7話 【家族と】
採寸が終わり、私たちは、快が先に帰った先生の下に帰った。
「先生!」「先生エ」
「お帰り。」
「「ただいま戻りました。」」
一日もたってないのに1週間くらい離れていたそんな感覚だ。やっと帰ってきた、それが実感できて少し涙が出てきた。
少しして収まったから、志気と目を合わせてからうなずいて一緒に黄色のリボンを見せた。
そしたら先生は、びっくりして固まっていた。
「…まさか中級からになるとは。」
私たちもびっくりした。そんなに固まるなんて思わなかったから。
「明日から大変だぞ。」
そう言った先生の顔がとても印象に残っていた。心配そうな顔だ。
そろそろ帰る時間になってきた。私たちは、自分の家族がいる家に帰っていった。志気は、久しぶりの帰宅だ。
「ただいま。」
「「「お帰り!」」」
玄関に待ち構えていたのは、三つ子の兄と弟と育ての親だった。
「優、楽しかったか?」
「もちろん楽しかったよ。兄さん。」
「もうちょっと早く帰ってきてよ。姉さん。」
「理志は、寂しかったの?」
「そんなんじゃないよ!」
「ただいま。父さん。いい加減なでるのやめて。」
「悪い悪い。」
私は、この家族たちに陰陽師になるって言ってない。だから、昨日と今日のことは遊びに行くついでに泊まりに行ったということになってる。嘘ついちゃってるのは罪悪感があるけど、でも止められたくない。(志気も親兄弟に言ってないそうだ。私と同じ理由で。)だから、私は何が何でも隠し通す。
「ご飯にするぞ。」
「は~い!」
その夜。私はなかなか寝付けなかった。陰陽師になれたっていう興奮で。明日から任務が始まる緊張で。ちゃんとできるか不安で。快のことが心配で。
結局寝れたのは、零時を過ぎてからだった。そのせいかわからないが、また霊力()が上がった。
そのころ、快は。
「師匠。」
「なんだ。」
師匠と2人きりで話していた。
「今までありがとうございました。」
「出ていく気か。」
「はい。陰陽師になれない子供を置いとくべきではないでしょう。なんせここは見習いが育つ場所なのですから。」
「もう一度受ければ受かるかもしれない。」
「師匠だってわかってるでしょ。霊力の強度が原因だって。」
「…」
「霊力は生まれ持った力。強度も多さも変わらない。」
「だが!お前はもう帰る家もないではないか。まさか孤児になるなんて言うのか。」
「師匠。それしか道はないのです。だから、ここまで育ててくださりありがとうございました。」
「…本当にあきらめたのか。」
「だって!なれないんだ。陰陽師に。諦めるしかないだろ!」
「……」
一枚の紙を出した。
「これは!」
「快。お前さん儂の養子にならんか?」
「……………いいんですか。」
一人の老人はうなずいた。
「よろしくお願いします。」
泣きながら微笑んだ。
此処に、佐倉井快がなくなり、竜胆快が誕生した。