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箱シリーズ

何が入っているか分からない箱

作者: リィズ・ブランディシュカ



 とある部屋の中央に、小さな箱があった。


 その部屋の中には何もない。


 ただ小さな箱があるだけ。


 その箱は、大人の手の中にすっぽりと入るくらいのサイズだ。


 その小さな箱の中には、何かが入っているらしい。


 時折りその箱は動いて、ごとごとと左右に揺れていた。


 その箱の中に、何が入っているのか分からない。


 しかし、部屋の外の人々は「箱の中には危険なものが入っているに違いない」と思っていた。


 だから、箱は誰もいないこの部屋の中にあった。


 箱の表面はつるつるしていて、温かくも冷たくもない。


 その情報では、中にあるものを推理する事はできなかった。


 だからずっと誰も箱の中身は分からない。


 やがて箱は、なぜか大きくなる。


 大人の頭ほどのサイズになって、体ほどのサイズになって、最終的には部屋のサイズに迫るほどになった。


 あともう少ししたら、部屋よりも大きくなってしまうかもしれない。


 そう思った部屋の外の人々が、何日かぶりに部屋を開けて中に入った。


 箱を別の部屋に移動させるためだ。


 しかしその瞬間、箱はごとりと音を立てて、猛烈な勢いで転がっていく。


 そして、捕まえようとした人々を潰して転がりぬけ、部屋の外へと出て行ってしまった。


 それきり、箱の姿を見た者はいない。


 全く関係のない事だが。


 近隣では、なぜか箱のような帽子をかぶった少年がよく目撃された。



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