俺の探し方は、移動し終わったら足を止め、それから周囲に目を向けるという方法だ。一々足を止めなければならないので、その分、時間をロスしてしまっている。


「ヤレヤレ。――ん?」


 そこで、俺は気づいた。微かに気配がする。何かの気配がする。


「生き物ではない、な。……なんだ?」


 それが少年の気配ならばよかったのだが、そうではないようだ。俺は目を瞑り、気配がした方向へと意識を伸ばす。

 少しでも遠くに、少しでもその気配の正体が分かるように、俺は意識の糸を伸ばしていく。

 やがて、意識の糸はその気配の元まで辿り着いた。


「――魔法?」


 それは、魔法の気配。

 だが、と俺は思う。どうして、こんなところで魔法の気配がするんだろうか。

 ミラかとも思ったが、それは違う。この気配は、結界のようなものではない。むしろ、敵を攻撃するかのような鋭い気配だ。

 そこまで考えて、俺はある答えに辿り着いた。それは、寝る前に少年に渡したナイフ。

 普通のナイフと違って魔法が込められているから、『他とは少し変わっているナイフ』だなと思っていたが……。

 もしも、そのナイフから魔法を放つことが出来るのだとしたら?


「もしかしたら……」


 この考えが正しければ、この気配の先に少年がいる。


 ――急ごう。


 俺の考えは正しくはないのかもしれない。間違っているかもしれない。

だが、どちらにせよ他に判断材料はないのだ。ならば、その可能性に賭けてみるのも悪くはない。少なくとも、このままでいるよりはマシなはずだ。


 ――急ごう。


 それよりも、もしもこの考えが正しかった時のことの方が心配だ。

 ……それはつまり、少年がナイフを使っているということだから。何かと戦っているということだから。

 その気配は未だ止まない。今尚、魔法は放たれ続けている。


 ――急ごう!


 俺は一心不乱に、木々の上を跳んでいく。






 結論からいえば、俺の考えは半分正解で半分間違っていた。

 ……ナイフに込められた魔法を発動しているのは、細い神経質そうな男。そして、魔法が放たれる先には、さっきの少年が寝転がっている。

 その姿はもはや、ボロ雑巾としか表現が出来ない。全身を刻まれて、服はボロボロ、身体はズタズタ。かすかに動くから、まだ息はあるらしいが――生きているのが不思議なくらいだ。


「――っ!」


 木々の先から微かに見えるその光景に、俺は身体に、脚に、より一層の加速を命じた。今までよりも更に速くなる俺の速力。

 だが、まだ遅い。まだ足りない。

 ……ナイフが隣の男に手渡った。どうやら、全員で交代しながらあの子をいたぶっているらしい。


「ちっ!」


 苛立ちを通り越して吐き気がする。

 下卑た笑いを浮かべた筋肉質の男が、何かを言っている。何を言っているのかはこの距離では分からないが、その言葉に少年は反応したようだ。ゆっくりと、その身体を起こしていく。


 ――もっと速く!


 森を抜けるまで、もう少し。

 だが、外に面した最後の枝を踏みしめた時、筋肉質の男はそのナイフをゆっくりと振り上げた。ナイフの刀身が、月の光を受けて鈍く輝く。


「――まさかっ!!」


 俺は、男が何をするのかが分かってしまった。脚の筋肉を最大限に酷使し、太枝を踏みしめる。

 そして、ミシミシと軋む音を背後に全力の跳躍を開始した。

 ……それは、跳躍というよりも滑空に近いだろう。それは、滑空というよりも落下に近いだろう。


「ほら、ちゃんと受け取りな!!」


 真っ直ぐに斜め下――少年の下へと飛び降りていく俺の目に、男がナイフを投げ放つ光景が飛び込んでくる。


 ――間に合え!


 真っ直ぐに少年の下へと風を切って突き進んでいくナイフに向かって手を伸ばし、


「――っ!」


 間に合った。ナイフを掴み、俺は着地する。

 飛び降りた勢いをそのままに着地した結果、轟音と砂煙が辺りに飛び散った。


「……ああ。ありがたく受取っておこう」


 内心でナイフを受け止められたことに安堵しつつ、目の前の男達に向かって言葉を吐き捨てた。もっとも、このナイフは元々少年の物なんだがな。

 腰の赤剣を抜き放ち、男達へ牽制する。そのままの姿勢で振り返れば、背後の少年は目を瞑っていた。

 その満身創痍な姿を見て、俺の自責の念は更に強くなる。もっと早くここに駆けつける事が出来ていれば、彼をこんな状態にはさせずに済んだというのに……。

 ゆっくりと、少年が瞼を開けていく。俺は少年に向けてゆっくりと、今度は怖がらせることがないよう慎重に、頬笑みを浮かべながら、


「遅くなってごめんな。大丈夫か?」


 少年の目が大きく見開かれた。俺がこの場にいることに驚いているのだろうか。

 彼の命の灯がまだ消えていないことを確かめた俺は、目前の男達へと視線を戻していく。

 盗族の数は……6人か。もしかしたらここにいないだけで、もっと数は多いのかもしれない。


「テメエ、何者だ!」

「…………」


 突然登場してきた俺の姿に戸惑う盗賊達が、唾と共に言葉を飛ばしてくるが……何とも陳腐な台詞だ。

 俺は鼻で笑うことで返答と為し、少年に向けて治癒魔法を放つ。

 光が闇夜を斬り裂いて少年を覆っていくが……少年の身体には大した変化が現れない。

 せいぜい止血が出来た程度か。どうやら俺ではここまでが限界らしい。


「すまないが、もう少し待っていてくれ。ミラが――あの姉ちゃんが到着したら、治療してあげるからな」


 本当なら今すぐにでも治療してあげたいところだが……他人すらも治療を施せる治癒魔法はミラにしか扱えない。彼女を待つしかないのだ。

 俺は掴み取ったナイフを懐に仕舞い、赤の魔剣を両手で握りしめる。

 ようやく正気に戻ったのか、盗賊達は突然の訪問者――俺へと警戒の念をぶつけてきた。

 先頭に立つ、さっきナイフを少年に投げてきた男が、俺に向かって口を開いてきた。おそらくコイツが親玉といったところだろう。


「て、てめえ、魔法使いか!?」

「……だったらどうする?」


 最も、俺は似非魔法使いなんだが――、それを言う義理は無いな。

 俺が魔法使いであると聞いて、表情が真っ青になる男たち。ニヤケ面だったり青ざめたりと、忙しい奴らだなと思う。

 もう一度振り返って、少年の安否を確認する。

 ……衰弱している。急いで治療を施さなければ、命に関わるかもしれない。

 時間を無駄にしている場合ではない。早くミラの下へと向かわなければ……。


「なあ、提案なんだが。俺達が悪かったよ。もう、手出しはしないからさ。だから、見逃してくれないか?頼むよ」


 盗賊の親分らしき男がへりくだって話しかけてきた。わざわざ揉み手までしているところに、彼らの余裕のなさが表れているようだ。

 さて、どうしたものだろうか。

 もしも彼らの言葉が本当ならば、互いに手出しをしない方がいいだろう。少年を一刻も早く治療しなければならないからだ。悠長に戦っている時間など、俺達には無い。

 最も、納得できるかと言われれば間違いなく答えは『NO』なのだが。


「…………」


 俺が迷っていると、男達は各自の武器を落として命乞いをしてきた。どうやら、恥も外聞もないようだ。


「なあ、頼むよ?この通りだ。武器も捨てた。あんたに挑むつもりはねえ。だから、な?」

「――分かった」


 そのあまりにも惨めな姿に、俺は剣を降ろす。少しでも時間が惜しいということもあるが、彼らの哀れな姿を見ていると戦う気が失せてしまったというのもある。

 ホッと胸を撫で下ろしている盗賊達に向けて鋭い視線をぶつけつつ、俺は少年を片手で抱きかかえる。

 流石に剣は右手に握ったままだ。いくら俺でも、そのまま彼らに背中を見せるような真似はしない。

 六人に不審な動きはないかと常に気を配りつつ、俺はゆっくりとその場を立ち去る。

 その時だった。


「だ、駄目だよ……あいつら、嘘をついてる」

「嘘……!?」


 少年の掠れた――だが、俺に危険を告げる呟きに続いて、襲いかかる殺気。

 殺気が放たれた方向は右後方――死角からだった。


「チッ!!」


 殺気の正体は分からない。確認する余裕もない。

 猛スピードで迫りくる殺気に対して舌打ちを打ちつつ、俺は身体を右に強引に捻じる事でそれをやり過ごす。

 左頬を掠める灼熱感と共に、殺気が通り過ぎていく。完全には避けきれなかったらしい。

 殺気の塊が地面に突き刺さる。……その正体は矢であった。先端部分が微かに赤く染まっている。


「惜っしいなぁ!もう少しでアイツの頭に突き刺さる所だったってのによぉ!」


 ……先程までのしおらしさはどこへ行ったのやら。

 俺が負傷したのを見た途端、奴らは再び元の調子を取り戻していた。地面に落としていた武器を手に取り、リーダー格が話しかけてきた。


「運が良い奴だな、え?」


 その言葉は、俺が矢を避けた事を指しているのだろうか?だったら、見当違いもいいところだ。

 なぜならば、避ける事が出来たのは運がよかったからではなく、今も俺が左腕で抱え続けているこの少年がいたからだ。

 確かにあのタイミング、あの角度から放たれた矢は、通常の俺ならば避けきれずに当たっていただろう。いや、そもそも殺気に気づけたかどうか。

 だが、今回はその限りではない。

 彼の言葉が無ければ、俺は今頃頭を矢に貫かれ、物言わぬ屍になっていたことだろう。

 助けに来たはずが、逆に助けられてしまうとは。俺もまだまだということだな、ヤレヤレ。


「だが、お前の運もここまでだ!見回りに行ってた奴らも戻ってきたからな!流石の魔法使いも、この数には勝てねえだろ!!」


 相も変わらず耳障りな声を上げる男だと思う。


 ――七、八、九、十……弓を持っている奴らも含めれば、十五か。


 やがて集まってきた盗賊達は、元の盗賊達と合流し、その数を倍以上のものとしていた。その内、弓を携えた二人以外が俺達を取り囲むように移動し始める。

 ……完全に、囲まれてしまったな。さて、どうしたものだろうか。

 頼りのミラはまだ現れない。俺と同じで、森に迷っているのだろうか?だとしたら、しょうもないぞ魔王様。


「しかし、困ったな」


 ミラの助けが望めないとすると、俺は一人でここにいる全員を相手取らなくてはいけないことになる。

 眼をギラギラと殺気で輝かせている男達が一五人。対するは、片手に子供を抱えている男が一人。


 ……積んでない?


 とはいえ、俺には戦う以外、他に術はないわけで。ならば、自分に出来る最大限の事を為すのみだ。

 足に力を込め、少年を強く抱きかかえる。


「――殺せ!」


 頭領の言葉をきっかけに、俺達は動きだした。

まだまだ物語の導入部分ですので仕方がないとは思いますが、ポイント等が伸び悩んでいます……。

どうしたものか……。

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