22話 【会議】
その日の夜。とある会議室。
「さて、今回の法皇候補に関してだが、本当にいいんだな。今会議をやって。」
言外にまだ期間はあるのにと語っていた。
それをわかっていながらだれも反対の言葉を上げなかった。それは見定めが全員終了していることを意味していた。
「よろしい。ならば、法皇候補に忠誠を誓うもの。」
そこで、6人が手を挙げた。後2人手を挙げてないものがいる。一人は、司会をしている蘆屋道希。もう一人は、賀茂幸。
「ならば、候補が法皇になることを反対するもの。」
これにも手を上げなかった。
「賀茂。どうするのか結論を言え。」
「僕は、見てみたいな。あの子が作る陰陽師を。でも、やっぱり幼すぎる。延長を申請する。」
「あのさ、それってつまり法皇になることは賛成ってことなんでしょ。なら今でもいいじゃん。」
「幼すぎるといったんだ。あの子は陰陽師の家系じゃない。小さいころから教育を受けたわけじゃないんだぞ。」
「だからこそ、法皇にと推薦したんだろ。」
「もう少し待ってからでもよかったはずです。」
「まあまあ。道希が推薦したのはほかの理由もあるんだよ。」
「おい。」
「教えておいたほうがいいよ。」
「だが、「教えてください。」」
「あの子の先祖は神だろうね。」
「それは本当なんですか!?」
全員が驚いていた。それもそうだ。神がこの地、次元を去ってから久しい。なのに、そんなことがわかるなんて先祖返り。もしくは近しい子かもしれない。例えば、親か祖父母が神とか。
「確かに空気は神聖でしたけど。」
「あの子は、いつか、神になってしまうそんな気がするんだ。」
「それこそ、封印をすれば…」
「無理だとわかってるだろ賀茂。あの子の先祖がどの神かもわからないんだぞ。」
みんな分かっていたのだ。神の力を封印するにはどの神の力なのかわかっていなければいけないことなんて。
「だからこそ。制御を覚えてもらう。あの神器を使えるかもしれないんだ。神器で制御をしてもらえば死ぬことはないだろうしな。それに制御は早いうちからやっておいたほうが効果は高いからな。」
「これでも反対するのかい?」
「なに、フォローはするさ。心配するな。」
「心配しますよ。僕は忠誠を誓うんですから。あの子がつぶれないかが心配だったんだです。でも、ならないほうが危険ならなったほうがいい。」
「なら反対はいないな。」
全員がうなずいた。
「ではもう一度。時期法皇、工藤優様に忠誠を誓うもの。」
次こそは全員が手を挙げた。それが法皇誕生の合図だった。




