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7種の神器  作者: snow
陰陽師編
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8話  【任務!】

私が陰陽師になって1か月がたった。

もう、夜に私そっくりの簡易式神を作って抜け出すことにもなれた。でも、陰陽師の仕事…妖の退治には慣れない。私は、今まで妖と仲良くしてきたからか、全部の妖を退治するのは違うと思う。上級陰陽師になったからってまだまだ、意見できる地位じゃない。上級になりたてだからね。だから、この陰陽師の制服を着た時だけ退治をする。それも、上司や同僚たちが見ているとこだけ。普通の時は、今まで通り仲良くしてるよ。でも、悪いことをしてたら、叱って、もうやらないようにしてもらってる。叱ってもやる妖は、呪術戦でお話をしてる。

そういう風にやり始めて、3週間がたち始めたころ1つの任務が入った。狼人間の退治だ。

「いいか、下級どもは俺らの命令にしっかり従うんだ。いいな?もちろん新人もだよ。」

「「はい。」」

最悪だ。今日の上司は嫌いなタイプだ。

陰陽師は、下級、中級、上級とある。それ以上になると試験が必要になるから今は説明しないよ。

陰陽師の任務はたいてい班行動だ。その班は、毎回違う。たいていは、上級1人と下級2,3人か、中級3人の班が組まれる。

もし、上級が2人以上いたら、なった順に命令の優先順位があるんだ。

中級だけの場合も、その中で1番最初に中級になった人が班長になる場合が多い。たまに、仲の良い人だけだから一番リーダーシップをとれる人が班長になることもある。

私はまだ班長をやったことがない。たいていの人は私の年齢で見下すからだ。

そして、今回一緒になったこの人は、陰陽師になってそうそう上級になった私が気に入らなくて、いまだに新人って呼ぶ。まだ1か月だからいいんだけど。これでも、この人のしりぬぐいを何回かしたとおもんだけど。

「今回の任務は、狼人間の退治だ。」

「その狼人間は何かしたんですか?」

私は気になって聞いてみた。それくらい、持ってる紙に書いてあるだろうから。

「人の前に出てきた。」

「…それだけですか?」

私は、聞き間違えであってほしくてもう一度聞いた。それだけなわけないだろうから退治となると思うから。

「それだけ?そんなわけない。」

よかった。そう思ったのに。

「それこそが害悪、いや、存在そのものが害悪なんだから退治だ!」

私は、驚きすぎて声も出なかった。私は後ろの下級の2人を見た。どっちも困惑していると思って。そしたら、2人ともうなずいていた。私は絶対にこの3人より早く見つけて逃がそうと決意した。何も悪いことしていないのに退治はおかしいから。私は、妖は人間と同じようなものと思ってる。悪いものもいれば、良いものもいる。そういうものだと思ってる。だから、その狼人間は絶対に退治させない。

「わかったな。じゃあ、散れ!」

そう言われて誰にも見られないように姿を隠した。そして、3人とも去っていったとき、

「コン。聞いていたね。その狼人間を探してほしい。」

「御意。」

これで、2手だ。






それから、2時間経った時、コンが見つけてくれた。

「コン。此処?」

「はい。此処にございます。」

「……誰だ。」

その声が聞こえた時、私は今まで維持していた隠形を解いた。私の姿、嫌服を見た瞬間その声の持ち主は逃げようとした。

「待って!」

でも、逃げようとした先は行き止まりだった。

「チっ!………お前も俺を殺そうとするのか」

あきらめた顔でその声の持ち主、嫌狼人間は言った。

「何で?」

「何で?笑わせんな。先に殺そうとしたのはお前らだ。」

「…ごめん。」

「ほら認めてんじゃねえか。」

さっきの現状を見たら違うとは言えなかった。

「貴様!」

「コン!」

食って掛かろうとしたコンを制止するように名を呼ぶ。

「お前、なぜこいつの味方をする。」

「こいつとは何だ。この方はコンめの主だから見方をするのは当たり前だ!」

「主?」

「お前、主も知らないのか。じゃあ、式神も知らないのか?」

「式神?」

「長く生きていれば自然と知っていくものだぞ。」

「ハッ!この格好になったのは半年くらい前だからな。知らねえな。」

「な!?」

「まさか、妖憑(あやつき)…?」

「そのようです。」

「あやつき?」

「お前みたいなものだ。人間でもない、妖でもない。中途半端なものだ。」

「なら、人間に戻れるのか?」

「戻れぬ。中途半端をやめるには完全に妖になるしかない。」

それを聞いた狼人間は黙り込んでしまった。私は今の現状を教えてどうするか考えてほしい。だから、現状を教えることにした。

「君の今の現状は、大変。今は追ってるのが私たち4人だけだけど、長引いたら十二神将クラスが出てくるかもしれない。そうなると逃げるのは大変。だから今どうするか決めて。」

「決めるったって。」

「思いつかないなら私が選択し用意するから。」

「じゃあ聞くが、逃げる以外の選択肢ってあるのかよ。」

「ある。あと2つは。」

「ほう、なんだ?」

「1つ目、君自身が陰陽師になること。これは、私の先生を紹介するよ。もう1つは、私の式神になること。」

「優様!?」

「どうする?」

「どっちのほうが簡単なんだ?」

「陰陽師になるとしたら式神になるより自由で居られる。ただ、筆記試験があって覚えなきゃいけないことがある。式神になるには試験がないけど、私にある程度はしたがってもらわなきゃいけない。どうするの?」

「俺は…」

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