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勇者になりたい!  作者: 花水木出雲
第2章「オズの戦前編」
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10話「死者への冒涜」

アルゴとライザ。

二人の竜は本来の姿に変化することが出来る。しかしそれは

レイザードの許可なしには使えない。その場合は最大限使える

力は半竜化。


「(レイザード様との連絡も出来なくなってしまった…)」

「これぐらいが丁度よいでしょう。何も全員で一斉攻撃をする必要など

ありません」


カーラがキッパリと言い張った。その言葉に周りは困惑している。

彼女はドロシーに目を向けてニコッと笑う。

私にやれって事っすか…。


「分かったよ。やる、やりますよ」


これならば聖属性の魔法で中和することが出来る。中和と同時に

敵を殲滅することも可能だ。人間だからこそ扱える属性がこれなのだ。


「―星空測図(ウラノメトリア)!」

「空間系の魔術ですか。珍しい、それなりの魔素を使うのでは」


ライザは段々と空間を広げることに集中するドロシーでは無く

カーラに聞いた。カーラは待ってましたと言わんばかりに解説を

入れる。


「空間を作ると言う事はそれだけの範囲に自身の魔素を広げて

具現化させると言う事です。それだけのことが出来る技量と

魔素量が無ければ扱えない。生まれつきの魔素量に左右されるのです!

つまりそれは~…?」


カーラがライザに目を向ける。


「ドロシー殿はそれだけの才能を持っていると言う事ですね」

「その通り。そこの阿呆とは違うわね」

「誰が阿呆だ、誰が」


アルゴに突っかかっていくカーラとそれに反発するアルゴ。

最早テンプレ化しているやり取りである。ライザは溜息を吐いた。


「だけど、どれだけ優れた魔法であっても完璧は無いのです」


夜空に亀裂が走り、砕けてしまった。


「テュポーン戦での疲れが溜まってたのかしら。ドロシー様、今日は

これから24時間お休みタイムです」

「えぇー…」


カーラの言葉に対してドロシーは少々嫌そうだな顔をした。

24時間お休みタイムって、一体…?


『なんて器用で、なんて繊細な空間魔法。だが、頑丈さに

問題アリですねぇ~』


カタカタと嗤う死霊魔術師。名をデルグリアと言うらしい。

この場に存在する全ての死霊を一人で操っている。さらにこの

魔術師、人すらも操れると豪語する。


「体が…!?」


カーラの体が一人で動き出し、銃を乱射する。


『さぁ、自らの手で主人を殺めるのデス~!!』

「器用だな。死霊魔術師でありながら心も操るのか?」


そこに駆け付けたのはリーベだった。デルグリアの術の

正体を彼は見破っている。


「俺たちと同じだな?」

『同じ?』

「死霊たちの心を惑わし操る。死霊魔術師に近い、て

ところじゃないのか?」

『…誰かと思えば魔導人形ではありませんか。こんなに

人間らしい人形は初めて見ましたぞ。それを操っているのは

その娘かナ』


死霊たちにドロシーを襲わせるつもりだ。だが何も起こらない。

何度も命令した。何度も命令した。しかし死霊たちは動かない。

それどころか彼らは操っているデルグリアを攻撃する。


「死者を操るということは彼等の怒りを買うんだよ。それに

どうやらその中には憎悪を持って死んだ者もいるようだね?

もしかして操るために殺しちゃったのかな?」


リーベはゆっくりと歩きだした。


『ヤメロ!私ではなイ!敵はあの娘ダ―!!』

「それはな、魔術師。生命の冒涜って言うんだぞ」



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