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ただ、眠れ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

付き合ってない男女が添い寝するシーンがあります。

苦手な方はご注意下さい。

「今から私は誠実さを捨てる」

私の前に仁王立ちした彼女はそう宣言すると、眼力のこもった目で見下ろした。風が吹き付けて、黒の長髪がたなびく。彼女の強い意志を肯定する様、強く、強く音を立てて暴れていた。しかし次の彼女の行動は余りにも甘美な響きと共に行われた。

「疲れた顔をしている。とっても」

「は……?」

縁側で俯いていた私の体の上から覆い被さり、そっと髪を撫でる。さり気なく後ろに手を回し、顔の位置を調整する。丁度肩に顔が隠れる様に。其れから聖母が赤子をあやす様に、子守唄を歌い始めた。何処かで聞いた事がある、ハイトーンだった。

それから先の事は覚えて居ない。ただ落ちる様に意識を手放した。


次に目を覚ました時には自分のベッドの上にいた。何だか柔こい物が体に纏わり着いている気がする……。其れは寝返りを打つのを拒み、ぎゅっとしがみついていた。

「おはようさん。目が覚めたかな?」

「え……あぁ……まぁ……」

歯切れ悪く答える私に対して、彼女はにっこりと微笑んで首周りに抱き着いた。

何故……此処に居るのだろう。昨日……確か私は彼女に相談をして……其れから、其れから……。そうだ。気を失った様に眠りに着いたのだ。

今日は……答えてくれるだろうか……? あの問い掛けに。

「ごめんよ。君、凄く追い詰められていたみたいだったから。あんな時に誠実な対応をしたら、間違いなく私は君の心を折っていた。まぁ、言わば闇堕ちルート爆走って奴だね。筋の通った論は会話に必須だが、今はそれより共感の方が大事だよ」

「何を言っているか……」

耳元で繰り広げられるのは軽薄な言葉の羅列。道化師と禅問答を繰り返しているように、内容画が全く掴めない。一人戸惑う私を揶揄うように彼女は背を叩いた。励ます。というよりかは、相手の心を落ち着ける様な優しい叩き方だ。

「私は何時だって、相手が決めた事に口出しをするのは嫌なタチなんだ。其れが小さかろうが、大きかろうが相手の道に口出ししない。そう言う生き方をしてきた。でもね」

抱き締めていた体は、ぐっと距離を取られる。片方の手で肩を掴まれて、もう片方で顎を掴まれた。昨日の夜に感じたあの虎の視線。捕食者の目。其れが私を捉えて離さない。

「疲れきった状態で、殺したいとか、死にたいとか、そんな極端な話をするもんじゃない。其れは絶対、後悔を招く」

「…………さん」

涙が溢れて来た。感情の抑えが聞かなくなって、静かに嗚咽を漏らしていた。そんな私を受け入れる様に、また抱き締めてきた。

あぁ、私は……疲れていたのか。

「今は休みなさい。後のことは考えず、ただ眠れ」

自分の気持ちに嘘を吐かない。

でもその気持ちを飲み込んで、はぐらかして進めるから、「誠実さを捨てる」なんです。


まぁ、其れは置いといて。


何か重たい決断をする時って、人生で沢山あると思います。生きるか死ぬか。それが問題だレベルの。

でもその時、追い詰められた状態で、疲れ果てた状態で、決断するのは少し待って欲しいなぁと。


満ち足りた状態と、追い詰められた苦しい状態とでは、また違って来ると思うので。

とりあえず、時間があるなら休んで、眠って、焦らないで、他のこと(明日の夕飯とか)考えられる様になったらすれば良いんじゃないかと。

わざわざ修羅の道歩く必要なんか無いんですよ。


また書きたいことあったら失礼します。

死神夫婦の話はとりあえず。

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