16話 【未来と今】
あれから3か月。僕は放課後は陰陽学園に毎日行っているけど、あの2人以外に誰も会わなかった。進展もしないまま試験期間の半分が過ぎてしまったということだ。今日こそは誰かに(2皇以外に)会うぞ。と、思いながら霊移をした。
思いは実を結んだようだ!
霊移をして1時間後くらいに初めて見る人を見かけた。此処にはいれるのは法皇候補と十二神将以上だから。嬉しかった。
「初めまして。僕は、」
「知っている。工藤優君だね。話があるんだ。ついてきなさい。」
「は、はい。」
何の話か不安だった。この人も僕が知っている上級陰陽師の人みたいにふるまうのだろうか。
僕たちは1つの部屋に入った。此処も会議室と書いてあった。
彼は、自分が座った席の前の席に座るよう僕を促した。
「私は君を認めている。試すなんて無駄なことはしない。」
僕は驚いた。みんな僕を試すと思っていたから。それに、試すことを無駄って。
「試すのが無駄というのはどういうこと?」
「…私の名を聞けばすぐわかるさ。私の名は、土御門来奇だ。」
土御門来奇。彼は、名門土御門の当主にして、十二神将だ。そして、未来視の第一人者と言われているほど正確な未来視ができるといわれている。本当にそんなことができるのかな?出来たとしたらそれはつまらなくないのかな?
「…僕を試すだけ試してください。」
「なぜ?」
「あなたが見たのは未来の僕だ。今の僕じゃない。」
「同じだろ。君が法皇になる未来が見えた。そして、その未来はとても素晴らしく感じた。私が法皇候補に求めるのは素晴らしい未来が作れるかどうかなのだから。作れる君を落とす理由がない。」
「だからこそ試してほしい。未来のことじゃなくて今の僕を。未来は絶対じゃない。僕がたった一つ選択肢を違うのにすれば法皇になれないかもしれない。素晴らしい未来にならないかもしれない。だから、未来のことじゃなくて今を見て決めてほしい。」
僕が彼をまっすぐ見ながら言ったら、彼は俯いて黙ってしまった。
「私たちは、いつも未来を見て正しい行動をしてきた。それを否定するのか。」
「ああ。するよ。」
「なぜ…?」
「いつも未来を見てそれ通りになったらつまらないと思うから。僕は優しくしてくれた人が死んだ。もし僕に未来を見る力があるなら未来を見てそれ通りにしよとするか、変えようとあらがうかだと思う。あなたはもし大切な人が死ぬ未来を見たらどうするの?その死が後々大きな流れとなっていてその死が正しい死なららどうするの?見殺しにするの?助けることができるのに。」
「それは…」
「僕は助けるよ。たとえ大切な人じゃなくても。運命や未来は自分で切り開かなきゃ意味がないよ。僕はそう思うよ。あなたの気持ちを教えてほしい。土御門家当主としてじゃなくて、ただの土御門来奇としての。」
「私は……選びたい。未来で見たことに左右された生き方じゃない、生き方をしたい。でも、家族や部下たちを守るには前までの生き方のほうが…」
「いいんじゃない。」
僕がそう言うと、彼は、意味が分からないというような顔で僕を見てきた。
「たまになら。守るために使うなら。すべての選択肢を選ぶときに使うなら話は別だけど、そうじゃないならいいと思うよ。僕は。」
「そうか。」
そう言った後、彼は立ち上がって僕の前に来てから膝ま付いた。
「どうしたの!?」
「…私、土御門来奇は、次代の法皇候補たる工藤優に忠誠を誓います。」
それをやるのは最後、法皇になることが決まってからだと聞いていたからとても驚いた。
「私のことは来奇と。それと、憧れていては法皇には成れません。これが私からの忠告です。」
「ありがとう。」
「後、明日もこちらに来るといいでしょう。きっと良いことが起こりますよ。」
「そっか。なら今日はもう帰ろうかな。じゃあね。」
僕は霊移をして学園を出た。その後来奇が、
「その年でもう霊移を…凄いな。」
と言っていたのを知らない。明日に備えてご飯の用意をしているときだったから。




