3話 【小さな決意】
あの出来事から3年がたち、私は小学4年生になった。
あの後コンには、たっくさん怒られた。けがをしたらどうするのか!?とか、もし、もし死んでしまったら…とか、言われた。少し反省した。でも発見ができてよかった。
それから私はずっと考えてる。陰陽師になるかならないか。
コンは、反対してる。理由は危険だから。悪い妖たちと戦わなければいけない。それで命を落とすかもしれない。
でも、私はやりたい。家族には相談できてない。反対されるってわかってるから。
私は、人助けをしたい。陰陽師は誰かがやんなきゃいけないことをやってる。みんなの知らないところで戦ってる。私はそんなかっこいいことがしたい。私は孤児だ。兄弟はいる。でも本当の親はいない。それもわかってる。でも、だからこそ、自分のできることをしたい。私はこの持て余した力を使って人を助けていきたい。守っていきたい。大事だからこそ言えないことがまた増えちゃった。コンに言いに行こう。私は陰陽師になるって。
でも、どうやって陰陽師になるんだ?
陰陽師になると決意してからもう1か月も過ぎた。手掛かりは何もない。
そんなことを落ち込んでいたある日、家の近くに一人の男の人が立っていた。
なんとなく気になり、なんとなく話しかけた。
「こんにちは、どうしたんですか?」
「………こんにちは、立派な教会だね。」
男の人は私をむると目を真ん丸に開いて、固まってから笑顔になっていった。
それを見て、私は聞いてみようと思った。
「お兄さん、陰陽師って知ってますか?」
「…どこでそれを…?」
その言葉を聞いて当たった!と思った。たまに、よくこうなる。
何となくこうしよう。何となくあっち行こう。そう思った時の感はよく当たる。だから私は自分の感を信じてる。
「陰陽師になりたいの。教えて。」
「……君がなるにはまだ早すぎる。せめて高校生になるまで待ちなさい。それまで、思い出さないよう術をかけておこう。」
そう言ったお兄さんは私の額に手を当てようとしたその時、コンが出てきた。
「コン!」
「優様における無礼は許さない!」
「…まさか、その年で、式神もいるとは。」
お兄さんはびっくりしてる。でも、それに気を取られるわけにはいかない。私にはやることがあるのだから。
「コン、刀をしまって。」
「優様ですが!こやつは優様に呪術をかけようと!」
「コン!」
そう言ったら、コンは渋々とだけど、刀をしまってくれた。
達成感!!!!!
お兄さんはまだ混乱してるようだった。