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7種の神器  作者: snow
陰陽師編
24/26

23話 【次にやること】

昨日、法皇になれないことが決定した。その夜は少し泣いちゃった。だから、朝ご飯の時に父さんたちに心配かけちゃった。怖い夢を見たって誤魔化したけど。

ご飯を食べ終わって学校へ行く用意をしてる時、からすが来た。鴉は真っ白で目立つ。でもみんな見えてないかのように存在を無視するんだ。本当に見えてないから。鴉は式神だ。十二神将以上の用事に使われる式神。僕は十二神将でもないのに何だろう。鴉の足に紙がまいてあった。その紙をとると鴉が消え、人形だけが残った。そしてひとりでに人形は燃えた。

紙には、“今日の放課後学園に来ること”と書いてあった。きっと失格の知らせなんだ。でも、これが区切りだろうから行かなきゃだよね。少し、憂鬱だ。

「姉さん準備できた?」

「あ、うん。」

「じゃあ行こうぜ。」

「そうだね。」

「「「行ってきます!」」」

「おう。行ってらっしゃい。」

今は学校に集中。今の僕は小学生の僕なんだから。







はあ、放課後になってしまった。いやだな。行ったら本当に終わってしまうんだから。でも、行かないって選択肢もない。は~。行こうかな。

「兄さん。先帰ってて。」

「おう!分かった。」

「また後でね姉さん。」

「うん。」

僕は足が重く感じながら歩いていた。いつもの路地に向かおうと。そこで思い出した。その場所は兄さんたちに見つかっていたのだと。また探さないと。

そう言えば、学校の中に霊脈があったね。その霊脈をたどってどこに行くか見てみようかな。

ビンゴ!やっぱり大きな霊脈があった。行こう。覚悟はもう決まってる。


「ようこそ。工藤優君。」

「こんにちは。」

「こっちです。」

何で敬語?僕は法皇になれなかったのに。まだ報告が言ってないとか?

案内されたのはまだ一度も入ったことの無い部屋だった。その部屋はどの部屋の扉よりも豪華な扉がある部屋だった。

「ここです。」

道希さんは扉を開けて言った。まるでエスコートするように。部屋に入ってまず目に入ったのは、十二神将以上が全員いる光景だった。その次に、部屋の家具だ。とても高級そうに見えた。そして、扉を閉めた道希さんも、僕の前に並んだ。

「我ら、一同。もう一度。あなた様に忠誠を誓います。」

「我らはあなた様の盾。」

「我らはあなた様の矛。」

「我らはあなた様の手足。」

「我らはあなた様の目。」

「「我らがあなた様の下へ就くことをお許しください。」」

「我らの主としてお立ちしていただくことを我らは望みます。」

「「「「「「「「「許しを得ることができましたら、我らはあなた様を支え、助けていけます。どうか許しをくださいますようお願い申し上げまする。」」」」」」」」

「我ら陰陽師を導く」

「明星となっていただきたく。」

「「今ここに忠誠を誓わせていただきます。法皇、工藤優様。」」

「え?!」

法皇!?僕が?僕は失格したんだよ!?

「ここは許すといわないと終わりませんよ。」

コン。

「いいのか?この格好のままで。まあ、俺はおもしれえからいいけど。」

いいわけないじゃん!でも、

「さあ!」

ああ~もう!

「ゆ、許す…?」

「「「「「「「「ありがとうございます。」」」」」」」」

「あの、何で法皇になれたんですか?」

「敬語を。」

「君たちが辞めたらやめます。」

「…全員が賛成したからだ。君が法皇になって変わっていく陰陽師を見てみたいと。」

「そっか。」

嬉しかった。だってだめだと思ってたんだもん。

「ここは法皇の部屋。今、この瞬間から君部屋だ。」

僕って本当に法皇になったんだ。そんな実感がわいてきた。その時、何かの声が聞こえた。こっちに来てと。その聞こえたほうに目を向けてみると丸い石があった。その石は黄色で自然にはできないような石だった。僕はその石に触れなくちゃいけない。そんな気持ちがあふれていった。

「優君?」

呼び止められたのにも気づかないほど頭が回らなかった。ただ、その石に触らなくちゃ。その気持ちだけが頭の中にあった。

その石を持った時、青い光が放った。炎のような氷のようなそんな青だ。光が収まった時、手の中にあったのは石じゃなかった。それは扇だ。とてもきれいな扇だった。

「やはり、神器を使えたか。」

そんな言葉は耳に入らなかった。でも、だんだんと頭が正常に戻っていくのを感じた。そういえば、法皇になってやりたいことがあったのだった。

「まずはさ、霊視をできても陰陽師になれない人がいる。それをどうにかしたいんだけどうすればいいと思う?」

僕が法皇になって最初にやりたいのは、快のことをどうにかすることだから。やっぱり兄弟子だもんね。

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