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騎獣転生  作者: 赤月 朔夜
第02章 護送任務
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第020話 合流

 その後、ジェフリーさんはレントナム様の元へ戻ると言って部屋を出て行った。


 それから2日をその家で過ごした。レクシス様は薬を調合してレントナム様に与えているらしい。火事が起こった日から今日までおかしなことは起こっていない。

 まぁ、私は基本的に客室にいるから他の部屋や外で起こっていることはそう分からないんだけどね。

 それでも騒ぎが起こったらさすがに分かるから今のところは平和なのだろう。


 ドルフは主にレクシス様の護衛をしている。レクシス様を守ることがドルフの任務であるため、私はずっと部屋にいる。たまに体を起こして動かしているけどそろそろ思いっきり走り回りたい。


 そして3日目の昼になった。

 部屋には昼食を食べているドルフとレクシス様がいる。

 私は先にご飯をもらった。


 ドルフが先に食べ終わり、レクシス様も食べ終わったタイミングで部屋の扉がノックされた。

 やってきたのはジェフリーさんだった。


「レスターさんたちが到着しました」


 途中で別行動になったレスターさんたちが到着したらしい。

 そこで何があったかをお互い報告する機会を設けるという。

 私はレクシス様と部屋で留守番だ。


 今更だけど肉食の私と一緒の部屋で寝泊まりするって凄いよね。

 私なら2人を襲わないって信じてくれているんだろうな。


 ドルフが部屋から出て行って約1時間が経った。

 部屋の扉がノックされてレクシス様が返事をするとドルフが部屋に入って来た。


「夜間、フレイ殿が眠っていたマルコス殿に襲い掛かり、失敗すると姿を消したとのことです」


 ドルフの報告は静かに行われた。


「支給された点火棒に細工がされていて使用した時に居場所が分かるようになっていたとのことです。点火棒を持っていたのはマルコス殿で、調べられてはまずいからと狙われたのかもしれません。マルコス殿は無事です」


 寝ている時に襲われたのに無事だったっていうのは凄いね。

 裏切者がいるということが本当だったことで悲しい気持ちになる。


「ただ、まだ内部に裏切者がいる可能性は濃厚で警戒と調査は続けるとのことです」


 確かに1人だけでここまでのことをするとは考えにくい気がする。


 そんな感じでドルフは報告を終えた。

 ドルフはレクシス様の護衛として一緒にいる必要はあるけど、うちの騎士とも合流したことで運動の一環として私は部屋の外へと出ることができるようになった。


「よし、じゃあ行くか」


 うちの騎士、カイルが私の手綱を引いて家から出る。久しぶりの外にテンションが上がる。

 カイルはグルの相棒だ。速く走ることが好きなグルの相棒らしく、彼も速度を出して走ることが好きだ。モヤモヤした気持ちがあるからこそ、今は走り回りたいのでありがたい。


 期待した通りカイルは私が満足するまで平野ダッシュに付き合ってくれた。

 そうは言ってもカイル自身も楽しそうにしていたので彼も彼で走りたかったのだろうと思う。


 河原へと到着すれば水を飲んだり休憩をする。

 まだ走り足りなそうにしていたカイルはさすがグルの相棒だと感じた。


 休憩を終えると町に戻って家へと帰った。


 そして夜、眠っているとコンコンという音が聞こえて目が覚めた。扉ではなく窓を叩く音でドルフも目を覚ましてレクシス様を起こしているところだった。

 何かあっても良いようにレクシス様に近寄ってドルフとレクシス様に結界を張っておく。探知魔法を発動するとマルコスの反応があった。


「誰だ?」

「俺です。マルコスです」


 警戒しながらドルフが窓に近づいて問いかけるとやはりマルコスだった。


「何の用だ?」

「ご相談したいことがあって。外では話せる内容ではないので、中に入れてもらえるか改めて時間を取っていただければ助かります」


 ドルフはレクシス様を見て、レクシス様は頷いた。


「失礼します」


 ドルフが窓を開けるとその窓からマルコスが部屋へと入って来て窓を閉めた。


「あ、音消ししますね」


 言ってから懐から音消しの魔道具を取り出し起動させる。


「それで相談したいこととは?」

「報告会ではフレイに襲われたものの俺は助かって彼は逃げたと報告しましたが、実は仲間にならないかと勧誘されたんです」


 なるほど、とドルフが相槌を打ち話を促す。


「ただ、それを報告しようにも誰が味方なのか分からなくて困っているんです」


 仲間になるのであれば明日の夜0時に指定された家に1人で来て欲しいと言われたとのこと。

 もしフレイや他の裏切者が姿を現せばそこで捕らえることができるかもしれない。


「俺はジェフリー殿に伝えようと思っているが構わないか?」

「分かりました。お願いします」


 マルコスもジェフリーさんを怪しんではいないのか反論はなく了承した。


「伝えたいことは伝えたので俺は寮に戻りますね」

「あぁ、気をつけて」


 そしてマルコスは窓から出て行った。


「可能性があるからこそ勧誘されるはずだが、どうなんだろうな」


 やってきたフレイさんを捕らえようとさせることが実は罠とか?


「ジェフリー殿に報告してこようと思っていますがよろしいでしょうか。私の変わりにカイルに居てもらいます」

「分かりました」


 何があるか分からないからと近くの部屋で眠っていたカイルが呼ばれた。


「任せた」

「ん、了解」


 やってきたカイルは寝起きで眠そうにしていた。


 30分ほどでドルフは戻って来た。

 カイルは寝床へと戻り、ドルフはジェフリーさんと話したことを私たちに話してくれた。

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