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月夜譚 【No.101~No.200】

桜と友達 【月夜譚No.176】

作者: 夏月七葉

 彼の強運には、驚かされてばかりだ。

 商店街の福引きの特賞に当たるし、欲しい商品が最後の一個だったりするし、財布を拾って届ければ持ち主から毎回お礼を貰うし……。もう一年近くの付き合いになるが、今も慣れることなく驚いてばかりだ。

 まあ、友人である僕にもお零れがあることもあるので、感謝はしているのだが。

 大学からの帰り道、隣を歩く彼の頭に桜の花弁が乗るのを見ながら、僕はぼんやりと考える。

 ここまで強運ならば、宝くじでも買えばすぐに億万長者になれるだろうに。彼の家は決して裕福でなく、兄弟も多くて、大学だって奨学金を借りて通っているのだ。

 だが、彼は決してそういった賭け事はしなかった。

 強運に任せて裕福になったとしても、きっと幸せにはなれないだろうから、しないのだと彼は言う。

 そんな彼だから、神様は強運を与えたのではないだろうか。

 そして、そんな彼だから、僕は友達になったのだろう。凛としたその姿が、とても恰好良かったから。

「どしたの? 行くよ」

 いつの間にか立ち止まってしまった僕を振り返って、彼が手を振る。

 僕は笑って駆け寄り、彼の頭の桜を指で摘まんだ。

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